販売停止となった『コンコード』、早くも“幻のゲーム”扱いでプレミア化。定価約4000円なのに「4万円以上」での取引も


ソニー・インタラクティブエンタテインメントは9月4日、『CONCORD(コンコード)』のサーバーをオフラインにし、サービスを一旦停止することを発表。ダウンロード版のほか、出荷済みのパッケージ版についても即時販売を停止し、返品対応および全額返金に応じることを告知していた(関連記事)。それを受けて、本作のパッケージ版がさっそくプレミア価格で取引されている。

本作は、SIE傘下のFirewalk Studiosが手がけPC/PS5向けに8月24日に発売されたオンライン専用ヒーローシューターだ。独自のアビリティやロールをもつ個性的なキャラクターたちが登場し、プレイヤーはそれらから選択して5対5のPvPバトルを楽しめるものとなっていた。

本作においては、発売後わずか10日で販売が即時停止され、返金対応がおこなわれると発表された。そして米国時間9月6日にゲームはオフラインになり、サービスも一旦停止、現在遊ぶことができない状況となっている。一方でパッケージ版を購入したユーザーはオークションサイトに出品せずとも、購入済みのパッケージ版と購入証明(レシート等)を持参の上、購入した店舗へ返品手続きを申し出ることで全額の返金を受け取ることが可能。店頭での返品手続きの受付期限は2024年9月30日(月)までとなっている。詳細はPlayStationカスタマーサポートでも案内されている。


一方、そんな本作の販売停止を受けて、PS5パッケージ版の中古市場における価値が上昇を見せている。公式による販売は停止となっており、Amazonなど大手ECサイトでの販売もおこなわれていないものの、オークションサイトなどでは出品もあるようだ。海外メディアArts Technicaが報じたところによると、現地時間9月8日時点における、オークションサイトeBayでのPS5通常パッケージ版の取引価格の中央値は約110ドル(約1万5000円)となっている。本作の海外希望小売価格が40ドル(約5700円)であることを考えると、現在の取引価格は定価の約二倍以上に跳ね上がっていると言える。

また国内向けにも、オークションサイトメルカリにおいては約2万円~4万円の間の価格帯で出品がおこなわれ、売約が成立している例もみられる。またYahooオークションにおいては新品・未開封品に対して本稿執筆時点で約3万600円から4万円の価格帯で落札希望金額が提示されている。ちなみに国内向けの本作の希望小売価格は税込4480円であったため、10倍近くの価格で取引・出品されているわけだ。現在はパッケージ版を購入したとしても本作のサーバーは停止中であり、プレイすることはできないにもかかわらず、国内外で高額取引されているようだ。


発売から約10日という異例の早さで販売停止になった本作のパッケージ版。販売・サービス停止に際しては、プレイヤーにより良いものを届けられるようにさまざまな選択肢を模索すると説明されていたが、現在もサービス再開、およびパッケージ版の流通再開の目途は立っていない。そのため再販されることのない“幻のゲーム”化する可能性を見越してか、コレクションとしてプレミア価格でも入手しておきたいといった需要も発生しているようだ。販売停止後、返品受け付け中に価格が高騰するという皮肉な事態ともいえるだろう。

『CONCORD』は現在サービス停止中。サービス再開時期は本稿執筆時点で未定となっている。