いよいよ明日、全世界同時リリースされるBlizzard Entertainmentの新作マルチプレイヤーFPS『Overwatch』(オーバーウォッチ)。待ちきれないファンたちがフォーラムサイトでカウントダウンを始める一方で、中国で開発中の『League of Titans』というゲームがあからさまに『Overwatch』のクローンであると、海外フォーラムを中心に脚光を浴びている。先日にも、PlayStation 4の本体にXbox Oneのコントローラーを繋げたようなAndroidベースの家庭用ゲーム機「Tomahawk F1」が、中国企業Fuze Entertainment(以下、Fuze)のプレスカンファレンスで発表されていた。コーエーテクモやUbisoftをはじめ、200社におよぶ開発パートナーが協賛しており、プラットフォーム戦争の終焉という皮肉とともに大いに話題をさらった。
フォーラムサイトRedditに投稿されたプレゼンテーションのスライド写真によると、『League of Titans』(中題:泰坦传奇)はFPSとMOBAを組み合わせたマルチプラットフォーム向けタイトルで、スマートフォン用の開発も計画していることが読み取れる。また、これまでにおよそ76万ドルを費やしたプロジェクトでもあるとのこと。ゲームジャンルも然ることながら、描かれているキャラクターはどう見ても『Overwatch』のそれである。左から順に、ゴツい男性と化した「ファラ」、ライダースジャケットを着た「ハンゾー」、思い切り「ロードホッグ」、色違いの「トレーサー」、そして限りなく「ラインハルト」。別のスライドには「バスティオン」と「リーパー」にそっくりのキャラクターも映っている。特筆すべきはインターフェイスだ。ライフバーにガジェットアイコン、アルティメット・アビリティのアイコンと、何もかもが『Overwatch』に酷似している。
これらのスライドは、中国国内で開催された何らかのゲーム展示会で披露されたプレゼンテーション資料であると考えられるが、“League of Titans”もしくは“泰坦传奇”でインターネット上を検索しても公式サイトやデベロッパーに関する情報は一切見当たらないため、開発最初期の段階であることが推測される。または、投資家やパブリッシャーを募るために作成された企画書類であることも考えられるが、上記の投資額では腑に落ちない。ちなみに、『Overwatch』は中国でも公式リリースを予定しており、仮にこの作品が世に出ることになれば軋轢は避けられないだろう。いずれにせよ、こうした人気タイトルのクローンゲームは過去に星の数ほどリリースされており、決して珍しいことではない。
先日には、中国のFuzeが、Android OSを搭載した新ハード「Tomahawk F1」を、北京で開催されたプレスカンファレンスにて発表していた。こちらも、PlayStation 4とXbox Oneを見事に融合したクローンマシンとして、海外メディアを中心に取り沙汰された。オペレーションシステムのインターフェイスに関してもPlayStation 4にそっくりである。イベントに出席した業界分析サイトZhugeEX Blogの管理人によると、同社は多数のトリプルA級タイトルを中国のゲーマーに届けることを約束しており、イベントでは『Assassin’s Creed Chronicles』をはじめ、『真・三國無双7 猛将伝』や『ブレイブルー クロノファンタズマ』、稲船 敬二氏が手がける『RED ASH 機鎧城カルカノンの魔女』『Mighty No. 9』のデモが披露されたとのこと。ちなみに、『RED ASH 機鎧城カルカノンの魔女』はFuze自ら開発に出資しており、株式会社comceptの2タイトルが「Tomahawk F1」でリリースされるのはある意味必然といえる。