『アサシン クリード シャドウズ』の「進撃の巨人」コラボクエスト、「山場の緊張感なさすぎ」と辛口不評相次ぐ。のっぺりチープ巨人芝居

Ubisoftは11月25日、『アサシン クリード シャドウズ』に向けてバージョン1.1.6アップデートを配信。実装された「進撃の巨人」コラボクエストに向けて、さっそく不満の声が寄せられている。

Ubisoftは11月25日、『アサシン クリード シャドウズ』に向けてバージョン1.1.6アップデートを配信した。同アップデートにて期間限定で実装されている「進撃の巨人」コラボクエストに向けて、さっそく不満の声が寄せられている。

『アサシン クリード シャドウズ』は、『アサシン クリード』シリーズの最新作。舞台となるのは、安土桃山時代の日本だ。戦乱の時代にて伊賀出身の忍かつアサシンである奈緒江と、アフリカ出身の一騎当千の兵である弥助が、互いに相通ずる使命を見出し戦いに身を投じることになる。両主人公には、それぞれに固有のスキルや装備、成長要素が用意。また、密偵のネットワークを築いたり、拠点となる隠れ家を築いたりといった要素も存在する。

今回Ubisoftは本作に向けてバージョン1.1.6アップデートを配信し、諫山創氏による人気漫画・アニメ「進撃の巨人」とのコラボイベントを12月22日まで開催している。このなかでは無料のコラボクエスト「壁の向こう側」「降下」も期間限定で実装。奈緒江と弥助はエイダと名乗る女性に導かれ、エイダの友人を救い出すべく花園城の地下に広がる洞窟を探索することになる。

そんなコラボクエストについては、特にカットシーンの品質の低さなどを巡って不満も寄せられている。主に指摘されているのはクエストの山場となるシーンであり、ここでは黒幕であるアルブレヒト卿が追い詰められ、巨人の脊髄液を自らに打ち込んで巨人化することに。満を持して「進撃の巨人」の象徴ともいえる巨人が登場するものの、冗長な演出やシンプルなアニメーションなども相まって、緊張感に欠けるシーンとなっている。

その後は囮になった弥助が、洞窟内を匍匐前進する巨人に追われながら逃走することになる。追いつかれた場合の特殊な死亡シーンも用意されているものの、巨人に一瞬にして叩き潰されるというごく短いものだ。洞窟を脱出するとカットシーンと共にそのままクエストは終了。洞窟に巨人が取り残されていることが示唆されて、派手な戦闘もなく幕を閉じる。

ちなみにクエスト中には立体機動をモチーフにしてか鉤縄を用いるパルクールが散りばめられていたり、巨人化したアルブレヒト卿が奇行種の巨人のような走り方を見せたりと、「進撃の巨人」らしさを感じられる要素もみられる。とはいえ全体的には大作ゲームである『アサシン クリード シャドウズ』と人気作「進撃の巨人」のコラボクエストとして物足りないつくりであり、先述のカットシーンのチープさも相まって批判も集まっているかたちだ。せっかく巨人を登場させるなら、巨大さがわかる屋外でのシーンや戦闘を用意してほしかったと残念がる反応もみられる。

なお『アサシン クリード』シリーズ作品においては今月、『アサシン クリード ミラージュ』に向けて無料大型DLC「記憶の谷」が配信されたばかり。当初は新コンテンツの拡張がないと伝えられていた同作に向けたサプライズ的な新展開であり、上質な内容も含めてファンからは称賛が集まっている。

特に『アサシン クリード ミラージュ』では会話シーンにおける、モーションキャプチャーによるリッチなアニメーションも特徴。無料追加コンテンツが同タイミングで配信されたこともあってか『アサシン クリード シャドウズ』のコラボクエストのカットシーンのアニメーション品質が対照的に比較されている様子だ。

とはいえ『アサシン クリード シャドウズ』のコラボクエストはあくまで期間限定配信の単発クエストであり、無料とはいえ大型DLCとして用意された『アサシン クリード ミラージュ』の「記憶の谷」と比較すれば見劣りする部分はあるだろう。『アサシン クリード シャドウズ』においても、早期購入者特典および有料DLCである「淡路の罠」は、その演出面やボリュームが一定の評価を受けていた。

このほかシリーズ作品においては、過去にも『アサシン クリード オリジンズ』における『ファイナルファンタジーXV』コラボクエスト「神々に賜わりし物」の内容のシンプルさに不満が寄せられたことがある。同クエストは、簡単な謎解きとカットシーンが用意されているのみで戦闘もなく唐突にコラボ装備を入手できるというものであった。

そんな同クエストも当初は期間限定の配信であった。他社作品とのコラボクエストでは権利元のライセンス周りの課題や監修、配信期間の制限などさまざまなハードルも考えられ、ボリュームアップが難しく、また手間をかけづらい側面もあるのだろう。

ちなみに今回の『アサシン クリード シャドウズ』では、「進撃の巨人」のコラボクエストとは別に無料ストーリードロップ第3弾「難題」も実装。奈緒江と弥助が互いに新たな技を披露して教え合う様子をユーモラスに描いたクエストになっており、それぞれは小規模ながらコラボクエストと本編から地続きのクエストがセットで用意されたともいえる。

いずれにせよ今回の反応も見るに、無料の追加要素といえども、大型作品においては一定の品質を備えていなければ却って批判を呼ぶ状況もうかがえる。特に今回のクエストは報酬も乏しく、目玉となるコラボスキンがゲーム内ストアでの有料販売となっていることも不満に繋がっているようだ。

なお11月26日には、『アサシン クリード シャドウズ』のアソシエイトディレクターを務めたSimon Lemay-Comtois氏が、人気YouTuberであるJorRaptor氏のインタビュー動画で本作の今後について語っている。Simon氏によると、『アサシン クリード』シリーズではリリースの方針が作品によって異なり、本作ではまずはユーザーのフィードバックを素早く反映して磨き上げることに重点が置かれたという。

そのためYear 1は改善系のアップデートが中心になったそうだが、Year 2ではアップデート頻度は減るもののコンテンツアップデートが計画されているとのこと。ただし「淡路の罠」のようなDLC規模ではなく、今回のバージョン1.1.6と同程度のコンテンツ追加が続けられていくそうだ。来年以降のアップデートで追加されるコンテンツに、今回集まったようなフィードバックが反映されるかどうかも注目される。

このほかインタビューでSimon氏は、年内にも新たなアップデートが予定されており、フィニッシャーの追加やサプライズが用意されることも示唆している。今年最後のアップデートについては、近日中に続報が発表されるとのことだ。

アサシン クリード シャドウズ』は、PC(Steam/Ubisoft Store/Epic Gamesストア/Mac App Store)/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中だ。Ubisoft+ Premium向けにも提供中。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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