CRI・ミドルウェア、無償利用可能なサウンドミドルウェア「CRI ADX LE」を全世界向けに提供開始。9月にはブラウザゲーム向けにも対応予定
株式会社CRI・ミドルウェア(以下CRI)は7月18日、国内向けに提供しているサウンドミドルウェア「CRI ADX LE」のアップデートを実施。全世界向けに提供を開始した。
CRIは、ゲームを中心に活用されるミドルウェアを手がけている企業だ。例としては、多様なサウンド演出を手軽に実現する「CRI ADX」や、ムービーを活用したリッチな演出を手軽・軽量に実現する「CRI Sofdec」、音声解析およびリアルタイムリップシンクを実現する「CRI LipSync」などがある。こうしたミドルウェアはさまざまなタイトルに採用されているため、ゲームの起動時などに「CRIWARE」のロゴを見たことがあるユーザーも多いだろう。
「CRI ADX(以下「ADX」)」とは、UnityやUnreal Engine5をはじめとしたゲーム開発環境のサウンド機能を拡張する、マルチプラットフォーム開発に最適な統合型サウンドミドルウェア。ゲームに高品質なサウンド機能を実装できるとしている。直感的なツールと充実したデバッグ機能により、リッチなサウンド演出を設計可能。さまざまな商業タイトルに採用されており、ゲーム制作現場の最前線において高い表現力を支えているミドルウェアだ(関連記事)。
そして「CRI ADX LE」は、そんな「ADX」の全てのサウンド演出を無償で利用できるバージョンだ。本製品は2013年のリリース以降、多くのインディーゲームで活用されているものの、これまでADX LEは日本国内での利用に限定されてきた。そのため海外の開発者からも多くの利用希望が寄せられていたという。そして今回、国境の垣根なく広がり続けているインディーゲーム開発コミュニティを支援するべく、「CRI ADX LE」を全世界で利用可能とするバージョンアップが実施された。
また、「CRI ADX LE」は9月にはブラウザゲームに対応するアップデートを予定しているという。これにより、まずブラウザゲームとしてリリースしたのち、共通のミドルウェアを用いてプラットフォームを徐々に拡大していくような開発手法にも対応できるようになる。
また、一般向けに7月20日、7月21日、京都・みやこめっせにて開催される「BitSummit Drift」にCRIミドルウェアはブースを出展。オープンソースゲームエンジン「Godot Engine」上の動作デモや、「CRI ADX LE」のブラウザ対応デモなどが展示されるとのこと。またナツメアタリ手がけるローグライクゲーム『PENNY BLOOD: HELLBOUND』のサウンドクリエーターである弘田佳孝氏を招いて、インタラクティブ・ミュージックの実装に関する講演も実施されるという。興味のある方は、CRIミドルウェアのブースに足を運んでみるのもよいだろう。
「CRI ADX LE」は現在、公式サイトにてSDK(ソフトウェア開発キット)がダウンロード可能。