GOTY候補急浮上の『ASTRO BOT(アストロボット)』開発者、「だらだら長くなるくらいなら、短く濃密なゲームの方が価値ある」と明言。チーム全員で手がけた濃密体験


ソニー・インタラクティブエンタテインメントは9月6日、『ASTRO BOT(アストロボット)』をPS5向けに発売した。本作のディレクターを務めるNicolas Doucet氏は、本作発売に合わせたインタビューにて、「だらだらと遊んでしまう長いゲームプレイよりも、短くても濃縮されたゲームプレイの方が価値のあるもの」といった自身の見解などをコメントしている。海外メディアBloombergなどが報じている。

『アストロボット』は三人称視点で繰り広げられるアクションゲームだ。本作はPS5の同梱ソフトとして提供されている『ASTRO’s PLAYROOM』の続編にあたる。開発は『ASTRO’s PLAYROOM』やVR向け『ASTRO BOT:RESCUE MISSION』を手がけたTeam ASOBIが担当している。


本作の主人公であるアストロは、PS5を模した宇宙船にて航行中のところを襲われ墜落。仲間のボットたちは散り散りになり銀河中へ投げ出されてしまった。アストロは仲間を探すため、銀河各地の惑星を探索することとなる。ゲームプレイとしては、DualSenceのアダプティブトリガーやハプティックフィードバックを活かした多彩なアクションが特徴となっている。またPlayStationの30周年を記念して、有名ゲームタイトルの登場キャラの格好をした「VIPボット」も多数登場する。

そんな本作の開発元であるTeam ASOBIに対し、海外メディアBloombergなどがインタビューを実施。Team ASOBI代表であり、本作のディレクターも務めるNicolas Doucet氏が本作制作についての流れや、自身が思うゲームの規模感などについて回答している。


Doucet氏は、5分たりとも無駄を感じさせないような、12時間から15時間程度の濃密なゲームの方が、だらだらと遊ぶ40時間のゲームよりもずっと価値がある、との見解を示した。チームとしてそうした方針を受けいれられるかどうかが、開発体制をコントロールするにあたって重要なことの一つだという。

こうしたスタイルは、Team ASOBIが小規模なゲーム開発スタジオであるということも影響している部分があるようだ。Doucet氏は本作の開発にあたり、チームが2週間に一度、全体で進捗を確認したりゲームをプレイしたりする機会を設けたと語った。このことにより「自分が担当している開発パートが、“なぜ必要なのか”がわからなくなる」というような状況を防ぎ、独創的なアイデアや改善点の共有などもできるようになったという。


“AAA級”や長期にわたって展開される運営型ゲームなどとは対照的に、『アストロボット』は比較的小規模なタイトルといえる。そんな本作のプレイ中には、ボット探索を中心としたさまざまなアクションがちりばめられており、まさにDoucet氏が語るところの、「12時間から15時間程度の濃密なゲーム(Having something that’s 12 to 15 hours of condensed fun)」だといえるだろう。

すでにPS5における世界のプレイヤーからの評価では星4.96を獲得し、レビュー集積サイトMetacriticでは94点という高得点をたたき出している『アストロボット』。本作は高い評価と話題性により、年末にかけてのアワードにおけるGOTY候補として急浮上している。濃密なゲームプレイの好評度合いは、Doucet氏やTeam ASOBIの方針が反映された結果でもあるのだろう。

ASTRO BOT(アストロボット)』はPS5で販売中だ。