スクエニ、セガサミー、バンダイナムコ共同で「開発現場の不要PCモニター」寄付活動進む。約4年で寄付数は3500台に到達

スクウェア・エニックスとセガサミーホールディングスとバンダイナムコホールディングスの3社は8月18日、合同で取り組んでいる使用済みPCモニターの寄付について累計寄付数が3500台に到達したことを発表した。

スクウェア・エニックスとセガサミーホールディングス(以下、セガサミー)とバンダイナムコホールディングス(以下、バンダイナムコ)の3社は8月18日、合同で取り組んでいる使用済みPCモニターの寄付について累計寄付数が3500台に到達したことを発表した。

スクウェア・エニックス、セガサミー、バンダイナムコの3社は、いわゆるAAAタイトルも多数手がけている日本を代表するゲーム会社だ。開発現場においては、高精細なグラフィックスや鮮やかなカラーが十分に表示される高スペックのモニターを、作業効率向上のために一人あたり2台以上使用するケースもあるという。そのため、最新機器の導入や機材の入れ替えタイミングでは、不要となるモニターが生じるという課題もあったようだ。

この使用済みモニターを有効活用すべく、セガサミーのIT部門担当者がスクウェア・エニックスとバンダイナムコのIT部門へ打診し、使用済モニターをピープルポートへ寄付するプロジェクトが立ち上がったという。プロジェクトが開始した2021年9月から49回にわたる寄付をおこない、3社累計寄付数は3500台に到達。3社共同でプロジェクトに取り組むことで、より多くの台数を寄付できるほか、より持続的に活動することが可能になったという。今後も業界規模での環境負荷の低減やエコ社会の実現、社会貢献活動に寄与していくことも伝えられている。

寄付先のピープルポートは、不要になった電子機器を無償で回収し、リユース・リサイクル販売することで、日本の難民雇用創出や子供の教育支援などの社会課題に取り組む企業だ。NGOやNPOではなく、社会課題をビジネスで解決するソーシャルビジネスのみをおこなう会社「ボーダレスグループ」を構成する一社である。また、廃棄されたパソコンを再利用し、部品までリサイクルした再生PC「エシカルパソコン ZERO PC」の販売を通じた環境負荷低減にも取り組んでいる。今回寄付されたモニターも同様に、再生事業では難民の雇用を創出し、販売額の一部は教育支援として寄付される。

ちなみに、ゲーム会社による寄付活動はこれまでにもさまざま実施されている。たとえば株式会社ポケモンは、2022年より5年間にわたって、国際NGO団体「セーブ・ザ・チルドレン」など41の団体に対して最低2500万ドルを寄付することを発表(関連記事)。また、戦時下サバイバルゲーム『This War of Mine』の開発元は、新DLCの収益をすべて慈善団体へ寄付することを発表している(関連記事)。

今回の3社合同の発表は、電子機器の寄付も社会貢献になることが示されたかたち。情報漏えいの心配も少ないPCモニターが対象ということもあってか、競合関係にある大手3社が合同の取り組みとしておこなっている点でも注目の活動といえそうだ。今後も使用済みモニターの寄付が継続されることで、エコ社会の実現に向けて進展していくことが期待できるだろう。

Haruki Maeda
Haruki Maeda

3DアクションRPGと犬をこよなく愛するPCゲーマー。『フォールガイズ』のようなわちゃわちゃ系も大好きです。

記事本文: 117