『バルダーズ・ゲート3』開発元、大型パッチ#7は“最後のアップデートではない”と明言。クロスプレイやフォトモード追加も控えているし、開発はまだまだ続く


デベロッパーのLarian Studiosは9月5日、『バルダーズ・ゲート3(Baldur’s Gate 3)』のSteam版向けに無料大型アップデートとなるパッチ#7を配信した。同パッチについては、ユーザーから本作の最終メジャーアップデートとする見方もあったものの、Larian Studiosは「これが最終アップデートではない」と明言した。PC Gamerが報じている。

本作は、RPG『Baldur’s Gate』シリーズのナンバリング最新作だ。本作の舞台となるのはファンタジー世界「フォーゴトン・レルム」。プレイヤーはこの地を、仲間と共に自由度高く冒険することになる。ファンタジー・テーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の第5版ルールをベースとしており、TRPGのメカニクスをゲームに落とし込んだいわゆるCRPGとして展開されるゲームプレイが特徴だ。


本作には9月5日に、Larian StudiosよりPC版向けにパッチ#7がリリースされた。同パッチでは多岐に渡る変更が加えられており、悪のロールプレイを楽しむプレイヤー向けに新たなエンディングが追加。さらに公式Modツールやマネージャーのリリースに加えて、膨大な量の修正・調整が加えられている(関連記事)。

同パッチは、本作における最後の大型アップデートであることが一部ユーザーより推測されていた。以前より追加予定とされていた公式Modツール、そして追加エンディングが実装されたことから、「追加要素は同パッチですべて実装しきった」とする見たてだろう。

またパッチノートにて「すべての物語には終わりがある(But eventually all stories must come to an end.」とも述べ、「チームは洞窟に戻り、壁に鎧を掛ける時が来た」といった“冒険の終わり”を示唆するかのような表現を用いている。以前より新しい作品の開発にシフトしていく方針が示されていたこともあり、海外メディアPC Gamerはパッチ#7の配信を「最後の大型アップデート(final major update)」であるとした見出しにて報じた。これ以上の目玉となる大型アップデートはないとの判断だと思われる。

しかしLarian Studiosのパブリッシング・チーフであるMichael Douse氏はPC Gamerが報じた記事に反応。これが本作の「最終アップデートではない」と改めて明言した。なお続くポストでは、開発者たちに過度なプレッシャーを与えてしまうので、何が来るかを話すつもりはないとも語っている。

またLarian Studiosの公式Xアカウントもこれに反応。記事の見出しを訝しげに見るかのような画像とともにポストを投稿した。同ポストに寄せられた返信についても「パッチ#7は最後のアップデートではない」と語っている。またLarian Studiosのコミュニケーションディレクターを務めるLuke Karmali氏も、本作に登場するキャラクターである、意味深で迂遠な語り部シナビの画像を引用しつつ、「最後と言った覚えはない」と明言した。

ちなみに、公開されたパッチノートの前文にも今後の予定が記載されている。そこではクロスプレイとフォトモードの追加、その他修正を含むアップデートの開発が進められていると明かされており、パッチノートにおいても、本作のアップデートがさらに続けられるとしている。

こうしてLarian Studios及び関係者によって、パッチ7が最後のアップデートであることが否定されるとともに、今後も開発が続けられていくことが改めて明言されたかたちだ。しかし公式に否定するのが「最後のアップデート」なのか、「最後の“大型”アップデート」の部分なのかは不明。そしてDouse氏の語る内容が、パッチノートで言及されていたクロスプレイとフォトモードを含むアップデートのことなのか、もしくはもっと別のことについてなのか、という点についても詳細はまだ公開されていない。

とはいえ、Douse氏が、今後何が来るかについて話すつもりはないと語るのを見るに、現在発表されている内容以外にもさらなる追加要素を予定しているという可能性もあるかもしれない。本作はDLCや続編の開発を予定していないことが明言されているものの(関連記事)、いまだに精力的な開発が続けられていることがうかがえる。本作のアップデートにおける続報にも改めて期待したいところだ。

『バルダーズ・ゲート3』パッチ#7はPC(Steam)向けに配信中。本作は国内PS5向けにも発売中だ。