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リアルサッカー監督シム『Football Manager』シリーズは、「5000時間以上」プレイしてもやめられない。新作が出る今、初心者を道連れにする
シリーズを5000時間以上プレイしてきた筆者が、『Football Manager 27』に初心者を引きずり込みたい。

サッカーの試合を観戦しているときに、「自分が監督ならば」と思うことはないだろうか。筆者はしばしばある。そうしたサッカー好きの夢を叶えてくれるようなシミュレーションゲームとして、『Football Manager』シリーズは長年にわたって展開されてきた。当該シリーズ最新作の『Football Manager 27』は11月11日に発売予定となっている。
そんな『Football Manager 27』の予約購入者がプレイできるイベントとして、ローンチプレビューが開催中だ。ローンチプレビューのセーブデータは製品版に引き継ぐことも可能という大盤振る舞いとなっている(関連記事)。筆者は、そんなローンチプレビューの前に本作を先行してプレイする機会を得た。本稿ではシリーズ作品を5000時間以上プレイしてきた筆者が、『Football Manager』シリーズそのものの魅力と新作『Football Manager 27』ならではの特徴を4つのポイントで紹介したい。

1.選手データの圧倒的な質の高さと突き抜けたリアリティ
『Football Manager』シリーズは、サッカーを題材にしたリアル志向のシミュレーションゲームだ。セガのSports Interactiveは世界中に1600人からなるスカウトのネットワークを構築しており、実在する選手の能力を詳細に評価している。綿密に調べ上げた選手やクラブをもとにゲームで世界各国のリーグを再現しており、そのリアリティの高さは群を抜いて優れているというほかない。過去作においては、日本の高校のサッカー部に所属するアマチュア選手までもが実名で登場したこともあった(関連記事)。
質の高い『Football Manager』のデータは現実にも有用で、Sports Interactiveとスポーツパフォーマンス分析会社が提携することで実在するクラブの戦略にも活用されているらしい。『Football Manager』のプレイ経験がきっかけで監督になったと語るウィリアム・スティルのように、ゲームと現実が密接につながる事例も近年出てきた。もはや『Football Manager』シリーズは、ゲームの枠組みを超えてサッカーの世界における便利なツールのひとつとしての立場を築き上げている。リアル志向のサッカーゲームとして、最高峰といっても差し支えないだろう。2026年はワールドカップが開催されたこともあり、同大会で名を挙げた選手たちによるクラブ移籍が数多く成立した。オフシーズンで成立した移籍活動も反映した最新データをもとに、プレイヤー独自の箱庭世界で新たなシーズンが進行していく。


データの質の高さも優れているが、プレイヤーが監督に就任可能なクラブも膨大な数となっている。サッカー好きによく知られているヨーロッパ各国の主要リーグは網羅しているほか、イングランドのリーグに至っては実質的に6部に相当するナショナルリーグ・ノースとナショナルリーグ・サウスまでもがプレイアブルとなっている。シリーズは2023年に発売された『Football Manager 2024』から日本語に対応およびJリーグのクラブにも就任可能になった。最新作の『Football Manager 27』でも引き続きJリーグが登場し、日本のサッカー好きにもとってお気に入りのクラブの指揮を取る体験ができるようになっている。
クラブチームだけでなく、代表チームの監督になることができるのも『Football Manager 27』の特徴的なところだ。代表チームといえば、ワールドカップ史上最大の全104試合が実施されたFIFAワールドカップ2026の盛り上がりが記憶に新しい。2026年大会において、オンライン配信を担当したDAZN(ダゾーン)の視聴データでは大会全体の総視聴数が4億5000万を超えた。前作『Football Manager 26』で大型アップデートとして導入された代表監督モードが『Football Manager 27』では当初から実装されており、ワールドカップでサッカーへ情熱を掻き立てられたプレイヤーにもおすすめできるタイトルだ。記事執筆時点で日本代表を率いることはできなかったが、スペインやアルゼンチンなど世界各国の代表監督に就任することが可能だった。代表監督モードでワールドカップに思いを馳せていると、クラブチームを率いたくなってくるかもしれない。複数のクラブから選手を代表にセレクトする代表チームの監督と、本拠地でファンからの期待に応えていくクラブチームの監督では求められる能力も変わってくる。


