“即席の呪文”で戦闘ゲーム『創作呪文の効果をAIが判定して戦うゲーム』発表。漢字を組み合わせただけの無茶ぶり呪文でも、AIがどんな効果か想像してくれる

mono氏は3月24日、『創作呪文の効果をAIが判定して戦うゲーム』の製品版を開発すると発表。2025年12月から2026年3月頃までにリリースするとしている。

個人ゲーム開発者のmono氏は3月24日、『創作呪文の効果をAIが判定して戦うゲーム』の製品版を開発すると発表した。リリースは2025年12月から2026年3月あたりになるとのこと。

『創作呪文の効果をAIが判定して戦うゲーム』は、ターン制の戦闘ゲームだ。プレイヤーは呪文を唱え、敵の体力を0にすることが目的。ただし本作の呪文はランダムに配られた複数の漢字を組み合わせて即席で作成し、“詠唱”することとなる。この即席呪文の効果については、AIが独自に解釈し、呪文の属性や威力を判定するという。さらにその呪文が発動する様子まで、AIが解釈に基づいて仔細に教えてくれるのだ。

たとえばmono氏が本作の制作を正式に発表したポストでは、「低力短犬」という呪文が唱えられた。字面からは相手の力を下げたり、犬を使った攻撃をしたりするように見える。ただAIの判定では、「低力短犬」は木属性の30ダメージを与える攻撃とのことだ。そして発動状況としては、小さな犬が現れ、力を振り絞って敵に向かい短く吠える。そうすると声が風に乗って敵に届き、ダメージを与えるという呪文となっている。同じ漢字を使っても、組み合わせる漢字や順番によっては、効果も変わってくるのかもしれない。さまざまな組み合わせを試してみるのも面白そうだ。

本作を発表したmono氏は、インディースタジオMONO ENTERTAINMENTを運営するゲーム開発者だ。同氏の手がけた作品としては、体内時計にあわせてストップウォッチを止めて戦う『Clock Rogue』などがある。また同氏は講談社ゲームクリエイターズラボの第2期メンバーでもあり、ジャストガード特化のローグライクアクション『IGNISTONE』をリリース。一風変わったシステムの作品を手がけてきた人物だ。現在は漫画「ザ・ファブル」を原作とした『ザ・ファブル Manga Build Roguelike』を開発中。

本作が製品化に向けて開発に至った経緯としては、3月20日にmono氏が思い付きで作ったという、「ランダムな漢字で捜索呪文を作って戦うゲーム」をX上で公開したことが発端と見られる。投稿では、本作の原型となった、ランダムに配られた漢字で作った呪文をAIが判定してくれる様子が動画として収められていた。

AIが効果を独自に判定してくれることや、AIの性格を変えて「中二病解説」もしてくれることなどが話題となり、当該投稿は本稿執筆時点で3000件以上のリポスト、2万件以上のいいねを獲得。呪文を自由に作れるというシステムについて『ルドラの秘宝』の言霊システムになぞらえつつ、AIとの相性の良さに期待する声なども寄せられている。

mono氏いわく想定以上の反響が寄せられたという本作は、RPGなどではなく、小規模のゲームとなるそうだが、入念に作りこむとの意気込みも見せている。2025年12月から2026年3月頃のリリースを目途に開発されるようだ。また個人開発の強みを活かし、臨機応変にユーザーの意見を取り入れつつ制作を進めるとも伝えられている。

『創作呪文の効果をAIが判定して戦うゲーム』は2025年12月から2026年3月頃にリリース予定だ。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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