『ブルーアーカイブ』キム・ヨンハ統括Pいわく、「エンドコンテンツは控えめ」にする方針。ストレスなく“キャラクターへの愛情”を注いでほしい
韓国にて7月24日、『ブルーアーカイブ』の統括プロデューサーを務めるキム・ヨンハ氏が、ゲーム開発者向けに講演をおこなった。キム・ヨンハ氏は講演での質疑応答にて、エンドコンテンツについては重点的に追加せず、年に2、3個ほど、慎重に追加する方針だと回答した。韓国のコミュニティポータルdcinsideなどで取り上げられている。
『ブルーアーカイブ』は、韓国のNexon Gamesが開発し、Yostarから配信されている、スマートフォン向けの学園×青春×物語RPGである。本作の舞台となるキヴォトスは、数千の学園によって構成された超巨大学園都市だ。キヴォトスでは銃を携行し、ヘイローと呼ばれる光輪をもつ生徒たちが学園生活を過ごしている。
本作の統括プロデューサーを務めるキム・ヨンハ氏は、7月24日に洪陵コンテンツ人材キャンパスにて開催された人材養成プログラム「コンテンツ創意人材同伴事業」に登壇。ゲーム開発者や志望者に向けた講演を実施した。そして質疑応答の時間では、『ブルーアーカイブ』に関する質問もおこなわれたようだ。
近く3.5周年を迎え長期の展開が見込まれている本作。質疑応答では、さまざまなコンテンツの追加を求めるユーザーもいるとして、プロデューサーという立場から、どういった優先度付けをしているのか、コンテンツ追加にあたって基準や哲学はあるかといった質問がなされた。
キム・ヨンハ氏はこの質問に対し、リソースには限りがあり、通常は約1年から2年後を見据え、『ブルーアーカイブ』をどう展開させていくかの計画を立てていると回答。そして優先順位については、まずシナリオの展開やキャラクターをどのように見せるかを最重要視していると述べた。またゲームプレイ要素も必要となるため、エンドコンテンツをどのように充実させていくか、という点を次に考慮しているという。
ただキム・ヨンハ氏はエンドコンテンツについて、拡充こそ見込んでいるものの、高難易度のコンテンツばかり追加するとユーザーがストレスに感じる要因が増えてしまう点に懸念を示している。結果として「キャラクターへの愛情」が基盤となる『ブルーアーカイブ』の本質を失ってしまうのではないかと考えているそうだ。具体的には、昨年6月から実装された「大決戦」でも難易度に関するさまざまな意見が寄せられたとのこと。そのためエンドコンテンツは、年に2個~3個程度の慎重な追加を見込んでいると今後の方針を明らかにした。
加えてキム・ヨンハ氏は、いわゆるライトユーザーとヘビーユーザーの両方が存在することにも言及。同氏としてはライトユーザーにもヘビーユーザーにもそれぞれの楽しみ方があると考えているようで、あえてライト層をヘビーユーザーに引き込む方針もないようだ。また先述の通り、ゲームに追加されたコンテンツにストレスとなる部分が多いとゲームを楽しむにあたって障害となる可能性があり、そうしてストレスを感じさせるよりは、ライトユーザーでも十分楽しめるようなアプローチを考えているそうだ。
『ブルーアーカイブ』には多くのキャラが登場しており、それぞれ個性豊かだとして話題になったり、高い評価を獲得したりしている。また「Vol.3 エデン条約編」などを中心として、生徒たちと先生が織りなすストーリーも高く評価されている。一方でそうした内容を楽しむためには、シビアすぎる育成やプレイスキルは要求されていない傾向にある。今回の講演におけるキム・ヨンハ氏の発言を見るに、今後も『ブルーアーカイブ』ではそうした「キャラクターへの愛情を注ぐゲーム」としての開発方針がとられていくのだろう。
『ブルーアーカイブ』は、iOS/Android向けに基本プレイ無料で配信中だ。なお本作は間もなく迎えるリリース3.5周年を記念して、ゲーム内外でさまざまなイベントが予定されている。詳細については公式Xアカウントなどを参照されたい。