国内の個人デベロッパー727 Not Houndは11月15日、『クビトリドオルズ・レトリーバー: 島津怪談01』の体験版をSteamにて公開した。同作はPC(Steam)向けに、2025年1月リリース予定。体験版ではチュートリアルを含めて6ミッションがプレイできる。
『クビトリドオルズ・レトリーバー: 島津怪談01』は、怪異の巣から少女の首と身体を取り戻す、マルチプレイ対応の調査・奪還ホラーゲームである。本作に登場する怪異「クビトリドオルズ」は、国際指定怪談の一つだ。マネキンのような外見の彼らは、意志をもっているように動いて人を襲う。クビトリドオルズの起源と関わりがあるのか、彼らは18歳以下の女性を狙って、巣に持ち帰っているのだという。またさらわれた被害者は首を切断される。身体はマネキンのように飾られ、頭はクビトリドオルズが装着する。クビトリドオルズは、少女をさらって首を奪い自らに供える、マネキンの怪異なのだ。
本作の登場人物である少女・朝顔は、友人をクビトリドオルズに殺されていた。2024年の夏の終わり、彼女はクビトリドオルズに殺された人間を蘇生できる可能性があると知る。開けてはいけない、けれどいつか開けなくてはならないドアを開き、すべての発端となる物語が描かれるという。
プレイヤーはクビトリドオルズの巣であるクビトリ団地へ潜入し、さらわれた子供を救う業務に挑む。クビトリ団地には、救出対象である少女の首と身体が存在している。ただしクビトリ団地内には、クビトリドオルズが徘徊しており、プレイヤーに襲いかかってくる。首と身体についても、業務開始時点では団地のどの部屋にあるのかわからない。そこでまずプレイヤーたちは、危険を回避しながら団地内を探索。クビトリドオルズの装着している少女の頭部と、身体を見つけ出すのだ。
また頭と身体を見つけたあとには、情報を調べて頭部を本人の身体へ戻す。クビトリ団地内には、複数の身体が存在しており、どれが救出対象の身体か判別できないためだ。推理パートにおいては、アイテムを使って身体の血液型や死亡推定時刻を調査。事前の情報と獲得した情報を照らしあわせて、組み合わせを推理する。頭と身体を繋げたあと、カメラで捉えた霊も身体に戻せば、業務はほぼ終了だ。怪異の巣である団地に潜入し、探索と推理によって少女を救い出す、恐怖とルールに立ち向かうゲームプレイが繰り広げられる。
今回公開された体験版では、チュートリアル相当のものを含めて、6種類のミッションがプレイ可能。救出対象の数や団地の部屋数が異なるなど、難易度の異なるミッションで本作の基本的なゲームプレイや世界観が確認できる。マルチプレイに対応しているが、もちろん1人でもプレイ可能だ。
また本作では選んだ支給チケットによって、業務開始時に所持している初期装備が変化する。製品版では、ミッションプレイ後にランダムな支給チケットが獲得可能。支給チケットによって自分なりの遊び方を追求したり、支給チケットの縛りでリスクを負ってリターンを得たりなど、遊びの幅が広がるそうだ。製品版の要素としては、体験版には登場していない敵やさまざまな呪文、シングルプレイ用のストーリーも用意されているという。
本作は、国内の個人開発者・座間氏による727 Not Houndが手がけている。過去作としては、デッキ構築型ホラーゲーム『Photogenic Minds : Identity』やローグライトサバイバルホラー『人形限界』などをリリース。2024年6月にリリースされた『Exorcist: Reviewer of Minds』では記事執筆時点で、Steamのユーザーレビュー40件中97%の好評を獲得している。怪異などが存在する不気味な世界を背景に、独自のルールを攻略するゲームプレイの作品を多数制作してきた。
本作は2024年3月頃に、座間氏による727 Not Houndとゲーム実況者の島津の鉄砲兵さんのコラボブランド「島津怪談」のタイトルとして発表。座間氏がゲームデザインおよび開発、島津の鉄砲兵さんが原案および監修、中村修人氏が音楽、 IT’SME氏がロゴデザインを手がけるる形で制作が進められてきた。また本作は727 Not Houndにとって、初のマルチプレイ対応タイトルとなっている。
『クビトリドオルズ・レトリーバー: 島津怪談01』はPC(Steam)向けに、2025年1月リリース予定。価格は800円予定とされている。また体験版は、本作のSteamストアページ内にて無料公開中だ。