Steamにてタイトルに「Hidden」「Cats」を含むゲームが次々改名迫られる事態に。“権利侵害主張”を振りかざす「Hidden Cats」商標保有スタジオに批判相次ぐ
「Hidden Cats」の商標権侵害によって、タイトル変更を迫られたというゲームが続出している。

デベロッパーのTravellin Catsは2月25日、PC(Steam)向けに販売中の『Cats Hidden in』シリーズの全作品について、「Travellin Cats in」へとタイトルを変更すると発表した。商標権に関する問題が理由とのこと。
実はその商標をめぐっては、同様にタイトル変更に迫られた開発者がほかにもおり、一部では商標権の所有者に対して批判の声が上がっている。

問題の商標は、ブラジルのデベロッパーNukearts Studioが米国にて登録している「Hidden Cats」だ。同スタジオは、イラストの中から猫を探すゲーム『Hidden Cats』シリーズを手がけており、同商標は昨年1月に出願され、9月に登録されている(米国特許商標庁)。同商標の適用範囲にはダウンロードゲームのほか、ダウンロード用の絵本やポスターも含まれる。
前出のTravellin Catsによると、その後Nukearts Studioは「Hidden Cats」の2022年からの先使用権を主張し、『Cats Hidden in』シリーズによる商標権侵害を、Steamを運営するValveに申し立てたのだという。これを受けてValveはTravellin Catsに対し、同シリーズのタイトルを変更しなければストアから削除すると通告。そして、「Travellin Cats in」へとタイトルを変更したとのこと。

またTravellin Catsによると、Valveは同スタジオに対し、変更後のタイトルには「Hidden」も「Cats」も使用してはならないと告げたという。権利を主張するNukearts Studio側からそうした要求があった可能性も伺える。Travellin Catsは、このような商標がどうして認められたのか理解できないとしつつ、対抗するお金も時間もなかったとコメント。そして、今後たくさんの開発者が同じ問題に直面するだろうと注意喚起した。
実際、同様にタイトルを変更したスタジオがほかにも存在する。『HIDDEN CAT』シリーズをリリースしているVery Very LITTLE Studioは2月25日、同シリーズのタイトルを「FIND KITTENS」へと改めた。同スタジオは諸事情によるものだと詳細を避けて説明しているが、タイミング的にNukearts Studioからの商標権侵害の申し立てに対応したものと推測される。

ちなみに、ここまでに挙げた作品はいずれもイラストの中から猫を探すゲームである。こうしたゲームは、ほかにもさまざまなデベロッパーが手がけており、人気ジャンルを形成している。その中で、「Hidden」「Cats」というワードをタイトルに使用する開発者も複数存在したという状況だ。
ただし、Nukearts Studioの『Hidden Cats』シリーズが同ジャンルの始祖というわけではなく、たとえばAnatoliy Loginovskikh氏の『100 hidden cats』は1年ほど早くリリースされている。なお、現時点で同作はタイトル変更されていないが、同様に著作権侵害の申し立てを受けているのかどうかは不明である。
自社の登録商標を守ることは当然の行動ではあるものの、タイトルに「Hidden」や「Cats」といったごく一般的な単語を使用するものにまで範囲を広げて商標権侵害を訴えるNukearts Studioの姿勢については批判の声も上がっている。
ゲーム業界のビジネスサポートをおこなっているUkiyo Studiosは本件に言及し、Valveはアメリカの会社であるため、商標権侵害を申し立てる弁護士からの手紙には敏感だと指摘。また、「猫」「隠れる」という単語にすら権利主張をするのはまったくのナンセンスだとした上で、「Hidden」や「Cats」をタイトルに含めると、今後Nukearts Studioや同スタジオ作品の販売元Silesia Gamesに狙われる可能性があるとして、国内開発者に向けて注意喚起した。
一方、本件を受けてNukearts Studioの『Hidden Cats』シリーズの各作品のPC(Steam)版においては、いわゆる“レビュー爆撃”が発生している。不評レビューが多数投じられ、同スタジオの商標の取り扱いについて抗議が殺到している状況だ。今後同スタジオが、本件について何らかの反応を示すのかどうか注目される。
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