『龍が如く』シリーズの“おもしろ英語看板”が海外で妙に人気。「鼻の庭」「太っちょパパ?」などよく見ると不思議な店名いろいろ集まる

『龍が如く』シリーズの特徴といえば町並み。そんな町並みの描写を彩る「看板」が、海外ユーザーを中心におもしろいと人気を集めている様子だ。

セガ/龍が如くスタジオが手がける『龍が如く』シリーズの特徴といえば、実在ロケーションをモチーフに雰囲気を再現した町並み。そんな町並みの描写を彩る「看板」が、海外ユーザーを中心におもしろいと人気を集めている様子だ。

『龍が如く』は、龍が如くスタジオによるゲームシリーズだ。同作では、東京・歌舞伎町をモデルとした「神室町」や大阪・道頓堀がベースの「蒼天堀」をはじめ、実在ロケーションの町並みや雰囲気を再現した町が舞台となる。町並みには「銀だこ」「ドン・キホーテ」といった実在店舗も登場するほか、街頭に立ち並ぶ看板やビルの佇まいなど、その土地の雰囲気を感じさせるようなデザインが細かく施されている。

『龍が如く5 夢、叶えし者』


そうした『龍が如く』の町並みを彩る「看板」の内容を海外ユーザーが紹介し、面白いとして話題となっているようだ。というのも、本シリーズにおける看板の英文は、かなり突拍子もないものが多いようである。話題の発端と見られるのは、海外ユーザーのLucy氏による以下のX投稿だ。

同氏が投稿したゲーム内スクリーンショットには、「girls club Shrimp」と記された看板が収められている。同投稿には、この言葉の響きを面白がるような反応が複数寄せられ、本稿執筆時点で3600件を越える「いいね」が寄せられている。

Shrimpといえば、日本語で小エビのこと。そして「girls club」についても、英語圏ユーザーからすればいかがわしい店ではなく「女子の集い」のようなイメージで認識されそうだ。「女子の集い・小エビ」と読めば、たしかに唐突かつ滑稽なのがわかる。なお、「小エビ」のその上の「歌えるスナック ぼん尻(ぢり)」との店名も、日本語ながらかなり脱力感のあるセンスとなっている。

同投稿には、ほかにもLucy氏や別のユーザーから“おもしろ看板”のスクリーンショットが寄せられている。たとえば、上述の投稿では「Nose Garden(鼻の庭)」「GRASS PIC(草画像)」といった店舗名が紹介。店舗の名前としてかなり突拍子もないことがわかる。なんらかの実在看板をパロディしたような雰囲気も感じられる。

ほかにも、「SEXY PUB PRISON(セクシーパブ 監獄)」「BIG FAT PAPA?(太っちょパパ?)」などの看板が注目を集めている。特に「太っちょパパ?」については、複数投稿される人気ぶりのようだ。また、「FART(屁)」とかかれたパーカーを着たチンピラや、「FUNDOSHI RAMEN(ふんどしラーメン)」など、さまざまな描写が楽しまれているようだ。

ちなみに英語話者である弊誌英語版スタッフらの意見としては「全体的に“唐突”なのが面白いのではないか」とのことだった。文脈や業種から想像がつかないような突拍子もないネーミングが、特に英語圏のユーザーの笑いを誘っているとみられる。

こうした、よく見ると奇妙な看板については、本シリーズの伝統芸でもある。なにも英語の看板だけではなく、「海鮮料理 海難」「焼肉 ぼった」「PUB シャレコウベ」など、日本語の看板でもかなり投げやりなネームセンスが発揮されているのだ。しかし、デザインはかなり多彩かつ「ありそう」な雰囲気に仕上げられており、リアリティのある町並みを演出している。こうした英語・日本語の“おもしろ看板”は、「注視すると気づくユーモア」としてあえて取り入れられているのだろう。

シリーズ初の海外メイン舞台である「ハワイ・ホノルルシティ」のほか、横浜・伊勢佐木異人町や神室町を収録した最新作『龍が如く8』は、PC(Steam)およびPS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに発売中だ。 さまざまなロケーションで、ユーモラスな看板を探してみるのもよいだろう。

Sayoko Narita
Sayoko Narita

貪欲な雑食ゲーマーです。物語性の強いゲームを与えると喜びますが、シューターとハクスラも反復横とびしています。

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