死刑囚と面会交流ゲーム『刑死のためのカウンセル』Steamにてお披露目。反省の色を見せない2人の凶悪犯と仲良くなり、「罪」を教える

薬草神話は3月23日、『刑死のためのカウンセル』のSteamストアページを公開した。カウンセリングを通して残虐な連続殺人事件を起こした死刑囚2人に罪を教える、面会劇ビジュアルノベルゲームである。

同人ゲームサークルの薬草神話は3月23日、『刑死のためのカウンセル』のSteamストアページを公開した。同作はPC(Steam)向けに、2025年リリース予定。Steamでは体験版も公開中となっている。

『刑死のためのカウンセル』は、カウンセリングを通して残虐な連続殺人事件を起こした死刑囚2人に罪を教える、面会劇ビジュアルノベルゲームである。本作の舞台となるミストブリッジは、巨大な青い月によって照らされた工業都市だ。ルールー教が信仰される同都市では、産業革命による排ガスと煙が月を覆い隠す暗黒時代が訪れていた。そんな中、時代を象徴する残虐な連続殺人事件「燃尽問答事件」が発生。聖職者ばかりが破戒の罪を問われて殺される残虐な事件は、2人の男への死刑判決によって幕を下ろそうとしていた。

本作でプレイヤーは刑務官として、「燃尽問答事件」を起こした死刑囚2人のカウンセリングのようなものを担当。1か月後に死刑となる犯人たちと仲良くなり、彼らの過去を知って、死刑を少しでも有意義なものにしようとする。反省の色を見せない彼らに、罪を教えることはできるのか。月を信仰する世界で残虐な事件を起こした死刑囚の男たちとの、1か月間の面会が繰り広げられる。


刑務官であるプレイヤーは、毎日の面会を通して死刑囚と交流していく。本作では時間をリソースとして消費して、死刑囚との会話や資料の確認などをおこなう。たとえば教誨室(きょうかいしつ)での面会時には、死刑囚へと振る話題ごとに必要な時間が設定されている。雑談は1、事件については2といった具合だ。本作では時間を消費するシステムによって、時間の限られたカウンセリングが表現されているわけだ。話題の種類は30種類以上。事件の詳細やルールー教、個人的な情報も聞き出せるようだ。面会などでの選択が、思わぬ結末につながることもあるのだという。

また本作のキャラクターとしては、主に実行を担当していた004番のパニ・ナインテイルズと、宗教的な名家の出身で計画などを担当した888番のギル・デ=チョークが登場する。粗暴なパニと紳士的なギル、正反対の2人は血塗られた絆で結ばれていたというが、なぜ彼らは事件を起こしたのか。カウンセリングを通して、2人の庇いあいや決裂なども描かれていくそうだ。ストアページによると、プレイ時間は2時間から3時間程度。洋画が好きなライトゲーマーやダークな男バディ、悪役の過去が好きな人などにオススメであるそうだ。

本作は、同人ゲームサークル薬草神話が手がけている。開発者である薬肉煮つくね(つくねん)氏の記事によると、2023年4月頃から開発がスタート。東京ゲームダンジョンへの出展やX(旧Twitter)アカウント上での制作状況公開などを経て、制作が進められてきた。今回ストアページの開設にあわせて、序盤の数日間がプレイ可能な体験版も公開。凶悪犯らしい内面を覗かせるシーンなどが、Live2Dで動くキャラクターやレトロ風の演出も含めて描かれている。洋画のような雰囲気や、月を信仰する世界と凶悪な事件など、ゲームの雰囲気が確認できる内容となっていた。

『刑死のためのカウンセル』は、PC(Steam)向けに2025年リリース予定だ。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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