動画編集ソフト「AviUtl」、なんと6年ぶりに突如更新。64bit対応の「ゼロから作り直し」版が登場
KENくん氏は7月7日、動画編集ソフト「AviUtl」について「AviUtl ExEdit2」をリリース。6年ぶりとなる突然の更新は大きく話題となっている。

個人開発者KENくん氏は7月7日、動画編集ソフト「AviUtl」について「AviUtl ExEdit2」をリリースした。6年ぶりとなる更新では、AviUtl ExEdit2では64bitに対応するなど、各所にアップデートが施されており、広く話題となっている。
本ソフトウェアはKENくん氏によって提供されている、フリーの動画編集ソフトだ。動画ファイルを編集できるほか、加工も可能。AviUtl単体ではAVIファイルのみしか編集できないなどといった制約があるものの、拡張編集Pluginを導入することによって、動画、静止画を移動させたり、テキストを差し込んだりすることができる。さらにカメラ編集などもできるのが特徴だ。さらにAviUtlに向けてはユーザーによる多彩なプラグインなどが作成されており、高いカスタマイズ性も特徴となっている。そのため、ゲームの実況プレイなどをはじめとした動画制作に広く用いられてきた。

AviUtlは1997年より開発が進められており、2013年4月にversion1.00が、そして2019年10月にはversion1.10がリリースされていた。本ソフトウェアは32bitのアプリケーションであり、また個人開発者によるクローズドなソフトウェアだ。そのためKENくん氏に対し、アプリケーションの64bit化を望む声なども散見されていた。
こうした要望に対しKENくん氏は、2019年8月にAviUtlの更新については「やり残した事や気になる点をほんの少し修正するくらい」と発言。64bit化についても、プラグインが利用できなくなるなどとして、大幅な更新をおこなう予定がないと示唆していた。
ところが今年7月7日、6年ぶりに突如として新バージョンを提供するアップデートが公開された。「AviUtl ExEdit2」と名付けられた“新AviUtl”は、AviUtlと拡張編集を纏めて新しくゼロから作り直したツールのテスト版だとされている。対応するOSはWindows 10以降で、DirectX11.3、AVX2が利用できる環境が必要だ。

AviUtl ExEdit2では64bitに対応。さらに拡張編集Pluginで利用可能だった拡張編集にあたる機能がデフォルトで組み込まれている。なお同バージョンは現在beta1という扱いになっており、実装に不足している部分や、互換に対応できていない部分があるとのことだが、MP4ファイルなどを用いた基本的な動画編集、加工は可能となっている。また「AviUtl ExEdit2」のSDK(ソフトウェア開発キット)もあわせて公開されており、ユーザーによるプラグイン作成もカバーされているかたちだ。なお「AviUtl ExEdit2」はテスト版との扱いになっている。そのため今回のリリース以降も、バージョンアップ対応がおこなわれていくのかもしれない。
過去には64bit対応予定がないことや、今後の大規模な更新がないことがアナウンスされつつも、今回突如として「AviUtl」の大型アップデートが提供されたことで、大きく話題となっている。ちなみにKENくん氏のXアカウントからは、本稿執筆時点では告知などはされていないものの、今後の情報発信などがおこなわれる可能性はある。興味のある方は、KENくん氏をフォローしておくか、公式サイトを定期的に確認しておくといいだろう。