“即席呪文をAIが判定する”バトルゲーム『AI創作呪文』Steamにて正式お披露目。作った呪文がどれだけ強いのかは、AIのさじ加減
MONO ENTERTAINMENTは6月25日、オリジナル呪文創作ゲーム『AI創作呪文』のSteamストアページを公開した。2025年の12月から2026年の3月頃のリリースを予定している。

デベロッパーのMONO ENTERTAINMENTは6月25日、オリジナル呪文創作ゲーム『AI創作呪文』のストアページを公開した。対応プラットフォームはPC(Steam)。
『AI創作呪文』は4つの漢字を組み合わせてオリジナルの呪文を作って戦うゲームである。呪文の効果や内容はAIにより判定される。たとえば「憤猿熱闘」は火属性78ダメージ、「紅華隻刀」は火属性85ダメージといった具合だ。呪文の効果とは別に、どのような呪文であるかの内容を説明したフレーバーテキストも付いている。イメージ通りの呪文になるのか、それとも想像もしなかった呪文が発動してしまうのか、想像力とワードセンスが試される作品となりそうだ。

ゲームプレイはモンスターとの1対1のバトルである。毎ターン与えられるランダムな漢字から4つを選び、できるだけ「強そう」な呪文を発動して戦うことになる。画面右上のメーターから察するに、1体倒せばまた次の敵が現れ、全13ステージを攻略していくのが目的のようである。
ただし、敵は特定の属性への耐性を持っていることもあるようだ。先述の2つの呪文はおそらく「熱」や「紅」といった漢字が含まれているために火属性として判定されていると思われる。強そうな漢字を選ぶと同時に、敵に対して効果的な属性も考慮する必要があるようだ。
なおステージによっては、あえて弱い呪文を出す必要のある「反転戦闘」というものも発生する。この場合は、敵のHPよりも低いダメージの呪文を出せば勝利となる。もちろん反転戦闘でも敵の耐性は存在しているため、敵が耐性を持っている属性を狙うのも重要となるだろう。

また、画面左上には特別な効果のある「スキル」が表示されている。任意のタイミングで使うことができ、「特定の文字を反対の意味に変える」「特定の文字のスケールを大きくする」「画数が10以下の漢字すべてをランダムな漢字に変える」など、さまざまな効果のものがあるようだ。意味を変えたり、スケールを大きくするといった場合の判定もAIによりおこなわれる。反対の意味にする場合、「火」は「水」に、「善」は「悪」に、「兎」は「亀」になるといった具合だ。特定の属性や、強敵に対しての威力アップを狙うため、ここぞという場面で使用したい切り札だ。
ちなみにAIによる呪文の効果の解説には、通常モードのほかに中二病モードも存在しているようだ。淡々と効果を説明する通常モードと違い、中二病モードではAIが決めポーズとともに、とてもかっこいいテキストで呪文が発動する様子をありありと伝えてくれる。最強の呪文創作を目指すプレイヤーの気分を高めてくれそうだ。
そのほか、お気に入り呪文を登録しておける「呪文辞典」や、好きなだけ呪文を創作できる「創作練習」などの便利機能もある。強くなりやすい漢字や、特定の属性を狙いやすい漢字を知る手助けとなるだろう。


本作はもともと、開発者であるmono氏が「思い付きで作った」ゲームだったという。しかし、本作を紹介する投稿は大きな反響を呼び、本稿執筆時点で3000回以上リポストされ、約230万回のインプレッションを獲得している。このことがきっかけとなり、同氏は製品版の開発に着手。今回のストアページ公開に至った。
本作を手がけるMONO ENTERTAINMENTは、ゲーム開発者mono氏が個人で運営しているデベロッパーだ。同氏は東京理科大学の情報工学科に入学後、2年次にニューヨーク大学ゲームデザイン学部に編入。2023年に大学卒業後、講談社ゲームクリエイターズラボの第2期メンバーとしてゲーム開発をおこなっている(現代ビジネス)。これまでに、ジャストガードに特化したローグライクアクション『IGNISTONE』、体内時計で戦う時計構築ローグライク『Clock Rogue』を開発してきた。工夫の凝らされたゲームシステムを構築する同氏の持ち味は、本作でも存分に発揮されそうだ。
『AI創作呪文』はPC(Steam)向けに開発中。リリースは2025年12月から2026年3月ごろとなる見込みだ。