人気ゲーム『クラッシュ・オブ・クラン』で課金通貨残高「マイナス160万」になった人現る。バーチャル債務地獄
人気ゲーム『クラッシュ・オブ・クラン』にて、課金アイテムであるエメラルドの残高がマイナス160万となったユーザーがいるようだ。

人気ゲーム『クラッシュ・オブ・クラン』にて、課金アイテムであるエメラルドの残高がなんと「マイナス160万」にものぼるユーザーが登場したようだ。Redditにて話題となっている。
『クラッシュ・オブ・クラン』は基本プレイ無料ストラテジーゲームだ。2012年にiOS向けに、2013年にAndroid向けにリリースされた。舞台となるのはファンタジー世界。プレイヤーはユニットを配置して目標を攻め落とし、リソースを獲得。リソースを消費して拠点にユニットを生産する軍事施設やリソースの生産・貯蔵施設、防衛設備を建築。拠点を発展させてさらなる戦いに挑むのだ。プレイヤーたちがクランを作成し、クラン対戦をおこなうことができるシステムも特徴となる。
そんな本作では有料で購入可能な有償通貨にあたる消費アイテムとして「エメラルド」が存在。エメラルドを使用することで大工を増やしたり、スーパーレア装備との交換に用いたりすることができる。なおエメラルドは拠点の障害物を取り除いたり、ゲーム内の目標を達成したりすることでも入手可能だ。
そんなエメラルドの残高が「マイナス160万」になってしまったユーザーがいるという。本作ではエメラルドを前借りするようなシステムは存在せず、基本的には0未満の値になることはない。しかしReddit上の本作サブレディットでは、ClavasClub氏の友人の友人がプレイしているという、『クラッシュ・オブ・クラン』におけるエメラルド残高が負の値になっている様子が写真に収められている。
この現象はチャージバック、つまり返金処理が自動的におこなわれたことが原因とみられる。『クラッシュ・オブ・クラン』などを手がけるSupercellのサポートページでは、エメラルドで購入したアイテムの返金を依頼したとき、アイテムが使用済みだった場合には返金額に相当するエメラルドが差し引かれることがあるという。これは支払いが完了しなかったときにも同様で、その際は自動で返金処理がおこなわれる。
投稿によれば、当該ユーザーは子供の頃に両親のクレジットカードを使いこみ、エメラルドを何度も買い続けていたのだという。総額は1万ドルから1万5000ドル(約150万円から220万円、現在のレート)におよぶようだ。なお一度に購入する個数によって1個あたりの価格は異なるが、エメラルドはおよそ1個あたり1円程度となっている。

ClavasClub氏の知人は、おそらく親のクレジットカードで決済したのち、そのうちのほとんどのジェムを使ったのだろう。その後親によって決済が取り消されたが、エメラルドがすでに使用済みだったために、返金処理によって“借金”を背負うことになったものと見られる。この借金は子供時代から引き継がれ、今でも“完済”には至っていないようだ。
なおこうした返金処理はSupercell特有のものではなく、たとえばRiot Gamesは『VALORANT』では2024年6月から同様の仕組みを導入。同作における有償通貨VPなどの購入を銀行、およびクレジットカードの所有者が取り消した際に「チャージバック」という形式で残高が差し引かれる。この際に残高がマイナスになると、ゲーム自体はプレイ可能ながらVPを獲得して残高がプラスになるまで、VPを使用するアイテム購入ができなくなる。ちなみにRiot Gamesが展開するほかのゲームタイトルでは、詐欺行為への対処としてチャージバックが発生した場合、残高が支払われない限りアカウントが停止されるようだ。
子供によるクレジットカードの高額利用は日本国内でもたびたびニュースやトラブルとして伝えられることがある。日本の法律でも、未成年者が親などの法定代理人の同意なしに高額な契約を結んだ場合、原則として後から契約を取り消すことが可能だ。特にスマートフォンを所持する子供が増えている昨今では課金アイテムに関連したトラブルも多い(国民生活センター)。返金時にどのような対応がとられるかは作品によってまちまちとみられるものの、日本国内でも有償通貨の残高がマイナスになるケースは発生している可能性がありそうだ。