発売後すぐ販売停止の対戦FPS『コンコード』、“わざと自滅負け”が横行し始める。残されたわずかな時間で「プラチナトロフィー」を目指す強引レベリング

販売およびサービスの一時停止が告知された『CONCORD(コンコード)』にて、「トロフィー」目当てに故意に自滅を繰り返すプレイヤーが一部発生しているようだ。

ソニー・インタラクティブエンタテインメントは9月4日、『CONCORD(コンコード)』の販売を即時停止し、返金対応をおこなうと発表した。また、米国時間9月6日にゲームをオフラインにし、サービスを一旦停止することも明らかにしている。この発表を受けて、「トロフィー」目当てに故意に自滅を繰り返すプレイヤーも一部発生しているようだ。

本作は、SIE傘下のFirewalk Studiosが手がけPC/PS5向けに今年8月24日に発売されたオンライン専用ヒーローシューターだ。独自のアビリティやロールをもつ個性的なキャラクターたちが登場し、プレイヤーはそれらから選択して5対5のPvPバトルを楽しめる。


今回、発売後わずか10日の本作の販売が即時停止され、返金対応がおこなわれると発表。また米国時間9月6日にゲームはオフラインになり、サービスは一旦停止されるという。海外PlayStation.Blogではゲームディレクターを務めるRyan Ellis氏による声明も公開。同氏によれば、開発元Firewalk Studiosはユーザーのフィードバックに耳を傾けてきたそうで、ゲーム体験の多くはプレイヤーの受け入れられていたと考えているという。一方で、ゲームのその他の部分やローンチの初期段階については、同スタジオの意図したとおりにはいかなかったとのこと。

そのため販売停止やサービスの一時停止がおこなわれ、プレイヤーにより良いものを届けられるようにさまざまな選択肢が模索されるという。本稿執筆時点でSteamでの販売が停止されており、PS StoreおよびEpic Gamesストアでは本作のストアページ自体が閲覧不可となっている。

この発表を受けて、本作の「ライバル」モードでは一部で奇妙なプレイスタイルが横行しているという。報告されているクリップでは、試合開始と共にプレイヤーや味方が敵陣ではなくマップの端に向かってダッシュし、そのまま手すりを乗り越えて落下死。またキルログを見ると敵チームも故意に落下死していたようで、動画のプレイヤーのチームは戦わずしてラウンドの勝利をおさめている。


そうした故意に自滅するプレイヤーの目的は「プラチナトロフィー」の取得とみられている。本作は先述のとおり、米国時間9月6日にオフラインとなる見込み。その後サービスが再開されるかどうかはわからず、トロフィーや実績を獲得する機会が失われる可能性があるわけだ。

そしてトロフィーには名声レベルを100まで上げる必要のある「高名なフリーガンナー」など、勝敗は問われないものの、何度もマッチをプレイしなければ取得できないものもある。そのため“タイムリミット”までにできるだけ素早くトロフィーをすべて獲得しようと、故意の自滅に走るプレイヤーが一部現れているようだ。報告に上がっているライバルモードは、リスポーンがない点が特徴。一方のチームが全滅すればラウンドが終了するため、トロフィー目的の自滅プレイが発生しているようである。

発売後わずか10日でサービスの一時停止が告知された『CONCORD』。異例の事態を受け、ライバルモードではトロフィー目当ての稼ぎプレイが一部横行しているようだ。ライバルモードを“遊び納め”したいプレイヤーにとっては、普通のプレイが難しい状況といえるかもしれない。既存のプレイヤー間でも混乱は生じており、サービス停止後に再開の目途が立つのかどうかも注目されるところだろう。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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