『アサシン クリード シャドウズ』の“弥助問題”について、Ubisoftが謝罪。あくまでもフィクションと強調

Ubisoftは7月23日、『アサシン クリード シャドウズ』開発チームの声明を投稿した。本作の史実性などを巡って大きな懸念が生じていたことに対して、謝罪が綴られている。

Ubisoftは7月23日、『アサシン クリード シャドウズ』開発チームの声明を投稿した。本作の史実性などを巡って大きな懸念が生じていたことに対して、謝罪が綴られている。

本作は、オープンワールドアクションゲーム『アサシン クリード』シリーズの最新作だ。舞台となるのは、安土桃山時代の日本。天下統一に向けた戦乱の時代であり、新たな勢力の出現や、陰謀をめぐらす異国人たちの存在が、この地を脅かすことになる。主人公である、伊賀出身の忍かつアサシンである奈緒江と、アフリカ出身の侍である弥助は、互いに相通ずる使命を見出し、新たな時代を目前にした大いなる戦いの行方に深く関わっていくという。


本作の主人公のひとりである弥助が史実でも「侍であったかどうか」といった点を巡ってユーザーが疑義を呈し、今年5月の正式発表以来大きな議論を呼んでいた。弥助が侍であったかどうかのほかにも、本作のトレイラーなどから確認できるゲーム内の時代考証の精度、無断利用疑惑などを巡ってさまざまな疑念が生じていた。直近ではメディア番組などで報じられたこともありさらに批判が渦巻き、国内X上では「弥助問題」といったワードがトレンド入りしていた。

そうした状況を受けてか今回、Ubisoftは『アサシン クリード シャドウズ』開発チームの声明を投稿。英語向け、および日本語向けにも投稿されている。声明では「日本の皆さまにご懸念を生じさせた」として謝罪が伝えられている。


声明では、史実性に関する全体的な取り組みとして、『アサシン クリード シャドウズ』を含む『アサシン クリード』シリーズでは史実や歴史上の人物を再現する目的で作られたものではないと言及された。『アサシン クリード シャドウズ』も「戦国時代の日本を舞台にした魅力的な歴史フィクションを描くエンターテインメントゲームとして開発されている」とのこと。外部のコンサルタントや歴史家、研究者、Ubisoftジャパンの社内メンバーも含めて幅広い関係者の協力のもと進められてきたそうだ。

一方でプロモーション素材の一部に監修が行き届かず、日本のユーザーに懸念を生じさせることになったという。これまで発表されたゲーム映像はすべて開発中のものであり、ゲーム本編の内容に関してはユーザーからのフィードバックに基づいて改善に努めていくという。なおすべての責任は協力した関係者ではなく開発チームにあるとして、関係者への批判は控えてほしいことが伝えられている。

開発チームによれば、『アサシン クリード』シリーズは史実に基づく描写に努めつつも、あくまで歴史上の実在人物や出来事にインスパイアされたフィクション作品として想定されているという。創作表現の自由を活かして、ファンタジーの要素も取り入れてきたと強調。『アサシン クリード シャドウズ』の弥助も謎に包まれた存在として、創作表現の一環として登場人物候補になったとしている。

一方開発チームも弥助が侍として描写されている点が議論の的になっていることは認識しているとのこと。もうひとりの主人公である奈緒江も同じく重要人物であり、二人の主人公が織りなす物語を提供するとしている。また今後もフィードバックを反映しながら、ユーザーの希望にできる限り沿うように努めていくとして、声明は締めくくられている。


弥助が侍として描かれることを含め、史実性への疑念が寄せられてきた『アサシン クリード シャドウズ』。また先日にはコンセプトアートにて、“関ケ原古戦場おもてなし連合「関ケ原鉄砲隊」の旗”が無断で使用されていることが報告され、公式Xアカウントから謝罪が伝えられていた。大きな議論を呼ぶことになった弥助の描写だけでなくさまざまな懸念が寄せられており、発売に向けて払しょくできるかどうかも注目される。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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