約500円・強化しまくり快感弾幕STG『Astro Prospector』やみつき高評価続々。雪だるま式インフレ強化の高中毒性ループ

IncrementalistとSpaceJazzは7月14日、インクリメンタル弾幕シューティングゲーム『Astro Prospector』をリリースした。対応プラットフォームはPC（Steam）。ゲーム内は日本語表示に対応している。本作はリリースからさっそく人気を集めている。

『Astro Prospector』は、自機がどんどん強くなる片手操作の弾幕シューティングゲームである。『クッキークリッカー』に代表される数字がどんどん増えていくインクリメンタルな成長要素と、敵から放たれる弾幕をかいくぐるように避ける要素が合体した作品だ。

プレイヤーは宇宙コーヒー豆を独占して人類を支配している「スペースコープ（SpaceCorp）」に立ち向かうべく、小さな宇宙船で宇宙コーヒー豆を採掘することになる。本作に登場する宇宙コーヒー豆は、宇宙を漂う小天体を採掘して入手するものだ。ただし、勝手に採掘されてスペースコープも黙ってはいない。そこで、スペースコープの宇宙船からの攻撃を避け、撃破しながら、採掘を続行するのだ。

ゲームを開始すると、小天体が漂う宇宙空間に自機となる宇宙船とカーソルが現れる。宇宙船はカーソルに追随して動くので、動かしたい場所に向けてカーソルを動かす仕組みだ。宇宙船からはもっとも近くにあるオブジェクトに向けてビームが放たれ、一定時間ごとにダメージを発生させる。ビームで小天体を破壊すると宇宙コーヒー豆があらわになるので、宇宙船を近づければ宇宙コーヒー豆を獲得できる。

画面の左上には宇宙船の耐久度を表すハートマークと、動くことができる残り時間を示すコーヒー時間ゲージが存在する。ハートマークは敵の攻撃を受けたり小天体にぶつかるなどしてダメージを受けると減り、コーヒー時間ゲージは時間経過で減っていく。どちらかが尽きれば採掘はいったん終了だ。コーヒー時間ゲージが残り少なくなると画面の周りが徐々に暗くなっていき、ゲージが尽きると目を閉じるように画面が暗転する。眠たくなったらその日の仕事は終了というわけだ。

いったん仕事を終えたらアップグレード画面に移る。ここでは、獲得した宇宙コーヒー豆を使って宇宙船の速度や耐久度、ビームの威力などを上げることができる。ゲームが進行すると宇宙コーヒー豆以外の資源も獲得できるようになり、宇宙船をどんどん強くしていける仕組みだ。ちなみに、より多くのコーヒーでコーヒー時間ゲージを伸ばし、動いていられる時間を長くするというアップグレードもある。

また、アップグレード画面の左下に書かれている「任務」を達成すると、特定のアップグレードに必要となる貴重な資源を獲得することもできる。任務の内容は、特定の資源を獲得したり、一定数の敵を撃破したりといったものだ。

そんな本作はリリースからさっそく好評を博しており、本稿執筆時点でSteamユーザーレビューは約100件、そのうち98％が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。本作は1分も経たずに活動が終わってしまう序盤に始まり、アップグレードを繰り返して宇宙船を強化していく段階を経て、徐々に本格的な弾幕シューティングへと姿を変える。やられてしまってもアップグレード画面に戻るだけなので、今まで積み上げたものを失うがっかり感はない。短時間のサイクルで成長していくインクリメンタルゲームとしての楽しさを味わっているうちに、自然と自機の操作を習得して、シームレスにやりごたえのある弾幕シューティングの達成感も味わえるという、言わば美味しいとこどりの作品というわけだ。レビューでは、そんな本作の成長感と達成感の両方を楽しんでいる声が多く聞かれる。

本作を手がけるIncrementalistは、スペインに拠点を置くインディーゲームデベロッパーである。本作がSteamでリリースする初の作品となるが、以前からプロローグ版をitch.ioで公開して人気を集めていた。プロローグ版を通じてコミュニティのフィードバックを受けながら綿密に難易度の調整を続けたことが、本作の思わずのめり込んでしまうバランスの実現につながったものと思われる。

コミュニティとの連携は多言語対応にも表れており、リリース時点で英語・スペイン語はもちろんのこと、日本語や中国語など合計10種類の言語に対応している。プレイヤーを巻き込みながらじっくりと磨きをかけ続けたことが、本作の人気につながったのかもしれない。

『Astro Prospector』はPC（Steam）向けに配信中。現在はリリース記念セールを開催中で、7月22日までの期間限定で定価の10％オフとなる税込522円で購入可能だ。