SIEの延期中PvPvEシューター『Marathon』、非公開プレイテストの「同接グラフ」だけで中身予想始まる。手がかりないけど議論白熱

Bungieが手がける『Marathon』にて、北米・欧州向けのクローズドテクニカルテストが実施されていた。このテストの「Steamの同時接続プレイヤー数」だけを頼りにユーザーの推理が飛び交っているようだ。

Bungieが手がける『Marathon』にて日本時間10月23日から10月29日まで、北米・欧州向けのクローズドテクニカルテストが実施されていた。秘密保持契約(NDA)のあるテストになっており、外部から内容がまったくわからない中で「Steamの同時接続プレイヤー数」だけを頼りにユーザーの推理が飛び交っているようだ。

『Marathon』は、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)傘下のBungieが開発中のPvPvE脱出型FPSだ。舞台となるのは、力と富を巡って派閥が対立する惑星タウ・セティIV。プレイヤーはサイバネティック傭兵「ランナー」として最大3人の部隊を組んでこの星に降り立ち、武器や装備、貴重品を探しつつ脱出を試みることになる。マップには最大18人のプレイヤーが集められ、敵部隊や敵AIロボットと戦闘。チームメンバーの蘇生・リスポーンも可能なシステムが特徴になるという。

本作は今年4月に、9月24日に発売予定であると発表され、北米地域では4月末にクローズドアルファテスト(以下、アルファテスト)も実施。一方で同テストではユーザーからネガティブなフィードバックが寄せられることになり、ブラッシュアップのため発売が延期されることになった。クローズドテストを継続しながら改善がおこなわれてきたそうで、日本時間10月23日から29日未明にかけては北米・欧州向けのクローズドテクニカルテスト(以下、テクニカルテスト)がPS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)にて実施されていた。

なおテクニカルテストはNDAのもとで実施されているため、その内容は外部には明かされていない。一方で一部ユーザー間では、Steamの同時接続プレイヤー数から強引に“評判”を推理しようという試みもあるようだ。

というのもSteamの非公式データベースSteamDBでは、ゲームの製品版だけでなくデモ版やベータテストの同時接続プレイヤー数も確認可能。本作のクローズドテストについても同様だ。最大同時接続プレイヤー数は約6900人であり、これは先述した4月末のアルファテストの際の記録。ただ同テストではピークを記録したのち、プレイヤー数が急落していたことがうかがえる。先述したように4月のアルファテストは参加者からは不評が集まっており、急速に“テスター離れ”が生じたのだろう。

一方で今回のテクニカルテストについては、最大同時接続プレイヤー数が約4300人。ピーク時だけで比べるとアルファテストよりも少ないものの、連日同程度のプレイヤー数を記録している点は印象的だ。なお今回のテクニカルテストでも、前回のアルファテストと同じく段階的に招待がおこなわれる形式で対象者が参加している。連日新たな参加者も一定数加わっているとみられるが、少なくともアルファテストよりはプレイヤーが継続的に集まっていることを示すデータに見えるかもしれない。いずれにせよ、そうして“ほぼ何もわからない”中で同時接続プレイヤー数の増減だけを判断材料にして、改善されたか否かといった推理が飛び交っているようだ。

なお『Marathon』の発売延期の際には、サバイバルゲームとしての持ち味の強化、世界観やビジュアル面の強化、ソーシャル体験の充実などが掲げられて改善が進められることが表明されていた。またSIEでは“『コンコード』の結果”を受けて傘下スタジオの開発プロセスの見直しも推し進められているといい、Bungieではその一環としても入念にアルファテストの分析がおこなわれてきたそうだ(関連記事)。

『コンコード』といえば、昨年8月の発売後わずか10日にして販売が停止され、その後開発元であったFirewalk Studiosが閉鎖されることとなったタイトル。『Marathon』は同作に続く、SIE発のライブサービス型の対戦シューターとなる。同作での“失敗のイメージ”を払しょくしたい狙いもあってか、入念なブラッシュアップがおこなわれてきたこともうかがえる。

そうした背景もあり、本作がアルファテストからどの程度改善されているのかには大きな注目が集まっているのだろう。内容がまったくわからない状態から「Steamの同時接続プレイヤー数」だけで強引に推理を試みるユーザーも発生している点は興味深い。いずれにせよ、過去には開発の進捗状況や新たなリリース日について今秋以降に案内することが伝えられており、今回のテクニカルテストの結果も受けて今後の情報発表も決定されるのだろう。続報に注目したい。

『Marathon(マラソン)』はPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに発売予定だ。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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