Riotのアンチチートを突破したと豪語するチート業者、即排除され“賄賂”で切り抜けようとする。「1年も懸命に開発したのに」と嘆く

Riot GamesのアンチチートアナリストであるMohamed Al-Sharifi氏は10月24日、あるチートを“1時間で排除した”と発表。しかし当のチート開発者は、Al-Sharifi氏になんとか食い下がろうとしたようだ。

Riot GamesのアンチチートアナリストであるGamerDocことMohamed Al-Sharifi氏は10月24日、あるチートを“1時間で排除した”と発表。しかし当のチート開発者は、Al-Sharifi氏になんとか食い下がろうとしたようだ。海外メディアDexertoが報じている。

ゲームについて、特にオンラインでの対戦が実装されているタイトルでは、チートなどの不正行為によって健全なプレイが阻害されることがある。ゲーム開発をおこなう各社は、アンチチートソフトなどをユーザー側にインストールさせたりすることで対応をおこなっている。『VALORANT』や『League of Legends』を運営するRiot Gamesでは、Riot Vanguardなるアプリケーションでチートの検出をおこなっている。


今回、Riot Gamesでアンチチートアナリストを務めるMohamed Al-Sharifi氏が、あるスプーファー(spoofer)を排除したと発表した。Al-Sharifi氏はチート対策を講じるボランティア団体「Anti-Cheat Police Department」の創設者であり、数々のチート開発者/配布者を特定したり、Blizzard EntertainmentやRiot Gamesに対し、チートのソースコードを提供するなどの実績がある人物だ。

なおスプーファーとはデバイスのIDを偽装する(スプーフィング)ツールで、ハードウェアBANを不正に解除などする場合に用いられることがある。なおスプーファーの検出やBANに至るまでの詳細については語られなかったものの、1時間以内の“スピード排除”であったことが伝えられている。


Al-Sharifi氏はこの報告にあわせ、スプーファーを開発したチート開発者とのやり取りなどを載せている。Al-Sharifi氏が投稿した画像によれば、どうやらチート開発者は、『VALORANT』と『League of Legends』に対してスプーフィングが可能だと謳うツールを販売していた模様。調査と開発には1年をかけ、Riot Vanguard を突破するスプーファーをリリースしたようだ。

しかし先述の通りAl-Sharifi氏が伝えるところでは、当該チートは“1時間以内に排除”されあえなく撃沈。1年間の苦労が水の泡となった悔しさからか、チート開発者はAl-Sharifi氏に対し何度も「fuck」など怒りの言葉を向け、悔しさをあらわにした。その後チート開発者はAl-Sharifi氏に対し、5000ユーロ(約82万円)を払う、と“賄賂”の存在もちらつかせた。ただこの賄賂はAl-Sharifi氏には効かなかったようで、そのままスプーファーは削除されたようだ。

実際このスプーファーがどれほどの検出難度だったかは明らかにされていないものの、今回Al-Sharifi氏の報告によりRiot Vanguardの高い検知能力が裏付けられたといえるだろう。またBANされた怒りが一転、“賄賂”で何とか切り抜けようとするという、なりふり構わないチート開発者の一幕も見られたかたちだ。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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