探索&移動要塞ローグライク『CleanFall』、「多ジャンル融合が良い」とリリース好調。メイドロボが家の掃除のため、まずは世界をきれいにする親子開発ゲーム

デベロッパーのHumanyoyoは8月8日、サバイバルローグライクゲーム『CleanFall』の早期アクセス配信を開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)本作はさっそく好評を博している。

デベロッパーのHumanyoyoは8月8日、サバイバルローグライクゲーム『CleanFall』の早期アクセス配信を開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)、ゲーム内は日本語表示に対応している。本作はさっそく好評を博している。

『CleanFall』は資源を集め、移動要塞を構築し、地下深くを目指すサバイバルローグライクゲームである。本作の舞台となる惑星は、“技術オタク”のせいで太陽のほうへと引き寄せられてしまい、地表は塵と死であふれているひどい有様である。主人公はそんな惑星にいる一体のお掃除ロボットだ。ただ家をきれいにしたいと考えているだけなのだが、家をきれいに保つためには、まず止まない嵐で塵がひっきりなしに飛んでくる惑星の惨状をなんとかしなければならない。プレイヤーはこのお掃除ロボットとして惑星の中心部を目指し、掃除のために星を救うことになる。

プレイヤーの初期装備は改造された掃除機ひとつである。掃除機はパルスライフルのようになっており、攻撃に使用することができるほか、地面を破壊することも可能だ。ひたすら地下へ向かうため、この改造掃除機で地面を掘って進むわけだ。

ただし地下深くへ進めば進むほど、多くのモンスターがうごめく危険な環境になっていく。さらに、夜が訪れるとモンスターの数は劇的に増えるため、とても改造掃除機だけでは撃退できない。モンスターも地面を破壊して全方向から襲いかかってくるため、逃げることは難しく、どこかに隠れてやり過ごすことも不可能だ。

そこでプレイヤーは地面に埋まっている鉱物や、生えている植物などの資源を集め、タレットといった設置型兵器やドローンといった自動兵器を作成して夜を乗り切ることになる。資源集めのための探索と、タワーディフェンスのような防衛を繰り返しつつ、さらなる深みを目指すのが序盤の基本的なゲームサイクルだ。ちなみにワールドはプレイごとに変化するため、毎回違った資源を使って夜に備えなければならない。

ゲームが進むとタレットを搭載した構造物ごと移動できるようになる。昼夜の区別なく過酷になっていく環境に対して、移動要塞で対抗するかたちだ。タレットは複数のものを組み合わせて、より強いものを開発することができる。また、お掃除ロボット自身の成長要素もあり、移動速度や掘削速度の上昇、タレットの性能上昇や消耗品使用時の効果上昇といった、さまざまな強化が可能となっている。

そんな本作はリリースからさっそく多くの好評を集めており、本稿執筆時点でSteamユーザーレビューは84件、そのうち95%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。本作は『Terraria』のような資源集めや、『Noita』のような自由な強化、そして大量の敵を迎撃するタワーディフェンスなど、さまざまなジャンルが融合している作品だ。レビューではこうしたジャンルの組み合わせや、自由度を高く評価する声が多く聞かれる。また、おぞましいモンスターや地下世界のデザインや、主人公のお掃除ロボットのかわいさなど、アート面も好評を受けているようだ。

本作を手がけるHumanyoyoは、アメリカを拠点とするインディーゲームデベロッパーである。息子のEthan氏がゲームデザイン・プログラミング・アート・作曲などを一人で手がけ、父のAustin氏がアイデア出しの手伝いやコミュニティ管理などのサポートをおこなう、親子ゲーム開発チームだ。本作は同スタジオがSteamでリリースする初の作品で、構想から早期アクセス配信の開始までには約3年を費やしたとのこと。Ethan氏はこの夏に大学を卒業予定であるため、在学中の多くの期間を本作の開発に投じたことになる。若き開発者の青春を賭した渾身の作品の今後に注目したい。

なお、本作早期アクセス期間はフィードバックにより大きく左右されるとして未定となっている。2年以内の製品版リリースを目指しているそうだ。今後はアイテムや成長要素などの追加のほかに、ストーリー要素の追加や新しいチャプターの実装もおこなわれる見込み。また、早期アクセス配信の開始と同時に「悪夢モード」のベータテストも開始された。こちらは「熟練プレイヤーでも泣いてしまう」ほどの容赦ない高難度モードとして調整が進められている。

『CleanFall』はPC(Steam)向けに早期アクセス配信中。現在はリリース記念セールを開催中で、8月23日までの期間限定で定価の25%オフとなる税込1275円で購入可能だ。

Naoto Morooka
Naoto Morooka

1000時間まではチュートリアルと言われるようなゲームが大好物。言語学や神話も好きで、ゲームに独自の言語や神話が出てくると小躍りします。

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