『PUBG』のK-POPアイドルスキンにて、露出の多い衣装に着せ替えできてしまう問題発生。「予想外の事態」として開発元は謝罪

 

KRAFTONは6月12日より、『PUBG: BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)にてK-POPアイドル「NewJeans」とのコラボイベントを実施している。その中のコンテンツとして、NewJeansのメンバーそっくりのスキンが配信開始。一方で一部ユーザーがこれらスキンに水着や肌の露出の多い衣装を着せた写真や動画を撮影し、ネット上に投稿。このことが問題視され、KRAFTON側がNewJeansのスキンを調整することを表明している。

『PUBG』は、KRAFTONが手がけ2017年から展開している人気バトルロイヤルゲーム。近年のバトルロイヤルシューター人気の端緒を開いたタイトルでもあり、現在でもSteamの同時接続プレイヤー数上位に君臨し続けるなど高い人気を誇る作品だ。2021年には基本プレイ無料化された。


本作では6月12日より、5人組K-POPアイドルであるNewJeansとのコラボレーションが実施されている。このコラボでは、一部マップやアイテムがNewJeansをコンセプトしたものに置き換わるほか、アイテムショップにメンバーそっくりのスキンが配信。スキンは専用のトークンを集めると交換可能で、トークンは有料アイテムの購入もしくはNewJeansルートボックスを開封すると入手できる。


このメンバーそっくりのスキンには衣装が付属しているほか、既存の衣装を着用させることが可能。衣装を外すと下着ではなく肌着になっているなど一定の対策はされているものの、一部露出のある衣装を着せることも可能となっている。一部ユーザーがこの仕様を利用し、水着や肌の露出の多い衣装をスキンに着せ、写真や動画を撮影。わいせつな文章とともにオンラインコミュニティ上に共有したことで、実在のアイドルに露出の多い服を着せられる点がコミュニティ内で問題視されることとなった。

*コラボスキンで衣装を外した際には下着ではなく肌着となる

また、この問題をさらに大きくしたとみられるのが、5人いるNewJeansメンバーのうち、ヘリンとヘインは未成年という点だ。韓国の法律では19歳未満は未成年扱いとされ、ヘリンは18歳でヘインは16歳。特に未成年メンバーのスキンで上述したような露出の多いスキンを着せられる点は不適切だとして、韓国国内ではさらに強い批判が巻き起こることになった。

この問題を受け6月20日、KRAFTONとNewJeansの所属事務所であるADORが、韓国のポータルサイトNAVERにて、共同声明を発表。声明によれば、ゲーム内衣装は『PUBG』の対象年齢となる15歳以上利用のレーティングに則っているため、アイドルの舞台衣装の水準から外れないという事前の協議を基に、今回のコラボレーションが進められたとのこと。一方で一部ユーザーが既存のアイテムを不適切に利用して、コラボレーションの趣旨が阻害される可能性を十分に予想できなかったとして謝罪。またKRAFTONとADORは状況を深刻に受け止めており、不適切な投稿に対し積極的に対応すると発表した。

さらに同日、KRAFTONはNAVERにて今後の対策についても説明。まず同社は、『PUBG』のキャラクターカスタマイズは、ゲームならではの特別な文化のひとつであり、『PUBG』ではその自由度を尊重すると前置き。一方で今回のスキンの問題については、アーティストを保護する観点からKRAFTONとADORの両社が合意したとして、できるかぎりキャラクターのカスタマイズ性を残しつつ、対策が検討されていることが明かされた。どのような対策となるかは現在検討中とのことながら、たとえばNewJeansメンバーのスキンでは、不適切と判断された衣装を着る際に肌着を着用したまま重ね着するような対策が考えられているとのことだ。

なお『PUBG』ではこのほか、今回のコラボイベントではNewJeansルートボックスの確率表示の説明が不十分で、天井システムのないルートボックスに天井があると表記されていた問題も発生。KRAFTON側は謝罪して補填をおこなうと伝えているものの、先述のNewJeansコラボスキンの仕様変更方針とあわせて一部ユーザーから批判が巻き起こっている状況だ。


アイドルのコラボスキンに肌の露出の多い衣装が、開発元が予期せぬ形で着せられる状態になっていたとされる今回の問題。本稿執筆時点では仕様変更は実装されておらず、スキンの対象には未成年のアイドルも含まれているだけに、早急な対応が望まれるだろう。また今後どのような対応がとられるのかも注目される。

PUBG: BATTLEGROUNDS』はPC(Steam)およびPlayStation 4/Xbox One向けに基本プレイ無料で配信中だ。