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『VRChat』公式、クリエイターのAI利用について声明発表。ワールドの粗製濫造や、サムネイル詐欺への懸念を受けて
VRChat社はソーシャルプラットフォーム『VRChat』におけるAIの利用について、同社見解および今後の対応を発表した。なおユーザー意見を募るアンケートも本日より実施中だ。

VRChat社は10月7日、同社が提供するソーシャルプラットフォーム『VRChat』におけるAIの利用について、同社としての今の考えや今後の取り組みを公表した。
『VRChat』は、ワールドと呼ばれる仮想空間にて、世界中のユーザー同士が自身のアバターを通じて交流できるソーシャルプラットフォームだ。Steam/Viveport/Meta Quest/Pico/iOS/Android向けに基本プレイ無料にて提供されており、VRデバイスがなくても利用可能。

『VRChat』には、クリエイターとしてオリジナルのワールドやアバターを制作・共有できる仕組みが存在し、ユーザーは公開されたワールドから選択して入室できる。そんなクリエイターのコミュニティの一部では、VRChat社に生成AIに対する立場を明確にするよう求める運動が、最近になって起こっていた。
きっかけのひとつとなったのは、クリエイターのB1G氏のSNSへの投稿だ。同氏は、AI生成コンテンツが『VRChat』のプラットフォームおよびユーザーにとって弊害になっていると主張し、VRChat社に対応を求めた。またクリエイターのPatroll氏もこれに賛同し、状況に変化が見られるまで、『VRChat』の翻訳やWikiのメンテナンスなどへの参加を停止すると表明し、ともに大きな注目を集めた。
背景には、生成AIによるワールドの粗製濫造や、いわゆるサムネイル詐欺(AI生成されたサムネイル画像と、実際のワールドの内容・品質が一致しない)の増加への懸念・不満があるようだ。その後両氏らに賛同するクリエイターらが、自らのワールドのサムネイル画像に「NO AI」という共通のバナーを付けて公開する流れが生まれることとなった。この運動に関する『VRChat』内のグループには、現時点で6000名以上が参加しているという。
こうした運動の盛り上がりを受けてか、VRChat社は本日10月7日になって「皆さんからのフィードバックは、しっかり届いています」とコメント。そして、『VRChat』におけるAIの利用についての、同社としての今の考えや今後の取り組みを公表した。
まず実施済みの対応として、同社はクリエイターガイドラインを更新し、実際のワールドの内容と異なるサムネイル画像を使用することを禁止した。また、ワールドの名称やタグ、説明文などについても、誤解を招くような表現を使うべきではないと釘を刺している。なお、生成AIを念頭に置いた更新ではあるが、生成AIの利用の有無にかかわらずこの規定が適用される。

『VRChat』におけるAIの利用については、複雑なテーマであり、チーム内でもまだ議論が続いているとコメント。その上で、いくつかの分野に分けて同社としての考えを示している(上の画像)。翻訳や文法チェック、コーディング支援、自分用のツール作成など、自らの作品作りを支援するツールとしての利用は、同社としては問題ないと考えているそうだ。一方で、ワールド全体やアセットの生成などでの利用については、まだ議論中とのこと。
課題としては、粗製乱造によって高品質なワールドが埋もれてしまう問題があるという。そこで同社は今後の取り組みとして、クオリティの高いものを評価しつつ粗製乱造コンテンツの表示順位を下げ、ユーザーが価値を感じる高品質なワールドが評価されるよう、ワールドを見つける仕組みを改善していくと表明。また、ワールドなどのコンテンツに簡単なフィードバックを送れる仕組みも計画しているそうだ。
一方で、「AI」タグの追加やフィルター機能に関しては、それによってもたらされるトレードオフについて慎重に見極めるとしている。コンテンツに「AI」のタグを付けることにはメリットもあるが、どの程度のAI利用からタグ付けを必須とするのか、線引きが難しいとのこと。また、タグを用意しても、利用するのは誠実なクリエイターだけだとした上で、AI生成コンテンツを見分けることが日を追うごとに難しくなってきている状況にも触れている。
そして同社はユーザーアンケートを実施し、今回の発表についてや、『VRChat』におけるAIコンテンツの線引きについて意見を求めた。日本語にも対応しており、回答の受付期間は本日10月7日から7日間となっている。終了後には、同社が内容を確認した上で、結果がコミュニティに共有されるそうだ。
また今後数週間のうちに、コンテンツの発見しやすさに関する試験的な施策を、いくつか実施する予定だという。同社は、進捗状況と今後の計画については6週間後に公表するとしている。
『VRChat』は、Steam/Viveport/Meta Quest/Pico/iOS/Android向けに基本プレイ無料にて提供中だ。
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