スクエニに、大ヒットRPG『Clair Obscur: Expedition 33』開発陣が訪問。『ファイナルファンタジーVII』リメイクシリーズ開発陣とクリエイティブ交流
『Clair Obscur: Expedition 33』の開発者が来日し、スクウェア・エニックスやKOJIMA PRODUCTIONSを訪問していたことが明らかになった。

『Clair Obscur: Expedition 33(クレール・オブスキュール:エクスペディション サーティースリー)』の開発者が来日し、スクウェア・エニックスやKOJIMA PRODUCTIONSを訪問していたことが明かされている。このうちスクウェア・エニックスでは『ファイナルファンタジーVII』(以下、FFVII)リメイクシリーズの開発陣との交流がおこなわれたという。
『Clair Obscur: Expedition 33』は、アクション要素を取り入れたターン制バトルを特徴とするRPGだ。舞台となるのは、ペイントレスと呼ばれる存在が人々を脅かす世界。ペイントレスは年に1度目を覚まし呪いの数字をモノリスに刻み、描かれた年齢の人々は煙となって消えてしまう。ペイントレスの描く呪いの数字は年々ひとつずつ小さくなるため、人類は滅びを待つ状況にあった。「33」の数字が描かれる年、主人公たち第33遠征隊は死のサイクルを止めるため、ペイントレスを倒す旅に向かう。
本作は4月24日に発売されるとさっそく人気を博し、4月27日には早くも売上100万本を突破(関連記事)。その後、発売から33日間で売上が330万本を突破する、大ヒット作となっている。レビュー集積サイトMetacriticではメタスコア100点中93点、ユーザースコア10点中9.7点を記録するなど、非常に高い評価を得ている。
本作を手がけたSandfall Interactiveは、元UbisoftのGuillaume Broche氏によって2020年に設立されたスタジオだ。30人ほどの規模であり、同スタジオをコアチームとしつつ、サポートスタジオや音楽家など専門家の協力も受けながら開発が進められたという(関連記事)。
今回、Guillaume氏のほか、プロダクションディレクターのFrançois Meurisse氏やテクニカルディレクターのTom Guillermin氏ら開発陣が、ゲーム開発者カンファレンスCEDEC 2025への出席のため来日。この機会に際してスクウェア・エニックスを訪問したことが明らかになり、注目を集めている。『FFVII』リメイクシリーズのディレクター浜口直樹氏がXアカウントにて報告しており、プロデューサーの北瀬佳範氏と共に『Clair Obscur: Expedition 33』のチームを出迎えた様子。先述した3名と、Kepler InteractiveのCEOであるAlexis Garavaryan氏が同社を訪れたようだ。
浜口氏によると、『Clair Obscur: Expedition 33』のチームとはクリエイティブな交流をおこなったとのこと。開発者・業界人同士ならではの会話に花を咲かせたのだろう。
ちなみにSandfall InteractiveにはJRPGの大ファンが集っているという。中でもGuillaume氏は『FF』シリーズのファンであり、特に好きなタイトルは『FFVIII』とのこと(Sandfall Interactive公式サイト)。今回の訪問はそんな同氏にとって、『FFVIII』のディレクターでもある北瀬氏と対面する機会となったわけだ。
なお『Clair Obscur: Expedition 33』がもっとも大きなインスピレーションを受けたのも、『FFVII』『FFVIII』『FFIX』などPS1向けの『FF』シリーズ、および『FFX』だという(GamesRadar+)。そうした背景からかJRPGを踏襲した伝統的なコマンドRPGが採用され、チーム独自のものを作るということを目標に、伝統の中に新しさも感じられるようなゲームプレイを目指して開発されたそうだ(弊誌インタビュー記事)。ターン制のコマンドバトルでありつつ、パリィやシューティングといったアクション要素を取り入れた本作の戦闘システムは高い評価を受けている。


また『FFVII』リメイクシリーズは、アクティブタイムバトルシステムを取り入れつつもアクション重視の戦闘システムが採用されており(関連記事)、それぞれ違ったアプローチで“JRPG”を現代向けに表現しているといえるだろう。今回そんな両作を手がけた開発者同士で、クリエイティブな交流がおこなわれたというのは注目されるところ。現在開発中の『FFVII』リメイクシリーズ第3作、そして将来Sandfall Interactiveが手がける次回作に、今回の訪問は何らかのアイデアをもたらすかもしれない。
ちなみにSandfall Interactiveは、KOJIMA PRODUCTIONSにも訪問。スタジオのサインボードにGuillaume氏がサインするなど、こちらでも交流がおこなわれたようだ。CEDECは海外クリエイターと国内開発者の繋がりをもたらす機会になっていることがうかがえる。
『Clair Obscur: Expedition 33(クレール・オブスキュール:エクスペディション サーティースリー)』はPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中。Xbox/PC Game Pass向けにも提供されている。