『デイヴ・ザ・ダイバー』開発元CEO、「登場キャラたちの過去編を作りたい」とスピンオフに前向き発言。ブルーホールに来るまでの、紆余曲折を描きたい


デイヴ・ザ・ダイバー』を手がけるゲーム開発スタジオのミントロケット(MINTROCKET)。同スタジオのCEOであるファン・ジェホ氏は海外メディアVGCのインタビューにて、『デイヴ・ザ・ダイバー』のIP拡大に意欲を見せた。

『デイヴ・ザ・ダイバー』は、ブルーホールと呼ばれる海を舞台にした海洋探索と、その海の近くに存在する寿司店での経営シミュレーションを組み合わせた作品だ。対応プラットフォームはPC(Steam)/Nintendo Switch/PS5/PS4。プレイヤーは、昼に海へ潜り水中を探索し、魚を獲ったり凶暴な魚と戦ったりする。そして夜になると寿司店へと移動し、昼の漁で獲得した魚をもとにお店で出すメニューを決め、お客からの注文どおりに寿司を配膳するなど接客と経営をこなすのだ。


同作を手がけるミントロケットは2022年4月にネクソン内の小規模チームとして発足したゲームスタジオ。少数精鋭のメンバーにて、ユニークでチャレンジングなタイトルの創出を目的として設立されたチームであった(弊誌インタビュー記事)。そして2024年9月にはネクソンから完全子会社として独立することを発表。ミントロケットのブランドを拡大し、エンゲージメントの高い小規模なゲームをグローバル向けに開発していくなどとされていた(関連記事)。

そんなミントロケットのCEOを務めるファン・ジェホ氏に対し、海外メディアVGCがゲーム関連イベント「gamescom asia」にてインタビューを実施。ファン氏は先の独立を振り返り、(子会社の立場で)親会社にアイデアやビジネスプランを持ち込んでいた時より、ゲームの開発自体に集中できるようになった、と語った。


その中でもファン氏は、『デイヴ・ザ・ダイバー』に親しみやすいキャラクターがいることに触れつつ、同作のIP拡大を模索していると述べた。しかしながら『デイヴ・ザ・ダイバー』自体はカジュアルなゲームにしたいという思いがあったようで、作中本編では各キャラの個人的なストーリーは深掘りしなかったとのこと。

そうした背景もあり、ファン氏は各キャラクターのストーリーを肉付けする際には、「別作品」での展開となるだろうと語った。ファン氏いわく、たとえば主人公のデイヴについては、どのように成長し、どのようにダイバーになって、どうしてブルーホールに来ることになったのか、そのストーリーを描きたいとして『デイヴ・ザ・ダイバー』のIPにおける展望を語った。

また過去を別作品として描く場合には、ファン氏は特にゲームのジャンルは決めるつもりはなく、ばらばらでもよいと考えているようで、いつかデイヴのバックストーリーを描くときには「デイヴがダイバー以外の職業になるかもしれない」と述べている。その際には『デイヴ・ザ・ダイバー』の関連作として登場しつつも、まったく毛色の違う作品となることもありそうだ。しかしファン氏ら開発陣にとってデイヴはずっとダイバーであったため、デイヴをどのように扱うかはあまり考えたことがないとも語っている。


なお『デイヴ・ザ・ダイバー』については、現在追加ストーリーDLCに取り組んでいる最中とのこと。インタビューで語られた限りでは、DLCストーリーはキャラ個別にフォーカスしたものではなさそうなものの、本作のさらなる物語が楽しめるだろう。本作DLCや、登場キャラの過去に迫る「別作品」など、ミントロケットから今後あるかもしれない情報の公開についても、期待が高まるところだ。

『デイヴ・ザ・ダイバー』は、PC(Steam)/Nintendo Switch/PS5/PS4向けに配信中だ。PS Plusのゲームカタログ向けにも提供されている。