Steamのある放置MMORPGで「重課金者のBAN処分」きっかけにレビュー爆撃が発生し、泥沼化。開発者が“Valveは助けてくれない”と不満こぼす
chezeは『Milky Way Idle』Steam版において発生したという“レビュー爆撃”について言及。Steamを運営するValveからのサポートの欠如を訴え、大きな反響を呼んでいる。

デベロッパーのchezeは3月27日、自らの作品のPC(Steam)版において発生したという“レビュー爆撃”について、Steamを運営するValveからのサポートの欠如を訴えた。Redditへのこの投稿は大きな反響を呼んでいる。
その作品は、基本プレイ無料の放置型MMORPG『Milky Way Idle』だ。ブラウザゲームとして始まり、2025年3月にSteamでも展開されることとなった。資源収集や装備クラフト、バトルなどを放置でプレイしつつ、ギルドに参加してほかのプレイヤーとパーティーを組んだり、アイテムを取引したりなどして楽しめる。

『Milky Way Idle』のPC(Steam)版は現在早期アクセス配信中で、アップデートを重ねながら運営が続けられている。その評価について、リリース当時はSteamのユーザーレビューにて「非常に好評」ステータスを獲得するほどの人気であったが(関連記事)、現時点では約2200件のうち45%が好評とする「賛否両論」ステータスとなっている。
開発元chezeが主張するところによると、レビュー爆撃が評価下落の背景のひとつにあるという。レビュー爆撃とは、短期間に大量のレビューを投稿することで、特定タイトルのレビュースコアを意図的に操作する行為のこと。不評レビュー投稿によって評価が下げられる事例が多いが、逆のパターンが発生することもある。
同スタジオによると、本作では2025年6月頃から2〜3か月にかけて、中国人プレイヤーによる大規模かつ組織的なレビュー爆撃とハラスメント運動が発生したとのこと。レビューのグラフを確認すると、確かに当時好評レビューを遥かに上回る数の不評レビューが投じられており、そのほとんどが中国語によるものである。

この2025年6月頃のレビュー爆撃のきっかけについて開発元は、テストサーバーにて実施した本作の変更点をめぐり、開発者個人を繰り返し誹謗中傷する中国人プレイヤーをBAN処分にしたことにあると説明。そのプレイヤーが本作の重課金者、いわゆるWhale(クジラ)であったことから、中国人コミュニティを巻き込む騒動に発展したという。開発元いわく、中国ではWhaleは神扱いされ、その多少の暴言は容認されるべきという文化があり、BAN処分は不当だと訴えられるに至ったとのこと。
そうした抗議の声の中には、開発者の侮辱や中傷、殺害予告も含まれ、英語専用のグローバルチャットでも展開。モデレーターがスパム行為だとして、そうした投稿者をミュートしたところ、「中国語を話しただけでミュートされた、人種差別だ」といった批判が巻き起こり、Steamの不評レビュー投稿も加速していったそうだ。また開発元は、そうしたレビュアーの半数以上は本作をほとんどプレイしていないとも指摘している。
中国語ユーザーの不評レビューの内容に照らすと、レビュー爆撃発生の経緯に関して、大枠の流れとしては概ねそのとおりだった模様。きっかけとなった重課金者はyixiaoというユーザーとのこと。ただし、yixiaoはあくまで本作の調整内容について意見を述べただけであり、開発者を誹謗中傷したわけではなかったとの擁護が見られ、この点は開発元の主張とは見解が異なる。またチャットでのミュート処分の件についても、まさに中国語を話しただけでミュートされたとの認識が広まっているようだ。

ともあれ開発元は、Steamを運営するValveにレビュー爆撃への対応を求めたという。ただ、報告したレビューの一部は削除されたものの、ほとんどは正当な批評だと判断され削除されなかったそうだ。同スタジオは、明らかに悪質なレビューはまだ100件以上残っていると主張している。
また開発元は、集団的なハラスメント行為の被害者に対して、誹謗中傷などの言葉を含む何千ものレビューを読ませ、ひとつひとつ報告させるValveの対応について共感性に欠けているとコメント。さらに、同社はSteamを通じて開発者から莫大な利益を上げているにもかかわらず、サポートチームの対応は遅く、レビュー爆撃の状況を確認すらしないと指摘。そうした状況は、レビュー爆撃発生から9か月経った現在も変わらないと不満を述べた。

開発元のこのReddit(r/gamedev・r/pcgaming)への投稿は、現時点であわせて約3800件の賛成票および800件以上のコメントが投じられるほど大きな反響を呼ぶことに。寄せられたコメントの中では、自作品を中国語に対応させることは大きな利益につながる一方で、今回のようなレビュー爆撃のリスクもあるとし、Valveに対策を求める声が聞かれる。また、BAN処分は状況によっては火に油を注ぐことになるため、慎重に判断すべきだという開発者目線の意見もある。
なお、本作『Milky Way Idle』のユーザーレビューについて、英語での投稿に絞った場合でも、約690件のうち59%が好評とする「賛否両論」ステータスとなっている。開発元は、そこにはレビュー爆撃時の中国人プレイヤーによる投稿が100件以上含まれていると主張しているが、本作は必ずしもレビュー爆撃によってのみ評価を下げているわけではない様子。もっとも、開発元はゲーム内容に関する批判は受け止めるとしている。
また同スタジオは、中国人プレイヤーのほとんどは本作をさまざまな面でサポートしてくれており、問題を起こしているのは一部であって、本件を受けて中国人プレイヤー全体を否定的に捉えることは望まないとコメント。あくまで、開発者を守るためのSteamのシステム上の欠陥を指摘したかったのだと説明した。
本作におけるレビュー爆撃に関しては、先述したように開発元と中国人プレイヤー側とで意見が対立している部分があり、Valveの対応に不備があったのかどうか判断しにくい部分もある。ただ、Redditでは大きな議論に発展しており、開発者やゲーマーが関心を寄せていたトピックだったことには違いないようだ。
『Milky Way Idle』は、PC(Steam)向けに早期アクセス配信中だ。公式サイトではブラウザ版も提供されている。
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