光ることしかできないADV『光るだけしかない機械』無料公開。『ファミレスを享受せよ』開発者による、光るだけで進める訪問者との静かなコミュニケーション

サークル月刊湿地帯のおいし水氏は1月17日、『光るだけしかない機械』を公開した。

サークル月刊湿地帯のおいし水氏は1月17日、『光るだけしかない機械』を公開した。対応プラットフォームはPC(itch.io)で、無料でダウンロード可能。途中セーブがないため、時間がある時のプレイが推奨されている。

『光るだけしかない機械』は、謎の機械になって吹雪の夜に起こった出来事に少しだけ関わる、光るだけしかない機械になるアドベンチャーゲームだ。本作のメインキャラクターは、何らかの空間に置かれていた謎の機械である。機械は発光機能が利用可能とされているが、形状や詳しい機能は明かされていない。文字通り光ることしかできない機械であるようだ。本作ではそんな機械が外部音声を検知して、スリープモードを解除。兵士を名乗る訪問者と、吹雪の一夜を過ごすこととなる。吹雪で冷え切った遭難者と光るだけの機械、奇妙な2人組の小さな物語が繰り広げられる。

本作でプレイヤーは、機械の視点から謎の訪問者との時間を過ごしていく。本作は基本的にはテキストアドベンチャーゲームとなっている。操作によって、テキストによる物語を読み進めていくわけだ。ただし本作で機械は、「常夜プロトコル」なる制限により、疑似聴覚の外部音声への接続は不可能。視覚機能なども搭載されておらず、光る機能だけが使用できる。具体的にはゲームプレイ上でも、音声が代替処理されているというテキストと、光る機能だけが利用可能。マウスを左クリックすると、実際に画面内で明かりが灯るが、任意の文字送りなどはできない状態だ。通常のテキストADVと違って、画面上の選択肢を選ぶことなどはできないわけである。

そこで本作では、代替処理によってテキスト化された音声だけを頼りに、光る機能によって物語を進める。光るだけといっても、煩く光ったり、あえて光らず沈黙を守ったりといった表現はできる。たとえばゲーム序盤では、光ることで謎の訪問者に対して存在を示す。会話に対しては、相槌の代わりに光ってコミュニケーションをおこなう。本作では選択肢や画面のクリックなどの代わりに、光る機能を使って外部に干渉していく、光ることしかできない機械視点のゲームが展開されるわけだ。公称プレイ時間は60分。READMEファイルの説明では、途中セーブがないとされており、時間がある時のプレイが推奨されている。

本作は、サークル月刊湿地帯のおいし水氏が手がけている。過去作としては、2023年1月に『ファミレスを享受せよ』をフリーゲームとして、2023年11月に『いるかにうろこがないわけ』をPC向けの無料作品として公開。有料のコンソール版なども発売されており、記事執筆時点では『ファミレスを享受せよ』Steam版がユーザーレビュー945件中97%の好評を得てステータス「圧倒的に好評」を獲得するなど、高く評価されてきた。

本作『光るだけしかない機械』は、そんなおいし水氏による新作となるわけだ。過去作は作品ごとに性質が異なっている。本作は奇抜な主人公設定を反映したほぼテキストのみの作品であるものの、基本的にはテキストアドベンチャーであり、落ち着いて誰でもプレイできる。吹雪の夜を舞台とした、光るだけしかない機械と訪問者の歪なコミュニケーションは静かに展開。黒い背景のまま、基本的にテキストだけで物語が進行する仕組みも含めて、静謐さが印象的なストーリーが繰り広げられている。

『光るだけしかない機械』は、PC(itch.io)向けに無料公開中だ。

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Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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