錬金術ショップ自動化シム『Alchemy Factory』さっそく大好評。作った商品は「投石器」でぶん投げ陳列、魔法も駆使して“立体製造ライン”を築く

パブリッシャーのGamirror Gamesは12月12日、自動化シム『Alchemy Factory』の早期アクセス配信を開始した。対応プラットフォームはPC（Steam）で、ゲーム内は日本語表示に対応している。

『Alchemy Factory』は、魔法と錬金術で生産ラインを作って成り上がる3D自動化シミュレーションゲームである。プレイヤーは小さな店を持つ見習い錬金術師として、一国を代表するほどの錬金マスターを目指す。本作は中世ファンタジーのような世界観ながら、自動化施設が存在するのが特徴。採取から加工、製造、販売に至るまで、あらゆる単純作業を自動的におこなうことができる。ポーション錬成、金属加工、宝飾品加工など、活躍できる分野もさまざまだ。生産ラインは立体的に組み上げることも可能。自由で拡張性の高い自動化を楽しめるだろう。

本作での自動化はかなり自由度が高いものとなっている。素材や加工品を運ぶために使えるものとして、ベルトコンベアのような装置はもちろんのこと、ポーションなどの液体を運べるパイプや、離れた位置にある商品棚に完成品を投げ入れて陳列する投石機や大砲のような装置まである。これらを組み合わせることで、一見つなげるのが難しいように思われる2つの地点をつないでラインを構築することができるのだ。ゲームが進行すれば魔法の力を駆使して「ポータル」を解放し、転移で素材供給を自動化することさえ可能だ。

本作で暮らすことになる町には多くの人々が暮らしており、製造したものを販売する経営シミュレーションゲーム的な側面もある。最初は手動で接客しなければならないだろうが、もちろん自動精算機も存在する。素材採取から加工、販売に至るまでの全行程を自動化してお金を稼ぐことができるわけだ。また、町には購入可能な物件も多数あり、購入すれば新たな自動化ラインを敷設できる。すべての自動化を終えた店舗を稼働させつつ、また新たなラインを作れるという中毒性の高い作りとなっている。

ちなみに本作では、各装置はボクセルのように立体的なグリッドに従って設置することになるため、位置の微調整などは必要ない。よほど無計画に設置しない限りは、誰でも整然としたラインを作ることができるだろう。

そんな本作は早期アクセス配信開始直後から好評を集めており、本稿執筆時点でSteamユーザーレビューは75件、そのうち96％が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。本作は自由度と拡張性の高い自動化が楽しめる作品でありつつ、中世ファンタジーの温かみがあって親しみやすい世界観も特徴となっている。たとえば自動陳列装置が投げ飛ばしている商品が店内を飛び交っていても、客は気にせずに買い物をしてくれる。そんなおおらかな町でどんどん自動化ラインを広げていけるのだ。

レビューでは自動化の自由度の高さに驚きつつ楽しんでいる声が多く聞かれるほか、デモ版の時点では存在しなかった機能が追加されているなど、プレイヤーのフィードバックを活かす開発チームへの期待感も垣間見える。早期アクセス期間は6か月～1年ほどとなる見込みで、ゲームプレイの改善などのほかに、現在実装済みのコンベアよりも効率的な輸送を実現できる「軌道システム」や、より自由に建築や設計が可能な「サンドボックスモード」などの実装が予定されているようだ。

本作を手がけるD5 Copperheadについては公開されている情報が少なく、本作が同スタジオがSteamでリリースする初の作品となっている。一方、本作の販売を手がけるGamirror Gamesについては、東京と上海を拠点として多くのインディーゲームを販売してきたパブリッシャーだ。過去にSteamでは、ともに「圧倒的に好評」ステータスを獲得している『火山の娘』『DICEOMANCER』や、同じ工場建設ジャンルでは『Shapez 2』などもリリースしている。こうしたラインナップに新たに並ぶ本作も、おもしろい自動化ゲームとして評価を高めていくのかもしれない。

『Alchemy Factory』は、PC（Steam）向けに早期アクセス配信中。現在はリリース記念セールが開催中で、12月26日までの期間限定で定価の10％オフとなる税込1800円で購入可能だ。