『World of Warcraft』最新アプデで、「クモがカニになる」オプション実装され注目集まる。クモが謎の甲殻類化を果たすもちゃんとした理由あり

『World of Warcraft』の大型拡張パック「The War Within」配信に合わせたアップデートで“クモ恐怖症”のプレイヤー向けのオプションが導入。同オプションにおけるクモのモデルの変化が予想外であるとして注目が集まっている。

Blizzard Entertainmentは8月26日、『World of Warcraft』の大型拡張パック「The War Within」を配信開始した。また配信に合わせたアップデートで“クモ恐怖症”のプレイヤー向けのオプションが導入。同オプションにおけるクモのモデルの変化が予想外であるとして注目が集まっている。なお本記事には、クモをモチーフとしたキャラクターの画像が含まれるため留意されたい。

『World of Warcraft』は『Warcraft』シリーズの世界を舞台にしたMMORPGだ。2004年にリリースされ広く人気を集め、現在まで20年間運営されてきている。先月配信された「The War Within」は同作の第10弾大型拡張パックとなり、導入することでレベルキャップが80まで拡大するほか、新たなエリアなど新要素が追加される。

「The War Within」で追加されるエリアのひとつ、Azj-Kahetは地下に広がる領域だ。Nerubianと呼ばれるクモ型の種族が帝国を築いている。そんな同エリアにはモンスターにしろ友好的NPCにしろ、クモ型の生物が多数存在。クモに嫌悪感を覚えるプレイヤーには、いささか探索が辛いエリアともなっている。一方でクモ恐怖症をもつプレイヤーへ配慮もされており、同拡張パックではクモのモデルを置き換えるオプションが導入。アクセシビリティを拡大するオプションであるが、同オプションをオンにした際の変化が“予想外”であるとしてSNSなどで注目が集まっている。

海外掲示板Redditでは、『World of Warcraft』でクモ恐怖症向けモードをオンにするとこうなる、としてスレッドが投稿。投稿で紹介されているのは、友好的NPCのWidow Arak’naiのモデルである。オプションがオフの状態ではいかにもクモらしい姿の同キャラであるが、オプションをオンにすると姿が一変。紫色の外骨格が輝くロブスターとなる。この大胆な変化が話題を呼び、同投稿は本稿執筆時点で1万2000件以上のUpvoteを集めている。


Widow Arak’naiに限らず、同作ではクモ恐怖症向けモードをオンにすると、クモに似た姿のキャラクターはすべてロブスターやカニなど、それぞれ甲殻類の姿に変更される。クモから変化するにしてもなぜ甲殻類なのか気になるところだが、開発元によると理由があるようだ。海外メディアPC Gamerは、『World of Warcraft』のアートディレクターであるTina Wang氏にインタビューを実施。Wang氏によると、代替モデルが甲殻類となったのは検討を重ねた結果で、クモと甲殻類は足の生え方や爪の存在などで共通点があったからだという。同氏によると、「カニとクモはパッと見で似ている(crabs seem spider-like to the casual observer)」とのこと。

甲殻類がクモに似ているかどうかは、個人の感性によるところもあるだろう。一方でWidow Arak’naiについていえば、ロブスターとなった姿においても、全体的な雰囲気などは元のクモの姿の面影が感じられなくもない。またゲームとしては、新しい姿でもクモとしてのアクションは変わらず実行させる必要があるだろう。アニメーションなどの流用を考慮し、違和感をできるだけ少なく動かすためには、ロブスターなどの甲殻類が代替として適していたということなのかもしれない。またWang氏によるとプレイテストの結果も好評で、「みんなカニ好き(People are pro crabs)」だったという。

『ホグワーツ・レガシー』におけるクモ恐怖症向けモード


クモ恐怖症向けのモードを搭載しているゲームは少なくないが、オンにした際に実際にどうなるかは作品ごとにさまざまである。たとえば『ホグワーツ・レガシー』では、ローラースケートを履いたややかわいらしい生き物に変化(関連記事)。『Satisfactory』においてはクモの姿に重なるかたちでネコの画像が表示されるようになり、また『Lethal Company』では姿も残さず「SPIDER」という文字に置き換えられる(関連記事)。恐怖感を与えずにクモであると認識させるという目的は共通しているものの、実装方法については各開発元の工夫と個性が感じられる。

『World of Warcraft』ではすべてを甲殻類のモデルに置き換えるという手法となっており、なかなか珍しい実装方法に注目が集まっている。なお本作『World of Warcraft』のクモ恐怖症モードで置き換わるのは新登場のキャラクターだけでなく、これまで登場したすべてのクモに似た敵やペットなども変化。なかには独自モデルを与えられたキャラもいるという。興味のある方はオプションをオンにして遊んでみて、見慣れたキャラがどんな甲殻類になっているのか確認するとよいかもしれない。

『World of Warcraft』はPC(Battle.net)向けに配信中だ。

Akihiro Sakurai
Akihiro Sakurai

気になったゲームは色々遊びますが、放っておくと延々とストラテジーゲームをやっています。でも一番好きなのはテンポの速い3Dアクションです

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