最大4人おっさん物理演算ドタバタ帰宅ゲーム『RV There Yet?』いきなりSteam同接3万5000人超の大ブレイク中。キャンピングカーで行く最悪危険ドライブ

Nuggets Entertainmentは10月21日、協力型アドベンチャー『RV There Yet?』をリリースした。ストリーミング配信などでも人気を博し、さっそく大きな盛り上がりを見せている。

デベロッパーのNuggets Entertainmentは10月21日、協力型アドベンチャーRV There Yet?をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)。本作はストリーミング配信などでも人気を博し、さっそく大きな盛り上がりを見せている。

『RV There Yet?』は、キャンピングカー(RV)を運転して家に帰ることを目指す2〜4人協力型アドベンチャーゲームだ。プレイヤーたちは休日にキャンプにやってきたおじさんである。悠々自適のキャンプを終え、いざ帰ろうとしたところでトラブルが発生。来た道が使えなくなっているのだ。幸いにもキャンプ地であるマバッツ渓谷には迂回路が存在する。こうして、プレイヤーたちは迂回路がどんな危険なルートか知らないままに、波乱に満ちた大冒険へ乗り出すことになる。なお、本作は日本語表示に対応していないが、ゲーム内に近接ボイスチャットシステムが存在するため、日本語話者同士でプレイすればあまり支障はないだろう。

本作は協力プレイを前提としており、プレイヤー数は2〜4人が推奨されている。開発者によれば1人でプレイすることも不可能ではないようだが、誰もやったことがないためクリアできるかどうかもわからないとのこと。

プレイヤーたちはキャンピングカーに乗って安全な公道を目指すことになるが、舞台となるマバッツ渓谷は危険に満ちているようだ。迂回路は整備されていないデコボコ道で、ひとつ間違えれば崖下に転落しそうな狭い橋や、道路が寸断されている場所さえあるひどい状況だ。キャンピングカーにはリモコン操作可能なウィンチが搭載されているため、うまく使えば障害物や急な坂を無理やり突破することもできる。運転役とウィンチ操作役でうまく協力して道を切りひらくわけだ。なお、キャンピングカーにも耐久度があるため、場合によっては修理が必要となる。

迂回路ではほかにも、ヘビや熊といった危険な動物や落石など、さまざまな危険がプレイヤーたちに襲いかかってくる。ハンバーガーで体力をつけ、解毒剤やエピペン(アナフィラキシー用注射器)などの備えも万全にして、全員無事の帰宅を目指すのだ。ちなみにキャンピングカーはマニュアル車である。運転慣れしていない人が悪路でマニュアルの大きなキャンピングカーを運転すること自体も、重大な危険として立ちはだかるかもしれない。

そんな本作はリリースされるやいなや大きな注目を集めている。本稿執筆時点でSteam同時接続プレイヤー数はピーク時に3万5000人超を記録しており、多くのプレイヤーがおじさんとしてキャンプ地からの帰宅を目指している様子だ(SteabDB)。Steamユーザーレビューも約1800件が寄せられており、そのうち80%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。本作は動画配信サイトTwitch上でも人気となっており、ゲームのタイトルで検索すると配信しているプレイヤーが多く見受けられる。

本作は『PEAK』や『R.E.P.O.』といった人気作にも通ずる物理演算ベースの協力プレイ型ゲームである。おじさんたちのドタバタ帰宅劇が物理演算で描かれるおもしろさを味わえるだろう。レビューでも協力プレイの賑やかさが高く評価されているほか、チェックポイントが多いなどストレス要素が控えめな点も好評だ。なお現時点では不具合などの発生報告も見られ、ゲームの安定性からやや不評レビューも寄せられている。とはいえ不評レビューでもゲームプレイ自体は評価されており、今後のアップデートでのブラッシュアップも期待されるだろう。

本作を手がけるNuggets Entertainmentは、スウェーデンを拠点とするインディーゲームデベロッパーである。本作がSteamでリリースする初めての作品だが、本来であれば、不思議な生物の育成や農業をするゲーム『AMONG THE WILD』をデビュー作として開発中だった(関連記事)。それに先んじて本作がリリースされたかたちだ。開発者によれば、いきなり発表してサプライズでリリースする予定だったものの、Steamストアページが早々にバレてしまったのだという。「まだ内緒だからリンクはクリックしないで!」と強調する動画が逆に話題に火をつけたようだ。

ちなみにNuggets Entertainmentにはコミュニティマネージャー兼ゲームライターのJace Varlet氏など、元Coffee Stain Studios出身のスタッフも参加している。同スタジオでの開発や宣伝のノウハウも活かされ、ヒットに繋がったのだろう。

『RV There Yet?』はPC(Steam)向けに配信中。現在はリリース記念セールが開催されており、10月29日までの期間限定で定価の10%オフとなる税込828円で購入可能だ。

Naoto Morooka
Naoto Morooka

1000時間まではチュートリアルと言われるようなゲームが大好物。言語学や神話も好きで、ゲームに独自の言語や神話が出てくると小躍りします。

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