壊れかけのロボットたちと“最期の対話”をするゲーム『BatteryNote』、「100%好評」スタート。生殺与奪の権を握ってロボットたちに優しくしたり破壊したり
room6は10月10日、72studioが手がけるノベルゲーム『BatteryNote』をリリース。本作は壊れかけのロボットと会話するSFノベルゲームであり、リリースからさっそく高い好評率を記録している。

パブリッシャーのroom6は10月10日、72studioが手がけるノベルゲーム『BatteryNote』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)。本作はリリースされてから多くの好評を集めている。
『BatteryNote』は、壊れかけのロボットと会話するSFノベルゲームである。プレイヤーはコールドスリープから目覚めた記憶喪失の「メカニックくずれ」として、3体のロボットと対面することになる。ロボットたちはいずれもスクラップ置き場から拾ってきたもので、バッテリーが切れて動かない廃棄処分済みのものだ。そんなロボットたちを充電して再起動し、バッテリー寿命が尽きるまでのわずかな「余生」を過ごさせるのだ。なお、プレイヤーの手元には、充電するためのコンセントとロボットを破壊するための高電圧スイッチがある。ロボットたちに優しく接するのも、サディスティックにいじめ抜くのもプレイヤー次第だ。

本作は行動を選択していくノベルゲーム形式で進み、1周あたりのプレイ時間が15分ほどの短いものとなっている。ゲームはラウンドで区切られており、充電をするかどうかの選択をおこない、ロボットと会話すると1ラウンドが経過。ロボットはバッテリーを100%を超えて充電するか、ラウンドの経過でバッテリー寿命が尽きるかすると機能を停止するため、それまでのわずかな時間だけ会話を楽しむことができる。
会話することになるロボットは3体。ダイナーでウェイターとして働いていたロボットのジェシカ、オフィスを監視するセキュリティロボットのサーベリー、軍事用に開発されたと思われる戦闘ロボットのデバインドR7である。用途も性格もまったく異なる彼らだが、共通点も存在する。3体のいずれもが、人間に危害を加える異常なロボット「アノマリー」として認定されていたのだ。
彼らがなぜアノマリーに認定され、いかにして廃棄処分に至ったのか。プレイヤーがいなければ存在しなかったはずの「余生」を使って会話をすれば、そうした過去を垣間見ることができるだろう。ちなみにプレイヤーは記憶を失う前に、こうした機能停止寸前のロボットたちを拾ってきては充電し、会話することを日課としていたようだ。ロボットとの会話は、プレイヤーが記憶も取り戻すきっかけになるかもしれない。


そんな『BatteryNote』はリリース以来、好評を集め続けている。本稿執筆時点でSteamユーザーレビューは72件、そのうち100%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。本作は個性豊かなロボットたちとの交流を描いた作品である。会話はテンポが良く、アノマリー認定されたロボットたちはいずれも妙に人間味に溢れている。そんな彼らとの会話はレトロな4色のドット絵表現と、ロボットごとに違うBGMで彩られており、何度もプレイして豊富に用意された展開を見てみたくなるような作品だ。レビューではストーリーや演出を高く評価するものが多く見受けられ、本作に登場するロボットたちを好きになったというプレイヤーが続出している。
本作を手がけた72studioは、人間ではない“人外”キャラクターを愛好する個人運営のインディーゲームデベロッパーである。過去にはPC・スマートフォンのブラウザ上でプレイできる『Adventure of Keymen』『めいどのくりすます』をリリースしているほか、Steam上では新たに『DRINKRIME』というドット絵アドベンチャーゲームを開発中である。いずれの作品も人外キャラクターで溢れており、同スタジオの「人外愛」は本作でも存分に発揮されている様子だ。
『BatteryNote』は、PC(Steam)向けに配信中。現在はリリース記念セールが開催されており、10月24日までの期間限定で定価の10%オフとなる税込1234円で購入可能だ。