『NEEDY GIRL OVERDOSE』開発者が贈る新作『妹、他者、パラノイア』発表。にゃるら氏など再集結したスタッフが放つ、妹との共依存ダークビジュアルノベル

HazeDenkiは12月30日、ダーク・ビジュアルノベルゲーム『妹、他者、パラノイア』を発表した。

デベロッパーのHazeDenkiは12月30日、ダーク・ビジュアルノベルゲーム『妹、他者、パラノイア』を発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、配信時期は未定。

本作は、女性配信者育成ゲーム『NEEDY GIRL OVERDOSE』を手がけたクリエイターにゃるら氏による新作だ。同じく同作に携わったお久しぶり氏、Aiobahn氏も開発に参加しているという。

『妹、他者、パラノイア』の主人公は、他人の感情に敏感すぎるあまり、思考を読めるようになったことで引きこもりが進んだラノベ作家だ。彼の唯一の心の拠り所は、ともに引きこもり続けてくれる、ギフテッドゆえに孤独な妹である。主人公は、引きこもって投稿したライトノベルが新人賞を通り、嫉妬と羨望で数少ない人間関係すら輪をかけてイヤになってしまう。妹は、そんな彼の唯一の癒しだという。

本作のゲームシステムは、古風な王道ビジュアルノベルを踏襲しているとのこと。プレイヤーは、過敏な主人公を通して陰鬱な現実社会を生き、家に帰って人生唯一の癒やしである実妹との幸福を噛み締める。一方で、周辺人物との軋轢が続き、相手の浅ましい思考に殺意すら湧いた瞬間、プレイヤーは主人公の心理を読み取る能力を駆使し、相手を自殺に追い込むことができるという。自ら手を下すわけではないため捕まることはない。そうして、自殺していないだけの二人は、歪な共依存に溺れていく。

本作の開発元HazeDenkiは、にゃるら氏が設立した会社のようだ。先述したように同氏は『NEEDY GIRL OVERDOSE』を手がけたことで知られ、同作は今年11月時点で累計300万本を販売する大ヒットを記録。2026年4月にはアニメ化も控えている。一方で同作を巡っては、にゃるら氏ら原作陣と、販売元ワイソーシリアス代表取締役社長であり同作のプロデューサーを務めた斉藤大地氏との間の確執が浮上。契約や収益分配などに関して告発なされ、それに対して同社が反論している状況にある。

そうした中でにゃるら氏は今年9月、「もう二度と外野に権利やお金がどうと言われないよう自分で100%権利持つための法人会社を設立」し、新たなインディーゲーム制作を開始すると宣言。その後、『NEEDY GIRL OVERDOSE』にてキャラクターデザインを担当したイラストレーターのお久しぶり氏や、同作の楽曲を手がけたAiobahn氏らと共に、「妹もの」のビジュアルノベルゲームを開発中であることを明らかにしていた。その作品が、今回ついに正式発表された格好だ。

本作についてにゃるら氏はゲームゼミとのインタビューの中で、もともとワイソーシリアスと組んでいた頃から計画していた作品で、「売れなさそうだ」という理由で保留にされていたものを、独自にリスタートさせたと明かしている。本作では、『NEEDY GIRL OVERDOSE』でやれなかった余白、特に猟奇的な要素をやりたいとも述べている。ちなみに、『NEEDY GIRL OVERDOSE』を手がけたフルメンバー5人による、カルト教団を題材にした別の新作の計画も進行中とのこと。

『妹、他者、パラノイア』は、PC(Steam)向けに開発中。配信時期は未定だ。

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Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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