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漫画「おやすみプンプン」着想の不条理ホラー『いい子は、お祈りを捧げる』10月16日配信へ。「どこを歩くか」でシナリオ分岐、“人が卵に見える男”の悲痛な一日
Denis Morozov氏は9月30日、Milha Vek氏と共同制作する『いい子は、お祈りを捧げる』を10月16日に配信開始すると発表した。

個人ゲーム開発者のDenis Morozov氏は9月30日、Milha Vek氏と共同制作する『Good Children Say Grace(いい子は、お祈りを捧げる)』を10月16日に配信開始すると発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、ゲーム内は日本語表示および日本語音声に対応予定だ。
『いい子は、お祈りを捧げる』は、1980年代の東欧にある孤島を舞台とする、サイコロジカルホラーアドベンチャーだ。物語では「マーティン」と「アメリア」のある一日が描かれる。マーティンは恋人が失踪して以来、一睡もできない日々を過ごしている。さらに両親は、自分の家に火をつけたというマーティンと同年代の孤児を引き取っており、彼の日常は崩れつつある。そしてマーティンの目には、ついには何もかもが“卵”に見えるようになってしまう。

本作では、一人称視点で3D空間を探索するパートと、2.5D形式で描かれる場面などを行き来しながら物語を進めていく。特徴となるのは、会話で何を答えるかだけでなく「どこを歩くか」も選択として扱われる点だ。進む場所によって遭遇する場面が変わる仕組みとなっており、会話での選択とあわせて、最終的には15種類以上のエンディングへ分岐するという。ストアページではプレイ時間は最大3時間ほどとされており、異なる道を選びながら複数の展開を確かめていく構成となるようだ。

物語の中心となるのは家族や愛、喪失、依存、孤独といった題材だ。当初は悪魔をめぐるミステリーとして構想されていたものの、その後シナリオを大幅に書き直し、悲しみや大切な人を失うことへ物語の軸を移したという。開発者のDenis Morozov氏によれば、マーティンは恋人の失踪に苦しむなか、周囲の誰も何もしようとしない状況で次第に壊れていくとのこと。また本作には、暴力や死、機能不全家族、貧困、精神的な支配、心的トラウマなどの題材も含まれる。

ビジュアル面では、漫画的な表現が強く取り入れられている。3Dモデルや背景には網掛けのような細かな斜線が重ねられ、白と黒の世界に赤やピンクが差し込むデザインとなっている。また、キャラクターごとに感情や性格を表す独自の“目”が設定されているという。なお、ビジュアルの着想元として、浅野いにお氏の漫画「おやすみプンプン」や、久米田康治氏の漫画「さよなら絶望先生」などが挙げられている。

本作は日本向けの展開にも力が入れられている。Morozov氏が2月に公開したアナウンストレイラーは日本で大きな反響を集め、国内メディアによるX上の関連投稿は合計127万回を超える表示を記録。浅野いにお氏本人からもリポストされた。こうした日本での反響を受け、Morozov氏は日本語フルボイス化を最優先すると表明した。
現在は音楽レーベル兼アーティストエージェンシーのScarlet Moon Productionsとの提携を通じて、日本語音声を担当するキャストも参加。アニメ「serial experiments lain」で岩倉玲音役などを務めた、声優の清水香里さんが主人公の日本語ボイスと一部ナレーションを担当する。また、「竈門炭治郎のうた」や『ニーア』シリーズなどに参加した中川奈美さんがボーカルを担当。『メタルギアソリッド2』『メタルギアソリッド3』でリードコンポーザーを務めた日比野則彦さんが、ボイスディレクションを手がけている。

本作の開発を手がけるDenis Morozov氏は、カナダを拠点とする個人ゲーム開発者だ。ゲーム自体の開発を一人で進めつつ、物語については作家Milha Vek氏と共同執筆。また、『メトロ』シリーズに携わった元開発者も制作をサポートしているという。
開発は自己資金で続けられており、順調な道のりばかりではなかったようだ。今年夏にはMorozov氏が深刻な燃え尽き症候群に陥り、一時的に開発から離れていたことも明かされている。また、当初は8月の発売を目指していたものの、その後は資金が尽き、生活のために別の仕事を請け負う必要も生じたという。さらに、過去にはパブリッシャーとの交渉もおこなわれていたが、「売るのが難しすぎる」として直前に断られたことも明かされている。それでも開発は継続され、今回ついに10月16日の発売日が決定したかたちだ。何気なく歩いた道や選んだ言葉が、思わぬ展開へつながる本作。気になる方は、配信中のデモ版から触れてみてはいかがだろうか。
『いい子は、お祈りを捧げる』はPC(Steam)向けに10月16日配信予定。価格は6.99ドルで、Steam独自の価格変換にのっとれば、1100円となる見込みだ。発売時には10%オフのリリース記念セールが実施される。現在はデモ版が配信中。
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