Activisionが突如人気シリーズの「存在しない新作」の広告を出し、困惑広がる。『クラッシュ・バンディクー』『ギターヒーロー』シリーズなどの“公式架空タイトル”出現

『Call of Duty』などで知られる大手ゲーム会社Activisionが、現実には存在しない架空のゲームの広告をInstagramやFacebookなどのSNSに掲載し、見た人を困惑させていると話題になっている。IGNなど複数のメディアが報じている。
今回取り沙汰されているのは「Guitar Hero Mobile」「Call of Duty: Zombie Defender」「Call of Duty: Sniper」「Crash Bandicoot Brawl」という4つの架空ゲームの広告である。これらのゲームは実際には存在しておらず、広告に使われている画像はAIによって生成されたものだと指摘するコメントが多く寄せられている。実際に画像をよく見ると、「Guitar Hero Mobile」の画像ではギターとアンプを接続するはずのシールドがどこにも繋がっていない。また「Call of Duty: Sniper」の画像では街並みのような部分が不鮮明で、遠くには細い塔が密集して並び立っている。こうした種々の状況を鑑みて、「生成AIによって作られた画像を、加筆修正せずそのまま使っているのではないか」との疑いがかけられたわけだ。


Activisionがこのような広告を出した目的は、アンケート調査のためのようだ。Redditユーザーのgaber_rego氏はInstagramで「Guitar Hero Mobile」の広告に遭遇し、半信半疑でクリックしてみたところ、興味関心を調査するアンケートに誘導されたと語っている。
広告に対しては多くのコメントが生成AI利用を指摘しており、困惑が広がっている様子だ。中にはリンクにはダウンロードと書いてあり、実際にゲームが存在するかのような見せ方に不満をあらわにする声も見られた。上述した広告のなかには長らく続編が待ち望まれているシリーズ作品もあり、ぬか喜びさせられたといった意見だろう。とはいえ、gaber_rego氏のようにきちんとアンケートに回答しているケースもあるため、調査目的という点では一定の成果を上げている可能性もある。
なお今回話題となった「存在しないゲーム」の他にも、現在実際にActivisionより展開されているゲームに生成AIが用いられていることも明かされている。たとえば『Call of Duty:Black Ops 6』については、2024年12月に同ゲーム内の報酬として「6本指のサンタ」のローディング画面を配布したことをきっかけに生成AIを使っていると噂されるようになり、翌2025年2月には同作のSteamストアページに生成AIツールを使用している旨が明記されるに至っている。

今回の広告の画像も、Activisionが保有する著作物をAIに学習させて生成したものとみられており、さまざまな方面にAIを活用する同社の方針もうかがえる。ただ今回のイラストには先述したように不自然な部分もあり、新作向けに描き下ろされたわけではなくあくまで広告・アンケート向けに用いられているだけなのだろう。いずれにせよ、根強い人気作の新作のダウンロードのように見せかけた「存在しないゲーム」の広告は、物議も醸しているようだ。それぞれのシリーズ作品で、今後本物の新作が展開されるかどうかも注目されるところだろう。