『サイバーパンク2077』続編、求人にて“超リアル人混みシステム”構築を目指すことが明かされる。「ゲーム史上もっともリアルな群衆」を作りたい
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CD PROJEKT REDは、「Orion」のコードネームで知られる『サイバーパンク2077』次回作に関して、続々と求人を発表し始めている。概要には、「これまででもっともリアルな人混み」との文言がみられ、さらなる表現の強化を狙っているようだ。
『サイバーパンク2077』は同社が開発するオープンワールドRPG。TRPGを原作とする本作では、2077年の巨大都市「ナイトシティ」を舞台に、プレイヤーはたくさんの“選択”によって自らの運命を変えていく。2023年にはDLC「仮初めの自由」をリリース。スパイスリラーをテーマに、政治的緊張が高まるナイトシティの新たな一面を描いた。
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今回募集が確認されたのは「Lead Encounter Designer」という役職。記載を確認する限りでは、主にNPCとの遭遇や接敵を設計するゲームデザイナーのようだ。非常に広大なマップを好きな順序で攻略できるという点は『サイバーパンク2077』の特に評価されている部分である。続編でも自由な進行やNPCとの多彩なやり取りを実現するために優秀な人材を募っている様子だ。さらに仕事内容の中には、「これまででもっともリアルな群衆システムの構築」がチームの目標として掲げられている。一般的に、求人の内容がゲームの要素をそのまま反映しているとは限らないが、少なくとも前作で印象的だった、人々の息遣いを感じるリアルな街の再現にはいっそう力を入れるとみられる。
『サイバーパンク2077』の時点でもかなりリアルな群衆が実現されていたが、続編においてさらなる改善が期待できる点もあるだろう。たとえばクエストで登場する人物たちとはシームレスで現実味のある会話ができる一方で、街中にいるNPCについては、ひとこと喋りかけられるだけという、一方通行な“会話”だった。大きな都市全体を舞台にしているからこそ、ひとりひとりに対するインタラクティブなアクションの実装も望みたくなってしまうところだ。また細かい部分では、街中を走る車や移動する人々に目的地が設定されていない、という仕様がユーザーの調査により発見されている。それぞれの住人の移動にも個別に理由が存在するようになれば、よりリアルな群衆の実現に繋がるだろう。
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なおCD PROJEKT REDは、DLC「仮初めの自由」を最後に、Unreal Engine 5を使っての開発にシフトすると発表した(関連記事)。リリース直後は、PS4版などを中心に不具合が多数報告され、発売前の評価が一転し不評にあえいだ本作。今回は開発環境から大幅に見直される模様。Unreal Engine 5をベースに、さまざまな新技術が採用されることにも注目が集まる。Unreal Engine 5の持ち味とされるリッチな表現を用いて、行動だけではなく見た目にもよりリアルな人混みの構築が期待されるところだ。
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ちなみに、「Orion」はアメリカ東海岸に位置する新しいボストンのスタジオ、CD PROJEKT RED North Americaで開発が進められているようだ。また『サイバーパンク』の世界の歴史では、巨大軍事企業ミリテクを擁する新合衆国と、同じく軍事企業アラサカの支援を受ける自由州との、東西の対立や分断が描かれている。次回作ではナイトシティを離れ、開発スタジオ所在地でもある東海岸の都市が、舞台として取り入れられることもあるかもしれない。“人混みシステム”がどう進化するかといった情報なども含め、続報を待ちたい。