株式会社クリーチャーズおよびThe Pokémon Company Internationalは6月14日、「Pokémon Trading Card Game イラストレーションコンテスト 2024」の一次審査を通過した300作品を発表した。一方でこのなかの複数の作品が「AIによる生成イラストではないか」といった推察が国内外のSNSユーザー間で寄せられた。さらに同一人物によりルール上の応募上限を超える作品数が投稿された可能性も浮上し、物議を醸していた。
これを受けて「ポケモンカードゲーム」海外向け公式Xアカウントは6月20日、一部作品が公式コンテストルールに違反していたとして、失格処分にしたことを発表。さらに失格者で空きが出た分の作品枠に対し、近日中に追加の選出をおこなうことを表明した。
「Pokémon Trading Card Game イラストレーションコンテスト 2024」は、「ポケモンカードゲーム」のファンからイラストを募るイベントだ。「ポケモンカードゲーム」のアートを盛り上げ、さまざまな才能をもつ新しいクリエイターを発掘することを目的としている。2019年に日本で「ポケモンカードゲーム イラストグランプリ」として開催後、毎年開催されてきた。今年は日本やアメリカなど6か国のユーザーから、2023年10月12日から2024年1月31日にかけてイラストが募られていた。
そして先日6月14日、クリーチャーズおよびThe Pokémon Company Internationalは、一次審査を通過した作品を発表した。応募作品数は1万830作品にのぼったそうで、そのうち審査を通過した300作品が公式サイト上で確認できる。しかしこのうち複数の作品について“AIによって生成されたイラストではないか”といった推察が寄せられているようだ。
本コンテストではAIによる生成コンテンツを明確に禁止する規定はないものの、 疑いを寄せられた作品のなかには“名前のよく似た3名”が応募者となり、それぞれ同じポケモンを題材とした、タッチの似ている複数の作品が投稿されている例も。応募本数については、ルール上、ひとりにつき応募作品は3点までと明確に定められている。そのためAIによる生成の可能性があるイラストが、同一人物により上限を超える作品数が応募されているのではないかとして、SNSユーザーの間で物議を醸していたようだ。
そして本日、本コンテストの運営元は公式サイト上で声明を発表し、一次審査通過作品のうちの一部が公式コンテストルールに違反していることが判明したとした。結果として、違反していた応募者は本コンテストの失格処分となったことを伝えている。さらに失格によって空きが出た分については、近日中に追加で応募作品の選出がおこなわれる予定だそうだ。
本稿執筆時点では失格となった作品は不明。具体的にどのルールに違反していたのかも明かされていないものの、失格者は先述したような応募作品数の上限を破っていたと判断された可能性もありそうだ。なお本コンテストでは総合最優秀作品賞の受賞者に5000ドル(約80万円)および受賞作品がカード化されて贈呈される。また準優勝にあたる、カードイラスト 最優秀作品賞/exカードイラスト 最優秀作品賞においても3000ドル(約50万円)およびカード化された受賞作品が賞品となっている。賞金および賞金を目当てにルールを破って参加していたとみられる応募者に対処がなされたかたちだ。
なお、本コンテストは二次審査と最終審査を予定している。以降の審査においても、厳正な審査と作品の発表を行えるよう体制を強化の上、運営することが今回の声明で発表されている。