魔女断罪推理ゲーム『魔法少女ノ魔女裁判』みるみる人気高まる。「容疑者全員魔法少女」な殺人事件を捜査する、救いなき共同生活

Acaciaは7月18日、推理アドベンチャーゲーム『魔法少女ノ魔女裁判』を発売した。さっそく多数のユーザーを集めている。

合同会社Re,AERのクリエイティブブランド「Acacia」は7月18日、『魔法少女ノ魔女裁判』を発売した。対応プラットフォームはPC(Steam)。本作にはさっそく多くのユーザーが集っている。

『魔法少女ノ魔女裁判』は推理アドベンチャーゲームだ。主人公のエマは高校1年生になるはずの朝、絶海の孤島に存在する牢屋敷で目を覚ます。エマや彼女と同じように牢屋敷に集められた少女たちは、現れたフクロウによって、この世界に害をなす「魔女」の可能性があると告げられる。13人の魔女候補の少女たちはともに囚人としての共同生活を送るなか、ある日殺人事件が発生。魔女を見つけて処刑する残酷なゲーム「魔女裁判」に臨むことになる。

本作のゲームプレイは、ADVパートと魔女裁判パートの2つから構成されている。ADVパートでは魔女候補の少女たちとの交流を通して、それぞれがもつ魔法や秘められたトラウマに迫っていく。そして殺人事件を契機に展開される魔女裁判パートでは、集めた事件の手がかりや少女たちの魔法に関する情報をもとに議論を展開。矛盾を指摘し、処刑すべき「魔女」をあぶり出す。

本作はシナリオ制作会社であるRe,AER(レ・アエル)が今年発足したクリエイティブブランド「Acacia(アカシア)」のデビュー作。昨年実施されたクラウドファンディングでは、6600万円を超える支援を得ることに成功し、このたびリリースに至った。

そんな本作は発売後のSteamユーザーレビューで、約500件中94%の好評率で「非常に好評」ステータスを獲得している。また同時接続プレイヤー数は発売以降、連日約5000人を記録しており、シングルプレイであるアドベンチャーゲームとしてはかなり高い数値(SteamDB)。大きな注目を集めていることがわかる。ちなみにSteamユーザーレビューの内訳は日本語が約30%なのに対して、簡体字が約60%。そのほか繁体字・韓国語ユーザーなど、アジア圏で大きく支持を受けているようだ(Steam Scout)。

ところで、共同生活において発生した殺人事件の手がかりを集め、裁判を通して犯人の処刑をおこなうという舞台設定およびゲームサイクルを、スパイク・チュンソフトが手がける推理アドベンチャーゲーム『ダンガンロンパ』シリーズになぞらえる声も多く聞かれる。とはいえ、本作は魔法が絡んだ複雑なトリックが持ち味。たとえば、足跡を残さずに現場に侵入することも、「浮遊」の魔法を使える人物なら可能かもしれない、といった具合だ。現実から逸脱した要素によって、真相解明が一筋縄ではいかない点などは本作の特徴となっているだろう。また、本作では裁判中のミニゲームや失敗によるペナルティが存在せず、シナリオに集中できるという点も評価を受けているようだ。

また、日常で描かれる少女たちの明るい掛け合いとは対照的に、魔女裁判での激しい感情の昂ぶりといった声優陣の演技の振れ幅も本作の見どころの1つ。可愛らしい人柄の内に隠れた陰鬱なトラウマなど、キャラクターの二面性も注目ポイントとなっている。

ちなみに、前述したクラウドファンディングにて達成されたストレッチゴールのリターンとして、Nintendo Switchへの移植が公表済み。なおNintendo Switch 2の発表・発売を受けてか、移植先のプラットフォームについては変更の可能性があるとのこと。なお本作は発売から約3日で3万本の販売を達成したことが開発元により報告されており、今後どこまで評価を伸ばすのか注目したい。

『魔法少女ノ魔女裁判』はPC(Steam)向けに配信中。

Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

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