PS5/PC向け大型期待作『Phantom Blade Zero』開発者が、GOTY受賞作『Expedition 33』開発チームからアドバイスを受ける。限られた期間では「要素を削ること」も大事

『Phantom Blade Zero』の開発者が、『Clair Obscur: Expedition 33』の開発元から今後の制作について重要なアドバイスを受けたことを明らかにした。

中国のスタジオS-GAMEのCEO兼チーフデザイナーを務める梁其伟(Qiwei Liang)氏は、『Phantom Blade Zero』の制作について、『Clair Obscur: Expedition 33(クレール・オブスキュール:エクスペディション サーティースリー)』の開発元、Sandfall Interactiveからアドバイスを受けたことを明らかにした。海外メディアGamesRadar+が報じている。

『Phantom Blade Zero』は、濡れ衣を着せられた暗殺者が残された時間で黒幕へ復讐を果たす、カンフーパンクアクションRPGである。対応プラットフォームはPC (Steam/Epic Gamesストア)/PS5で、2026年9月9日にリリース予定だ。本作の舞台は、架空の世界「ファントムワールド」。主人公は、オーダーと呼ばれる組織に所属するエリート暗殺者として、強大な敵や人間離れした怪物とアクションを繰り広げていく。

『Clair Obscur: Expedition 33』は、アクション要素を取り入れたターン制バトルを特徴とするRPG。舞台は、ペイントレスと呼ばれる存在が人々を脅かす世界。ペイントレスは年に1度呪いの数字をモノリスに刻み、描かれた年齢の人々は消滅してしまう。ペイントレスの描く数字は年々小さくなるため、人類は滅びを待つ状況にあるという世界観だ。リリース直後から高い評価と人気を集めている作品で、12月12日に開催された「The Game Awards 2025」ではGame of the Year(ゲーム・オブ・ザ・イヤー)を含む9冠を受賞している(関連記事)。

Liang氏によると、『Clair Obscur: Expedition 33』の開発チームとの意見交換は「The Game Awards 2025」の直後に行われたそうだ。様々なことが話し合われたなか、特に重要だと考えているのは「残り約9か月の開発期間で一番大事なのは要素を削ること」という助言だったそうだ。不要な要素を削り、残った部分を磨き上げることを重要視する助言が、一番心に残ったとのこと。そのほかどのようなやり取りがあったか詳しくは明らかにされていないが、同氏はこのアドバイスを「良い考え」としており、助言に従う方針であるという。

Sandfall Interactiveは以前、『Clair Obscur: Expedition 33』の開発にあたって、トレンドである「オープンワールド」形式をあえて避ける決断をしたことを公表している。デザイナーが細部まで描画せず、その一方でプレイヤーには世界の広大さを感じさせる手法を採用することなどでリソースを節約。最終的な開発費は、1000万ドル(約15億6000万円)未満に抑えることに成功している(関連記事)。今回のアドバイスは、そういった同スタジオの成功体験から出たものなのかもしれない。

なお『Phantom Blade Zero』は、Unreal Engine 5と最新のモーションキャプチャー技術を採用した、スタイリッシュな剣術アクションが特徴。作中は、カンフー映画をモチーフに、スチームパンクの要素も取り入れた“カンフーパンク”と称される世界観になっており、刀剣がぶつかりあい火花が散る、瞬時に決着の着くスタイリッシュなバトルが楽しめるそうだ。Sandfall Interactiveから伝授された“不要な要素は削る”方針で、最終調整が行われるであろう本作がどういった仕上がりになるのか、今から注目したい。

『Phantom Blade Zero』はPC (Steam/Epic Gamesストア)/PS5にて、2026年9月9日にリリース予定。

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Satofumi Inoue
Satofumi Inoue

大作洋ゲーから、インディーゲーム、VR系まで幅広く遊ぶ雑食派。いろいろ遊びすぎて一つのタイトルに使える時間が減り気味なのが悩み

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