やや現実離れしているが、クラブチームと代表チームの監督を兼任することも可能だ。プレイヤーが率いるチームの規模に見合った目標が設定されており、その実現に向けたプレイヤーの手腕が問われる。国内リーグと大陸大会の両方で優勝を目指して戦うクラブを率いながら、ヨーロッパや世界でナンバーワンの栄誉を狙う代表チームを指揮することもできたりとサッカー漬けの日々を送ることも可能。『Football Manager』シリーズは、ありとあらゆる立場のサッカー監督としてのキャリアを体験できるゲームでもあるのだ。
しかし、監督とは華々しく栄光に包まれているかのように見える存在でありながらも、どこまでいっても孤独だ。自分の責任と向き合って、スタッフを信じて共に目標に向けて邁進する仕事を体験することになる。現実のサッカー監督はさぞ胸が痛くなると思うが、本作はゲームといえどもそんなマネジメント職のつらさも生々しく再現されているように思う。そして筆者は、そうした苦労を乗り越えた達成感こそ、『Football Manager』シリーズで味わえる最大の魅力だと考えている。監督としての孤独さと達成感の両方を経験できる

2.全権監督としての広い裁量権
本作にてプレイヤーは、クラブのすべてを取りまとめる「全権監督」として招聘される。プレイヤーが関わる仕事は、リーグ戦やカップ戦における采配に限らない。試合を実戦とするならば、選手たちのトレーニングメニューの決定や移籍市場での立ち回りなどは目標達成に向けた過程となる仕事だ。これらの一切合切に携わる監督の仕事の細かさは『Football Manager』シリーズの特筆するべきところであり、さらには記者会見の出席や新加入選手の紹介といった広報のような仕事も含まれている。プレイヤーに広範な裁量権が認められていることと、プレッシャーに耐え抜いて目標を達成したときの全能感こそが筆者が本シリーズを遊び続けている理由だ。
とはいえ、監督には“膨大な仕事が待ち受けている”という点ばかり伝えると、『Football Manager』シリーズに興味をもっていたとしても、可処分時間の限られる現代において手を出すことに躊躇してしまう人もいるかもしれない。もちろん気楽でサクサクと遊べるゲームとまでとはいえないが、『Football Manager』シリーズでは監督業をゲームとして割り切って進めていけるように着実に改善されてきたこともシリーズの特色として伝えておきたい。
そんな『Football Manager』シリーズにおけるゲームとしての快適性を担保する機能のひとつが、監督から特定の業務をスタッフに委任することができる点だ。たとえば、選手たちのトレーニングメニューの計画は真面目に取り組めばかなりの労力が必要となるが、アシスタントマネージャーに委任すればプレイヤーは公式戦に集中できる。シーズン前に行う親善試合はリーグ開幕に向けて選手のコンディション調整に必要不可欠ではあるものの、対戦相手を探してスケジュールを組むのも結構大変だ。親善試合の計画や指揮をアシスタントマネージャーに委任することで、プレイヤーは開幕直前の移籍市場でクラブに必要な選手獲得に全力で臨むことができるようになる。


自分がすべての職務を全うする文字通りの全権監督としてのプレイスタイルもいいが、アシスタントマネージャーをはじめとしたスタッフに委任しながら進めていくプレイスタイルも悪くない。『Football Manager』シリーズは監督であるプレイヤーにすべての仕事を押し付けるのではなく、プレイヤーの得意なことや苦手なことがあることを念頭にして無理にすべてプレイヤーが担当せずとも監督の職責を全うすることができるようにしてくれているのだ。現実のサッカークラブにセットプレイ専門のコーチが登場してきたのと同じように、クラブの練習を含めたマネジメントも監督とスタッフが共同で行っていくのが近年のスタイルだ。そういう意味では、リアリティを担保しつつ監督としてのプレイ体験ができるようになっている。
しかし、スタッフに任せたとしてもその責任は監督が負うものだ。優勝を目標に掲げているクラブの成績が悪ければ監督を解任されるおそれもある。『Football Manager』シリーズでは選手だけでなくスタッフの能力も数値化されているため、仕事を委任する場合でも監督は人を見抜く能力が問われていると言い換えてもいい。権利があるところに責任が伴うのは当然のことであり、その責任を果たそうとプレイヤーも力を尽くしていく。与えられた予算や権限のなかで試行錯誤を繰り返し、目標を達成したときにカタルシスを得られるのだ。スタッフに委任して業務を分担していると、自分だけでなくスタッフと一緒に勝ち取った栄冠のような気持ちになってくる。スタッフの適材適所を見抜いて、各種業務を最適化して勝ち取った栄冠にはシミュレーションゲームならではの味わいがある。選手だけでなく、スタッフとの共闘感まで得られるサッカーゲームはそうそうない。


