取捨選択SFローグライト『霜夜ゆく』Steam版6月21日配信へ。重量オーバーの宇宙船で、捨てるのは少女か荷物か
旧世紀網膜博物館は、『霜夜ゆく』Steam版を6月21日に発売すると告知。本作はSF小説「冷たい方程式」の影響を受けた、ローグライトアドベンチャーだ。

サークル・旧世紀網膜博物館(Old Retina Museum)は、『霜夜ゆく』Steam版を6月21日に発売すると告知した。スマートフォン版の内容をベースに、追加コンテンツが収録。資料集のSteam版も同日にリリース予定となっている。
『霜夜ゆく』は、密航者少女を乗せたまま目的地へたどり着くべく不用品を探して捨てる、ローグライトな方程式アドベンチャーゲームだ。トム・ゴドウィン氏による古典SF「冷たい方程式」の影響を受けており、いわゆる「方程式もの」と呼ばれるジャンルの作品となっている。
本作の舞台は、人類が宇宙に進出した未来。冷たい宇宙空間にて、一機の宇宙船が航路を急いでいた。既知の病が蔓延した辺境の惑星へ、一刻も早く治療薬を届けるためだ。しかし、そんな最終緊急艇に密航者の少女が紛れ込んでいた。最終緊急艇はすべてが厳密に計算されているため、余剰重量を抱えたままでは目的地へ辿り着けない。人造人間の少女を撃ち殺し宇宙空間へ捨てるか、あるいは他の何かを捨てるか。宇宙空間での荷物整理が繰り広げられる。


辺境の惑星へ向かう宇宙船は、少女の密航によって余剰重量が発生している。具体的な重さは、単位重量60WG。少女を乗せたまま目的地へ向かう場合、彼女の密航によって増えた重さを、単位時間120UT以内に補う必要がある。そこでプレイヤーはパイロットの視点から、宇宙船の不用品を捨てていく。ゲームプレイでは密航者の少女が協力者となり、船内から荷物を探してきてくれる。重要な荷物の外箱や使い道のなさそうなアイテムなど、不要だと思われるモノを捨てて、時間内に重量を賄うのだ。また本作は辺境の惑星へたどり着いた先も続く。危険な目的地へ治療薬を届けるためには何が必要なのか。重量と生存を巡る悩ましい取捨選択が、ローグライトな方程式アドベンチャーとして展開される。


本作は、ブリキの氏によるサークル・旧世紀網膜博物館が手がけている。過去作としては、南極内陸旅行RPGゲーム『山が笑えば』や推理小説アドベンチャーゲーム『真ッ赤の太陽』などをスマートフォン向けにリリースしてきた。
本作『霜夜ゆく』は、同サークルから2021年から2022年にかけてiOS/Android向けにリリース。配信後はSF小説「冷たい方程式」の影響を受けたシビアな内容などから、SNS上などで話題となっていた。サークル公式サイト内の記事によると、Steam版ではiOS/Android版をベースに、PC画面用の横長表示のUI追加などが実施。PC移植にあたって外伝「犬と狼の間」も収録されているようだ。
『霜夜ゆく』Steam版は、6月21日配信予定だ。同日には『霜夜ゆく』の資料集がSteamでも配信予定。外伝「犬と狼の間」を含む内容となっており、BOOTH版の資料集も更新予定であるそうだ。