北極モーテル経営シム『Arctic Motel Simlator』Steamで評判高まり中。良くも悪くもとにかく忙しい、やること膨大な北国宿生活

One Slice of Pizza Gamesは2月11日、『Arctic Motel Simulator』をリリースした。北極圏でモーテルを経営する、一人称視点のシミュレーションゲームだ。

インディーデベロッパーのOne Slice of Pizza Gamesは2月11日、『Arctic Motel Simulator』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)で、ゲーム内は日本語表示に対応している。本作のユーザーレビューには、さっそく好評が寄せられている。

『Arctic Motel Simlator』は一人称視点でモーテル経営のさまざまな業務をこなしていく経営シミュレーションゲームだ。舞台となるのは北極圏の一角。ある日プレイヤーはすっかり寂れてしまっているモーテルの所有権を譲り受け、その経営に乗り出すこととなる。

モーテルの経営といっても、その業務内容は多岐にわたる。なにしろ舞台は北極圏である。土地があまりにも広大で人家も店舗もまばらであるため、本作でプレイヤーは宿泊施設としての機能だけではなく、さまざまなサービスを提供することとなる。必需品や北極名物を取り扱うショップ、食事を提供するレストラン、洗濯ができるランドリーコーナーなどがそうだ。


もちろん宿泊施設として魅力ある部屋を提供することも忘れてはならない。内装や家具を整え、部屋をきれいに掃除し、備品を補充したら、チェックインやチェックアウトに丁寧に応対する。時には「隣の部屋の客がうるさい」といった苦情対応を求められることもある。また北極圏の厳しい気候に対応するため、冬にはボイラーで部屋を暖めたり、夏には湿気対策を行う必要もある。

そうこうするうちにペットを連れた宿泊客がモーテルを訪れることも。モーテルの機能にはさまざまなアップグレード要素があり、部屋のアップグレードもその一つだ。ペット可の部屋の他にも、サウナ付きの部屋や家族連れ向けの部屋などがあり、キャンピングカーでの車中泊や、冬には氷で作ったイグルーでの宿泊体験までも提供できるようになる。

モーテルが発展してくると、観光地としての魅力あるサービスも求められるようになり、森の動物の狩猟体験や、氷上釣り体験、レジャー用品のレンタルなどのサービスを提供できるようになるようだ。プレイヤー自ら狩猟することもでき、FPSのように銃で仕留めた動物の肉を加工し、レストランで新鮮な北極ならではの料理として提供することも可能だ。

……と、軽く紹介しただけでも本作のできることの多さは伝わるかと思う。これでもまだ一部であり、土地の拡張、従業員の雇用・教育など紹介しきれていない要素がまだまだある。解除可能なSteam実績の数はすでに100にも及んでいる。やることの多さもさることながら、ペットとして連れてこられる動物の種類の多さやモーション、内装で選べる壁紙の種類の多さなどにもこだわりが見られ、筆者がプレイする限りでもリリース直後の経営シミュレーションゲームと思えないほどの作り込みを見てとることができた。

そんな『Arctic Motel Simlator』のレビューは本稿執筆時点で約70件のうち90%が好評とする「非常に好評」のステータスを獲得している。異様なほどの作り込みがさっそく評価されている様子だ。好評のものも不評のものも多くのレビューは「やることの多さ」を取り上げており、内容の充実を高く評価する声が多い一方で、不評のレビューでは働いても働いてもやることに追われて疲れるといった感想が見受けられた。

特にゲームの序盤は先に紹介した業務をすべてワンオペでこなす必要がある。部屋の掃除をしている間に並んだチェックイン待ちの客に応対し、その間にできたショップのレジ待ちの列を捌き、それらの業務の合間に部屋の価格設定を見直し、苦情対応し……といった具合になりがちだ。とはいえ幸い現在のバージョンでは、チェックイン待ちの宿泊客を立たせたまま数日待たせた挙げ句チェックインを断ったとしても怒られたりするようなことはない。客を待たせる罪悪感はあるものの、のんびりとプレイするのもいいかもしれない。

現在はリリース直後ということもあり不具合修正のパッチが連日配信されているが、One Slice of Pizza Gamesはコミュニティからのフィードバックや提案を歓迎しているとのこと。前述の待ち客多発現象なども含めて、今後のさらなるブラッシュアップにも期待したい。

『Arctic Motel Simlator』はPC(Steam)向けに配信中。現在はリリース記念セールが開催されており、2月19日まで10%オフの税込1800円で購入可能だ。

Naoto Morooka
Naoto Morooka

1000時間まではチュートリアルと言われるようなゲームが大好物。言語学や神話も好きで、ゲームに独自の言語や神話が出てくると小躍りします。

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