3.試行錯誤と最適化で勝ち取る栄光の達成感
上述した圧倒的に高いリアリティのある箱庭世界で、全権監督としての達成感を味わうことが『Football Manager』シリーズの最大の魅力といえる。ここからは、今回の先行プレイで就任したイングランドのアーセナルFCで、シリーズの魅力が健在であるかを確認していくとしよう。アーセナルFCを選んだ理由は、2025-26シーズンのイングランド王者であるからだ。22年ぶりにイングランドのプレミアリーグを制したアーセナルの姿は、筆者の胸を熱くさせた。それでも、まだアーセナルFCには改善の予定がある。筆者のアイデアを活かして、クラブ史上初のヨーロッパ王者になるのが今回の個人的な目標だ。
監督にはなによりもタイトル獲得といった結果を求められるが、そのクラブの文化に寄り添うことも必要となってくる。たとえば、イングランドのアーセナルFCは攻撃的で娯楽性に富んだサッカーが親しまれる文化がクラブに根付いていた。全権監督としての権限は絶大なものがあるが、個人がクラブの歴史を上回るものではない。1886年に設立されたアーセナルFCの歴史があったからこそ、2025-26シーズンのイングランド王者として現在も存在するのだ。そうしたサポーターやクラブの要請に応えながら目標を達成していくところに、監督としての手腕が問われる。一見難しいことを最適化して栄光というべき結果を勝ち取り、クラブの伝統を守る。これができる監督こそ、筆者の理想だ。


攻撃的で娯楽性に富んだサッカーを展開しながら、プレミアリーグやヨーロッパ大会のチャンピオンズリーグで好成績を収めるために必要な選手は誰だろうか。アーセナルFCの場合は、世界的な左ウイング(AML)の獲得が急務であると筆者は考えた。2025-26シーズンに所属していたガブリエウ・マルティネッリとレアンドロ・トロサールがクラブを去り、フリストス・ツォリスを補強したが、世界最高峰の選手たちと比べればまだ実績の面で心許ない。世界的な左ウイングと評価されるヴィニシウス・ジュニオールを獲得できなかったのは、アーセナルFCとしては残念だったように思う。
クラブの文化を満たしつつ、好成績を収めるために活躍してくれる世界的な左ウイングを獲得することが今回のアーセナルFCでの筆者の初めての仕事だった。チームの補強時にはさまざまな考え方があるだろうが、筆者はチームの戦術から逆算していく。筆者の考えているフォーメーションは1トップの下に3人の攻撃的ミッドフィールダーを並べるものだ。こちらがボールを保持しているときは、左ウイングの選手にはペナルティエリアに積極的に侵入してゴール奪取に絡んでほしい。高いドリブル能力やゴールへの道をこじ開けるテクニックに長けていないと役割を全うできない難しいポジションだ。自分の戦術にピタリとハマるであろう選手を探し求めて、ジャマル・ムシアラに目星をつけた。移籍金197億円は決して安い金額ではなかったが、アーセナルFCをより強くするのに必須の戦力だと思ったので獲得に迷いはない。
ムシアラのスタメン起用は、筆者の指揮するアーセナルFCにフィットした。左サイドで攻撃の起点になってくれるし、ゴールに果敢に切り込んで得点機会を増やしてくれる。中央の攻撃的ミッドフィールダーのポジション適正もあったため、マルティン・ウーデゴールが疲れているときは休息を与え、そちらのポジションでムシアラを起用できたこともクラブ全体で選手をうまくローテーションできたことにつながった。今回の先行プレイにおける筆者の最高の仕事は、ムシアラを高騰する前に獲得して、アーセナルFCでレギュラーポジションを与えたことであるとすら思う。限られた環境や予算のなかで最適だったと思える働きができたときの喜び。マニアックかもしれないが、これぞ『Football Manager』の醍醐味だ。


4.優勝争い佳境の終盤はやめどきのない悪魔的なおもしろさ
シーズンの佳境に入ってくると、『Football Manager 27』のプレイを中断するタイミングが見極めづらくなってくる。冬移籍市場の開幕やチャンピオンズリーグといったカップ戦の決勝トーナメント進出、そして王者を決めるために大詰めを迎えるリーグ戦。気づけば時間は溶けている。可処分時間の限られた現代人にとっては恐るべき没入感の高さがあるのも『Football Manager』シリーズの大きな特徴だ。
今回のアーセナルFCで先行プレイした際にも、終盤には怒涛のビッグマッチが控えていた。ただでさえ強豪の集うプレミアリーグの試合は強敵と戦うことが多いのに、世界最古のカップ戦として誉れ高いFAカップも優勝に向けて進行していく。さらに、ヨーロッパ王者を決めるUEFAチャンピオンズリーグも佳境に差し掛かってくるから、ついもう1ターンだけとプレイをし続けてしまいたくなる悪魔的なおもしろさがシーズン終盤には存在するのだ。


