銀河5v5ヒーローシューター『コンコード』は大苦戦の幕開け。Steamのピーク時プレイヤー数は約700人に留まり、コンソール版も低調との報告上がる

Firewalk Studiosは8月24日、マルチプレイFPS『Concord(コンコード)』をリリース。リリースされて間もない本作であるが、SteamDBのデータや各種アナリストの分析によると苦しいスタートを切っているようだ。

Firewalk Studiosは8月24日、マルチプレイFPS『Concord(コンコード)』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5。リリースされて間もない本作であるが、SteamDBのデータや各種アナリストの分析によると苦しいスタートを切っているようだ。IGNが報じている。

『Concord』はチーム対戦型のヒーローシューターだ。プレイヤーは宇宙のならず者である「フリーガンナー」から1体を選択し、5人のチームで相手チームと戦うこととなる。フリーガンナーはそれぞれ独自のスキルを持っており、魔法での攻撃や設置する罠、味方の回復など多彩。さまざまなプレイスタイルに対応できる。

本作はオープンベータテストを経て、8月24日に発売された。しかしリリース後も盛況とはいいがたい状況になっているようだ。SteamDBによれば、本作のSteamにおけるピーク時の同時接続プレイヤー数は697人となっている。同時接続プレイヤー数はその後も右肩下がりとなっており、本稿執筆時点では約100人となっている。AAAクラスタイトルの対戦型のオンラインマルチプレイFPSの同時接続プレイヤー数としては、致命的に低い数字といえる。

本作はSteam以外に、Epic GamesストアやPS5向けにもリリースされている。ちなみに上記のSteamDBの数字はあくまでSteamユーザーに限った集計となっているため、あくまでSteamにおけるユーザー状況であることには留意したい。とはいうものの、PS5においても、本作のプレイヤー数は芳しくないとの報告が上がっているようだ。米国の調査会社CircanaのアナリストであるMat Piscatella氏は、Circana独自の調査による結果を引用。アメリカにおいて、『Concord』はPS5のデイリーアクティブプレイヤー数において全タイトル中147位にランクインしていると発言。また8月26日のPS5における全アクティブプレイヤーの0.2%未満しかプレイしていなかったとも語っている。

加えて海外メディアGameDiscover.coのアナリストであるSimon Carless氏がIGNに伝えたところによると、『Concord』の売上はSteamで約1万本、PS5で1万5000本程度に留まっていると推定しているという。売上という点においても本作は苦戦を強いられている状況のようだ。


そんな本作の“苦戦”の理由について、上述のアナリストたちはさまざまな視点からの分析を寄せている。その一つの理由として挙げられているのが、本作のプロモーションの少なさだ。Piscatella氏によると、発売前に、そもそも米国で『Concord』の存在を知っていたプレイヤーはごく一部に過ぎなかったと指摘。ローンチトレイラーなどは公開されていたものの積極的なプロモーションが不足しており、ユーザーへの周知が足りなかったという見立てだ。

本作の“価格”も苦戦の理由のひとつとして挙げられている。価格は全プラットフォームにて税込4480円となっている。今日では、『オーバーウォッチ2』などといった対戦型FPSの競合タイトルがおおむね基本プレイ無料で提供されていることを考えると、やや強気な価格設定であるともいえる。本作は運営型ゲームとなっているが、バトルパスのようなマネタイズはおこなわないとの方針が伝えられてきた(関連記事)。それを踏まえての価格設定なのかもしれないが、税込4480円という価格はプレイヤーにとってはやや手を出しにくく、フレンドも誘いづらいといったことも考えられるだろう。

なお本作のSteamユーザーレビューは約490件中67%が好評とする「賛否両論」ステータスとなっている。レビュー内容を見ると、ゲームプレイにおいては手堅くまとまっており、対戦FPSとしては一定の完成度にあるとしつつも、他競合タイトルとの明確な差別点に乏しいとする声が見られる。またプレイヤー数が少なく、マッチメイキングの不安定さも懸念されている。その結果さらに人数が減少するという悪循環を生み出している可能性もあるだろう。


なおジャンルこそ本作とまったく違うものの、Steam上では本作の発売4日前となる8月20日にはアクションRPG『Black Myth: WuKong(黒神話:悟空)』がリリースされ、発売と同時に同時接続プレイヤー数が120万人を優に超えるロケットスタートを切り大きな話題を呼んでいた(関連記事)。そういった大作と発売時期が被ってしまったというのもあり、本作のリリースの話題が“埋もれてしまった”という点もあるかもしれない。

リリース後さっそく苦境に立たされている『Concord』。本作は運営型ゲームとして提供されており、Firewalk Studiosはリリース後も定期的なコンテンツのアップデートを予定している。大きく躓いたスタートから巻き返しを図ることができるのか、今後のアップデートにも注目したいところだ。

『Concord』はPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5向けに発売中。

【UPDATE 8/31 23:30】
本作のリリース時期について、文末の表現を一部訂正。

Jun Namba
Jun Namba

埼玉生まれBioWare育ちです。悪そうなやつはだいたいおま国でした。RPG全般が好きですが、下手の横好きでいろいろなジャンルに手を出しています。

記事本文: 401