発売後即販売停止となった『コンコード』にて“お別れ会”が自然発生。プレイヤーによって、最後の瞬間が見届けられる


ソニー・インタラクティブエンタテインメントは9月6日、『CONCORD(コンコード)』のサーバーをオフラインにし、サービスを一旦停止することを告知していた(関連記事)。その告知通り、日本時間では9月7日午前2時頃に本作のサーバーは停止。その瞬間を実際に見届けようとしたユーザーも存在していたようだ。

本作は、SIE傘下のFirewalk Studiosが手がけPC/PS5向けに今年8月24日に発売されたオンライン専用ヒーローシューターだ。独自のアビリティやロールをもつ個性的なキャラクターたちが登場し、プレイヤーはそれらから選択して5対5のPvPバトルを楽しめる。

本作においては、発売後わずか10日で本作の販売が即時停止され、返金対応がおこなわれると発表。また米国時間9月6日にゲームはオフラインになり、サービスは一旦停止されることが発表されていた。これを受けて「トロフィー」目当てに故意に自滅を繰り返すプレイヤーも発生するなど、混乱の様相を呈していた(関連記事)。


そして発表通り、米国時間9月6日(日本時間では9月7日午前2時頃)に本作のライブサーバーは停止。ログインしていたプレイヤーも強制的に接続切れとなり、正式にサービスがオフラインとなった。

本作のサービスは一時停止と発表されているものの、再開時期は未定。オンライン接続が必要なライブサービス型のゲームというのもあり、サーバーの停止はゲームそのものが遊べなくなることを意味する。それが発売後わずか2週間という異例の早さも相まって、SNSや配信プラットフォーム上では、記録的な“最後の瞬間”を収めようとしたユーザーたちの投稿や動画が散見される。

Twitch配信者のLincolnCarpenter氏は、本作をプレイし最後の瞬間を配信していたユーザーのひとり。同氏の配信の切り抜きでもその様子が収められている。オンラインマッチをプレイしていた同氏であるが、サーバー停止の瞬間、画面は暗転しエラー画面と共にタイトルに戻されてしまっている。同氏は遊べなくなったタイトル画面に敬礼を表し、配信のコメント欄も本作の“冥福を祈る”コメントでにぎわうなど、あまりに早すぎる別れを惜しむような雰囲気が見られた。

本作はPC(Steam /Epic Gamesストア)/PS5向けに発売され、Steam版とPS5版においては売上が低調であるとの報告が上がっていた(関連記事)。そういった背景もあり、最後の瞬間に立ち会ったプレイヤーもあまり多くはないのかもしれない。ちなみにSteamDBによると、サーバー一時停止の直前における本作のSteam版の同時接続プレイヤー数は約50人となっている。

今回の一時停止について、海外PlayStation.Blogではゲームディレクターを務めるRyan Ellis氏による声明も公開されている。同氏によれば、開発元Firewalk Studiosはユーザーのフィードバックに耳を傾けてきたそうで、ゲーム体験の多くはプレイヤーの受け入れられていたと考えているという。一方で、ゲームのその他の部分やローンチの初期段階については、同スタジオの意図したとおりにはいかなかったとのこと。そのため販売停止やサービスの一時停止がおこなわれ、プレイヤーにより良いものを届けられるようにさまざまな選択肢が模索されるという。

発売直後の大苦戦に異例の速さのサービス停止など、数々の話題を集めた本作。あまりに早すぎるそのサービス停止から、その別れを惜しむような声もユーザーから上がっている状況となっている。一時停止後に再開の目途が立つのかどうか、本作の再起をかけた今後の動きも注目されるところだろう。

『Concord』は現在サービス停止中。サービス再開時期は本稿執筆時点で未定となっている。