ムシアラを中心に快進撃を続けるアーセナルは、リーグ優勝とすべてのカップ戦で優勝を狙えるというクラブ史上前代未聞の戦いを続けていた。こうなったらすべてのタイトルをとって、2026-27シーズンの王者は名実ともにアーセナルFCであったことを証明したい。リーグ戦はライバルクラブに完勝して2連覇を達成した。国内カップ戦は下剋上を狙う中堅クラブを寄せ付けずに、国内最強であることを高らかに宣言。そして、ヨーロッパ最強のクラブチームを決めるチャンピオンズリーグ決勝では、死闘を乗り越えてアーセナルFCが王者に輝いた。驚異の7冠を達成したすばらしいシーズンとなった。
7冠はできすぎかもしれないが、アーセナルFCはヨーロッパに覇を唱えてもおかしくない強豪クラブだ。現実では惜しくもそうはならなかったが、『Football Manager 27』でヨーロッパ王者になり最強となったアーセナルFCの選手たちがトロフィーを掲げる姿を見たときは筆者も感動してしまった。筆者が指揮を取ったのは1シーズンだけだが、マルティン・ウーデゴールを初めとしたリーダー格の選手たちが、現実のスタジアムでタイトル獲得にあと一歩およばなかった姿を知っているからだ。強豪ひしめくアーセナルをヨーロッパ王者に導くプレッシャーはかなりあったが、優勝できたときは現実の彼らの無念を晴らすことができたと誇らしい気持ちになった。彼らをチャンピオンクラブのメンバーにすることができただけでも、監督冥利に尽きる。


極めてリアルな箱庭世界で自分だけのサッカー監督物語を
4つのポイントから『Football Manager 27』を振り返ってみると、本作には自分だけの歴史が築き上げられていくというシミュレーションゲームの本質的な魅力が凝縮されているように思う。質の高い膨大なデータが用いられた『Football Manager 27』は現実のサッカーを忠実に再現したプレイヤーだけの箱庭であり、プレイヤーの選択によってどのようにも変化していく可能性に満ちた世界だ。プレイし始めた当初こそ現実の世界の再現にすぎないかもしれないが、若手が成長したり、架空生成選手が活躍するようになると現実をもとにした「if」の世界が花開いていく。
過去作において筆者は現役選手が全員いなくなるまで作中時間で数十年間にわたってプレイした経験もあるが、そこで起用した架空選手のなかにはいまでも覚えている者も存在する。たとえば、20試合に出場すれば20得点を決めるのに、あまりに怪我をしがちで年間30試合に出場することはできなかった選手がいる。怪我さえなければ、世界最優秀選手を示すバロンドールを複数回獲得してもおかしくなかった。その架空選手が実在するわけではないので変な話だが、私は彼が親しい友人のようにいまも元気にしているのかと思いを馳せることもあるほど愛着を持っている。その思い出はいまでも筆者の心を温めてくれるし、『Football Manager』の世界でサッカーの美しさと切なさを教えてくれるもう1つの現実であるといっても過言ではない。
サッカーは、正解はないとよく言われながら、試行錯誤を繰り返して進歩してきた。そこには数多くの物語が存在し、語られなかった進化の可能性もあったかもしれない。『Football Manager 27』は極めて精緻なデータとリアリティをプレイヤーに提供することによって、プレイヤー独自の世界でサッカーをとことん追求することができるようになっている。サッカーやシミュレーションゲームが好きな人にとって、『Football Manager 27』は自分だけの世界を歩く懐の広いサッカーゲームだ。サッカーを題材にしたシミュレーションゲームに少しでも興味がある場合は、無料でプレイ可能なローンチプレビューでぜひ体験してみてほしい。
『Football Manager 27』は、PC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoft Store)/Mac向けに11月11日に発売予定。ローンチプレビュー開催にあわせて予約受付が始まっており、予約期間中は10%オフの7191円(税込)で購入できる。また、PS5/XBOX Series X|S向けに『Football Manager 27 Console』が発売予定となっているほか、Apple Arcade加入者限定で『Football Manager 27 Touch』、iOS/Android向けにはNetflix加入者限定で『Football Manager 27 Mobile』が配信される予定となっている。
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