ディストピアゲーム『Fortune’s Run』、開発者が“有罪判決を受け収監されるため”開発中断へ

デベロッパーのTeam Fortuneは1月15日、FPS『Fortune’s Run』の開発を中断すると発表した。なんと開発者が収監されるためだという。本作は、PC(Steam)向けに早期アクセス配信中。

デベロッパーのTeam Fortuneは1月15日、FPS『Fortune’s Run』の開発を中断すると発表した。なんと開発者が収監されるためだという。本作は、PC(Steam)向けに早期アクセス配信中。

本作は、New Zabraと呼ばれるディストピア世界を舞台にするFPSだ。主人公は犯罪者として囚われていたところ、とある企業のために働くことを余儀なくされる。ただ、その背景には何らかの陰謀が見え隠れし、彼女は真相を探りつつ、自由を求めて戦うこととなる。レトロな3Dグラフィックを採用しつつ、本格的な近接バトルシステムを駆使した難易度高めのゲームプレイなどが特徴の作品である。

『Fortune’s Run』は、PC(Steam)向けに2023年9月に早期アクセス配信が開始。その後いくつかのアップデートが配信され、新規ミッションや追加ゲームモードなどが追加されてきた。ユーザーレビューでは、本稿執筆時点で約450件のうち92%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得する人気を得ている。しかしこの度、開発の中断が発表された。

開発者のDizzie氏によると、今から5年ほど前に自らが起こしたとある事件について、懲役3年の有罪判決が下されたのだという。来月2月に収監される予定となっており、本作は現在同氏が個人で開発しているため、開発を中断せざるを得なくなってしまったそうだ。

なお、どのような罪を犯したのかについては伏せられたが、Dizzie氏は性犯罪ではないとコメント。また、以前一緒に活動していた開発者は無関係とのこと。同氏は、ゲーム開発を始める前だった事件当時は、あまり良い暮らしができず非常に暴力的な人間であったとし、実刑判決は多くの人を傷つけた結果であるとの受け止めを述べている。

本作の今後についてDizzie氏は、現時点では何とも言えないとしつつも、本作の売れ行きはよく経済的に困窮しているわけではないため、刑期を終える数年後まで待ってもらえれば、完成させられるかもしれないとコメント。手がけるべきコンテンツは、もうそれほど多く残っていないとのこと。そして同氏は、自分が得意とすることを仕事にする機会を得られたとし、ファンに感謝の言葉を述べた。

なお今回の発表後には、本作に向けて大型アップデートが配信。ステルスメインのミッションや、バフ効果を購入できるショップや自動販売機、新たな敵勢力など、多数のコンテンツが追加された。パッチノートにてDizzie氏は、来月にはバグ修正などに取り組むとしており、収監されるまで開発を続けるようだ。

『Fortune’s Run』は、PC(Steam)向けに早期アクセス配信中だ。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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