MMORPG『BitCraft Online』のオープンソース化ついに始動へ。“MMO開発の難しさ”を軽減すべく、ソースコードを見て・使ってもらいたい
MMO開発への参入障壁を下げることなどを目的として、ソースコードすべてを段階的に公開していくという。

デベロッパーのClockwork Labsは1月17日、MMORPG『BitCraft Online』(以下、BitCraft)について、オープンソース化の最初のフェーズを1月21日に開始すると発表した。MMO開発への参入障壁を下げることなどを目的として、ソースコードすべてを段階的に公開していくという。
『BitCraft』はPC(Steam)で早期アクセス配信中のサンドボックスMMORPGだ。自動生成された1つのワールドを全てのプレイヤーが編集できるという点が特徴で、プレイヤーはクラフトや建築を通して広大な世界を開拓していく。他のプレイヤーと同盟を結成したり、市民を集めて都市を築いたり、さらには都市同士をつないで大陸や海を跨ぐ帝国を作り上げたりすることも可能だ。

本作はClockwork Labsの共同創業者の2人によって2018年から制作が始まり、プレイテストなどを複数回実施しながら開発が進められてきた。2025年6月には早期アクセス配信が開始され、リリース直後には4000人を超える同時接続プレイヤー数を記録するなど注目を集めた。一方で、Steamユーザーレビューは本稿執筆時点で約2500件中73%が好評とする「やや好評」ステータスと、まずまずな評価。発売初日にはサーバートラブルが発生したほか、パフォーマンス低下をはじめとする不具合が多数報告。また周回作業が中心となるゲームプレイや、複数人での協力を前提とした作りについては賛否も分かれている。ただ、月次のアップデートを通して新要素を追加しながら、精力的に改善が続けられてきた。
そしてこのたび、オープンソース化の最初のフェーズが1月21日に開始されると告知された。『BitCraft』のオープンソース化計画については、2025年4月に発表されていた。ソースコードすべてを段階的に公開することで、開発者が自身のゲーム開発に活用できるようにする取り組みだ。コードを読んで仕組みを学ぶだけでなく、公開されたコードをベースとして独自のゲームを作成および販売することも可能。一方で、『BitCraft』のアセットやIPは使用することができない。なおオープンソース化と言っても、コミュニティが主体となった開発形態に移るということを意味するわけではない模様。あくまでもコードをコミュニティに共有する目的だという。『BitCraft』のサーバーも引き続きClockwork Labsが運営を続けるそうだ。

本作のオープンソース化をおこなう理由の一つとして、Clockwork Labsは「MMOをより身近なものにしたい」という願いがあると説明している。『BitCraft』のように(プレイヤー数の増加に対して)スケーラブルかつ編集可能な単一のワールドを構築することは技術的なハードルも高いため、ソースコードを共有することにより、MMORPGジャンルへのインディー開発者による参入障壁を下げたいとのこと。また、コミュニティの協力によりパフォーマンスやセキュリティに関するバグを早期に発見できるといった『BitCraft』側にとってのメリットも存在。加えて、本作もオープンソースのソフトウェアを多数利用しているため、オープンソースコミュニティへの恩返しの側面もあるという。
なお1月21日からのフェーズ1としては、Clockwork Labsが独自に開発したデータベースシステム「SpacetimeDB」を採用したサーバーモジュールが公開されるという。また続くフェーズ2ではAIエンティティの行動制御を担うシステムや、マップ画像の生成をおこなうシステムなどについてコードが公開されるとのこと。現時点では、フェーズ1のリリースから約6か月以内にフェーズ2をリリースする予定だといい、合計で3~4つのフェーズを通して、最終的にはコードベースを完全にオープンソース化する計画だそうだ。なお、ゲームのクライアントがまだオープンソース化の対象に含まれていないことについて、同社は現在オープンソース化する権利のないアセット・シェーダー・ツールが含まれているためだと説明している。初期のプロトタイプの段階で使用していたサードパーティー製のアセットがプロジェクト内に残っているため、それらを整理して置き換える作業が必要となるとのこと。クライアントサイドについては、焦らず慎重にリリースしていく方針を明かした。

Clockwork Labsによれば、ベンチャーキャピタルの支援を受けた商業MMORPGタイトルがオープンソースライセンスのもとでオープンソース化されるのは、おそらく初の事例であるとのこと。早期アクセスでの開発をおこないながらソースコードの公開を進めるという意味でも珍しい試みとみられ、コミュニティへの貢献を目指す同スタジオの新たな挑戦に注目したい。
『BitCraft Online』はPC(Steam)向けに早期アクセス配信中。オープンソース化されるコードは1月21日より、順次GitHubにて公開される。
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