滅亡間際の通話ADV『シュレディンガーズ・コール』1章まるごと遊べる新体験版公開。さまよう魂の“心残り”に寄り添う、世界最後の話し相手

集英社ゲームズは2月10日、『シュレディンガーズ・コール』の新体験版をSteamにて公開した。

集英社ゲームズは2月10日、『シュレディンガーズ・コール』の新体験版をSteamにて公開した。同作はPC(Steam)向けに2026年発売予定。新体験版では、第1章がまるごとプレイ可能になっており、クリアすると本編にデータを引き継げるそうだ。

『シュレディンガーズ・コール』は、世界最後の話し相手としてさまよう魂たちの心残りに応える、「絵本を読んでいるかのように、優しさに包まれる感覚のノベルアドベンチャー」だ。本作の舞台は、月の落下によって21ナノ秒後に終わりを迎える世界である。同世界には通話中に月が落ちてきて、途切れてしまった未完了通話が多数存在。自分が死んだのかすら定かでない彼らは、生と死の狭間に誰かに語りたいと電話を待ち続けていた。主人公のメアリは、記憶喪失の少女だ。月が落ちて世界が滅びようとする刹那、見知らぬ部屋で目を冷ましたメアリは、謎の猫ハムレットに導かれて世界最後の話し相手となる。10億分の21ナノ秒後に死んでしまう、世界が終わったことを受け入れられず死にきれない魂たちを電話越しに救う、誰かの心残りとメアリ自身を照らす物語が繰り広げられる。

メアリは世界最後の話し相手として、電話の向こうにいる彼らがどんな人生を送って何を考えてきたのか、通話に耳を傾けていく。伝えられなかった思いや気づけなかった愛、誰かにもう一度会いたかった人など、未完了の通話によって心残りを抱えた死にきれない魂がいくつもある。本作でメアリは、各章ごとにそれぞれの心残りと向き合っていく。そして彼らの心残りを手帖に記し、彼らに寄り添っていくうちに、メアリの大切なものがきっと見えてくるという。

ゲームシステムはADVとなっており、プレイヤーは時折出現する選択肢を選びながら、テキストによって描かれる物語を読み進めていく。一方で本作では、ゲーム序盤から多数の演出が存在。テキストを読み進めるごとに、作中の情景やキャラクターの心情などが、多彩な表現で劇的に描かれていく。ノベルゲームらしからぬ豪華な演出も本作の特徴だろう。

本作は、京都のインディーゲーム開発チームAcrobatic Chirimenjako (アクロバティックチリメンジャコ)が手がけている。同チームには、アートやディレクションを担当するAchabox氏など、3名のクリエイターが所属。昨年7月の弊誌インタビューによれば、同チームは本作のために作られたのだという。同作では、2021年7月から募集されていた集英社ゲームクリエイターズCAMPによるコンテスト「GAME BBQ vol.1」にて大賞を受賞。2022年8月には集英社ゲームズのパブリッシングタイトルとして発表され、その後も長く開発が続けられてきた。

今回はそんな本作の新体験版が公開となった。新体験版では、第1章の内容が最後までプレイできる。第1章を最後までクリアすると、クリアデータが本編に引き継ぎ可能とされている。本作の体験版としてはこれまで、ゲーム冒頭部分をデモ版用に20分程度に調整したバージョンが公開されていたが、今回製品版と同じ流れで本作の1章が遊べるようになったわけだ。旧体験版と比較すると、冒頭から展開が異なっており、演出面もより豪華になっていた。なお本作は、2月24日より開催予定のSteam Nextフェスにも参加予定となっている。

『シュレディンガーズ・コール』は、PC(Steam)向けに2026年配信予定。新体験版は、Steamにて無料公開中だ。

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Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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