『デッドライジング デラックスリマスター』では「エロティックな写真」のボーナス評価撤廃へ。“開発リソース節約”により


カプコンは9月19日に『デッドライジング デラックスリマスター』を発売予定。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S。『デッドライジング』の“デラックスリマスター”となる本作では、オリジナル版に存在していた、写真撮影における一部評価が削除されるという。カプコンはこの要素が削除された理由について「社会通念の変化というより、リソース節約の側面が大きい」といった声明を米IGNなどを通して発表している。

オリジナル版『デッドライジング』は2006年にXbox 360向けにリリース。2016年にはHDリマスターとして、PC(Steam)/PS4/Xbox One向けに登場。本作の舞台となるのはアメリカのコロラド州ウィラメッテ。ジャーナリストの主人公フランク・ウェストは、わずかばかりの撮影機材を手に、ゾンビであふれるウィラメッテ・モールへと向かう。そしてウィラメッテがゾンビで溢れるようになってしまった事件の真相に迫りつつ、救助のヘリコプターが到着するまでの72時間を生き抜くこととなる。

本作はそんな『デッドライジング』の次世代機版となる。カプコンによると「リメイクといっても過言ではない」という本作は、4K/60fpsでのプレイが可能なほか、キャラクターモデルなども刷新。また操作のしやすさにも手が加えられており、UIなどのシステム面もオリジナル版より改善されている。フルボイス化もおこなわれており、まさしくリメイク級の作品となるわけだ。


『デッドライジング デラックス リマスター』では、オリジナル版と同様にフランクが写真を撮影することができる。ジャーナリストであるフランクはモール内でシャッターチャンスを見つけ次第写真を撮る。撮った写真の場面が劇的であればあるほど評価「PP(Prestige Point)」が多く獲得できレベルアップする。これにより各ステータスの上昇や、さまざまなスキルの習得が可能になる。

一方、本作ではオリジナル版にて写真撮影における評価のひとつであった「EROTICA」が削除されることが明かされ、注目を集めていた。EROTICAはプレイヤーが特定の角度から女性の生存者、あるいは女性のゾンビを撮影することによって獲得できる評価であった。つまりEROTICAという名のとおり、セクシャルな印象の写真を撮ることが評価されていたわけだ。


このEROTICAが削除された理由について、米IGNなどがカプコンの広報担当者より送られたという声明を公開した。声明によれば、開発が進むにつれ、『デッドライジング デラックス リマスター』にはオリジナル版のすべてを盛り込めないことが判明したという。そのためEROTICAの写真評価が削除されたのも、文化・社会の風潮の変化への対応というよりは、そうした制約から“必要ない”と判断されたことが大きいそうだ。EROTICAの評価を得られるシステムを構築し直すためのリソースが節約されたのかもしれない。

また声明によると、作中でフランクが置かれた状況を考えると、EROTICAという評価はふさわしい報酬ではないとも判断されたとのこと。さらにゾンビの大群の中で72時間生き延びようとするジャーナリストに求められるようなスキルでもない、との見解も示されている。制作にあたっての制約だけでなく、ストーリー的な側面からも不自然・不要だと判断されたわけだろう。

とはいえ、カプコンによれば写真に何を収めるかはプレイヤーの自由だという。あくまでEROTICAという評価やPPのボーナスを獲得できなくなるだけで、オリジナル版と同じくプレイヤーの思うままに撮影しまくれるようだ。

作品がリメイク・リマスターされるにあたっては、当時からの社会通念の変化にあわせて表現が一部変更される例もみられる。本作のEROTICA削除についてもそうした理由からの変更ではないか、といった見方も一部みられた。一方でカプコン側の説明によると、実際には開発リソースの節約などが背景としてあった様子だ。表現変更の主な理由が“社会通念の変化への対応ではない”とあえて明言される珍しいケースといえそうだ。

デッドライジング デラックス リマスター』は、PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに9月19日リリース予定だ。

【UPDATE 2024/8/14 18:04】
広報担当者のコメント原文をより適切に表現するため、記事見出しを変更