開発難航中の『Cities: Skylines II』PS5/Xbox版、無期限延期へ。“コンソールの限界に突き当たった”として苦戦ぶりを詳しく報告も、最優先で対応中

デベロッパーのColossal Orderは11月25日、発売が無期限で延期になっていた『Cities: Skylines II』のコンソール版の開発進捗を発表した。“コンソールの限界”題に直面しており、発売の目途が立っていない状況であるという。

デベロッパーのColossal Orderは11月25日、発売が無期限で延期になっていた『Cities: Skylines II』のコンソール版の開発進捗を発表した。現時点でも“ハードウェア性能の制限”に起因するフレームレートの低下などの問題に直面しており、発売の目途が立っていない状況であるという。

本作は、高い評価を得た都市開発シミュレーションゲーム『Cities: Skylines(シティーズ:スカイライン)』の続編だ。プレイヤーは居住区やインフラなどを整備し、さらに産業を活性化させながら街を一から建設。市民の生活や経済などが複雑にシミュレーションされ、それらのニーズや状況変化に対応しながら街を発展させていく。

『Cities: Skylines II』は2023年10月25日にPC版が発売された。当初はPC以外にもPS5/Xbox Series X|S向けのコンソール機種に発売が予定されていた。しかしPC版の発売直前に、PS5/Xbox Series X|S版が2024年春に延期されることが発表。そしてPC版の発売後はパフォーマンス面や最適化不足でコミュニティから批判の声が多く上がり、それを受けてコンソール版もさらに延期された。そして当初発売を予定していた2024年春の時点でも、コンソール版には「未解決の問題」が存在しているとして、再度の延期となっていた(関連記事1関連記事2)。

そんなコンソール版の進捗状況について、Colossal Orderは11月25日に最新情報を発表した。コンソール版においては現在、シミュレーションの問題 (CPU)とグラフィックの問題(GPU)の両方が発生しており、フレームレートの低下やメモリの過負荷が顕著である状態にあるという。またこれらの問題は、コンソール機器の“ハードウェア性能の制限”に起因するものであるとのこと。巨大な建築物を設置する際の計算などでパフォーマンスのボトルネックが発生する傾向にあるようだ。

現時点の開発状況では、グラフィック品質を大幅に下げることで、安定してプレイ可能な状態にすることに成功しているという。しかしColossal Orderいわく、この品質の定価は「妥協できないレベル」にまで落とす必要があるといい、引き続き最適化に取り組んでいるようだ。

これらの問題を解決するために、リリース予定は無期限で延期になることが伝えられている。とはいえ、コンソール版のリリースは引き続き最優先事項であり、専門家の積極的な関与のもと複数の解決策を検討中。『Cities: Skylines II』のコンソール版を必ず提供するため、全力を尽くしているという。

今回の発表では開発元Colossal Orderより、「コンソール版の予定は未定である」という開発状況が赤裸々に明かされたかたちだ。なお本作はPC版においても課題を抱えたまま発売されたこともあり、本作のSteamユーザーレビューでは本稿執筆時点で約4万4000件中53%が好評とする「賛否両論」ステータスとなっている。Colossal Orderは無料アップデートを通じ、PC版の改善に取り組んでいく姿勢を表明しており、度重なるアップデートも配信している。今回の発表ではコンソール版を待っているユーザーとって新たな情報はなかったものの、開発状況を包み隠さず伝えたいとする、ユーザーへの姿勢の表れなのかもしれない。

なおPC版に向けては、最新のパッチが日本時間11月27日午前1時に配信予定。ゲームプレイの修正やUI の改善が行われるという。本作のPC版の評価も含め、さまざまな課題に直面している『Cities: Skylines II』。コミュニティの信頼を今後取り戻せるかどうかも注目したいところ。

『Cities: Skylines II』は、PC(Steam/Microsoft Store)向けに発売中。PC Game Pass向けにも提供されている。PS5/Xbox Series X|S向けにも開発が進められているものの、発売時期は未定となっている。

Jun Namba
Jun Namba

埼玉生まれBioWare育ちです。悪そうなやつはだいたいおま国でした。RPG全般が好きですが、下手の横好きでいろいろなジャンルに手を出しています。

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