『Cities: Skylines II』無料大型アプデで、「政府補助金」撤廃や新たな寿命システム実装など変更てんこ盛り。ただし既存セーブでは都市に“死の波”が訪れる

『Cities: Skylines II』のアップデート「Economy 2.0」配信開始。大幅な変更がもたらされる一方、既存のセーブデータをロードした際、死の波など都市にさまざまな事例が発生するようだ。

デベロッパーのColossal Orderは6月24日、『Cities: Skylines II』のアップデート1.1.5f1、別名「Economy 2.0」と称されて予告されていた大型無料アップデートを実施した。このアップデートにおいてゲームシステムを一変するほどの大幅な変更がもたらされる一方、その新たなシミュレーション結果を反映するため、既存のセーブデータをロードした際、都市にさまざまな事例が発生するようだ。

『Cities: Skylines II』は、高い評価を得た都市開発シミュレーションゲーム『Cities: Skylines(シティーズ:スカイライン)』の続編だ。プレイヤーは居住区やインフラなどを整備し、さらに産業を活性化させながら街を一から建設。市民の生活や経済などが複雑にシミュレーションされ、それらのニーズや状況変化に対応しながら街を発展させていく。

本作は発売前に「目標とするベンチマークに達しないまま」リリースされることが告知されていた。結果として本作は最適化不足という課題を抱えたままPC版のみが発売されるかたちとなり、PS5/Xbox Series X|S発売は延期。PC版発売後にもパフォーマンス問題や不具合の報告が寄せられており、Steamユーザーレビューでは本稿執筆時点で約4万件中52%が好評とする「賛否両論」ステータスとなっているなど、さまざまな課題を抱えている状況となっている。本作の課題は開発元も認識しているようで、無料アップデートを通して改善に取り組んでいく姿勢が表明されていた(関連記事)。

そうした本作の改善に向けての無料アップデートの一環として、「Economy 2.0」と称された大型アップデートが行われることが予告されてきていた。その内容については開発元のColossal Order により、“仮想大家”の削除など本作のシミュレーション結果を一変するものになるという方針が伝えられてきた(関連記事)。そしてこのたび、Economy 2.0」の実装とともにパッチノートが公開。その詳細が明らかとなった。


まず「Economy 2.0」においては既存のセーブデータも使用可能なものの、新たなシミュレーション結果をもたらすためにはある程度の“移行期間”が必要になるとのことだ。そのため既存のデータをロードするプレイヤー向けに、そこで起こる可能性のあるさまざまな症状について事前に伝えられている。

既存のセーブデータをロードした際、まず街では「Death Wave(死の波)」が発生するようだ。これは「Economy 2.0」以降で、市民の死亡する年齢が一律ではなく多様性をもつよう仕様が変更されるため、その一環として発生するものであるとのこと。これにより一時的に市民の死亡率が上昇するとのことで、市民の年齢が高ければ高いほどその影響は大きくなるようだ。この死の波はゲーム内では1か月~2か月ほどの期間で起こるとのこと。「Economy 2.0」の多様性のある新たな寿命システムに移行するためには、残念ながら一部の高齢市民にお別れを告げる必要があるようだ。

また「Economy 2.0」では、多くのプレイヤーの要望によりゲーム難易度を上げるためとして、政府補助金は廃止され、都市サービスの維持費が増加するようだ。その結果、多くのプレイヤーにおいて既存のセーブデータの予算計算がマイナスになることが予想されるとのこと。その場合は税金の引き上げ、サービス予算の削減、または建物の一時的な閉鎖などを検討して、都市の経営にかかるコストを節約する必要があるようだ。都市の財源をより透明性の高いものにしつつも、プレイヤーの手腕が試される挑戦的な難易度になるのだろう。


このほか住宅の需要についてのシミュレートも変更されたため、住民がこれまでと違うタイプの住居を求めたり移転したりといった現象が発生することもあるようだ。既存のセーブデータをロードした場合の注意点はSteamの本作公式ニュース上でまとめられているため、参考にされたい。

そのほか、アップデートでの変更内容は市の財政システムや、教育やビジネス、建物のアップグレードの解放など多岐にわたる。「Economy 2.0」アップデートの詳細についてはパッチノートを確認されたい。公式フォーラムではプレイヤーからのフィードバックとバグ報告を随時受け付けられている。「Economy 2.0」がどのようにプレイヤーに受け入れられるのか、本作の今後の動向も注目されるところだろう。

『Cities: Skylines II』は、PC(Steam/Microsoft Store)向けに発売中。PC Game Pass向けにも提供されている。

Jun Namba
Jun Namba

埼玉生まれBioWare育ちです。悪そうなやつはだいたいおま国でした。RPG全般が好きですが、下手の横好きでいろいろなジャンルに手を出しています。

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